Season1 小さな違和感
学校では普通に過ごしているように見える私だったが、胸の痛みをはじめ、頭痛や腹痛などの体調不良が少しずつ増えていく。
『全season15』
朝、目が覚めた瞬間から、胸の奥に違和感があった。
痛いというほどではない。
でも、何となく重い。
私は胸元に手を当てて、ゆっくり息を吐いた。
「……大丈夫」
誰に言うでもなく呟いた。
学校へ行けば、いつもの日常が待っている。
教室に入ると、担任のA先生が笑顔で迎えてくれた。
「おはよう、Ami」
「おはようございます」
私は笑った。
友達と話して、授業を受ける。
いつもと何も変わらない。
でも、二時間目が終わった頃だった。
胸の重さが少し強くなった。
息を吸うと、胸のあたりが気になる。
私は机に手を置いて、何とか平静を保った。
「Ami?」
A先生の声が聞こえた。
「...はい」
「大丈夫?」
「……大丈夫です」
いつもの答え。
A先生は少しだけ私を見つめた。
「そう?」
「...はい」
それ以上は何も言われなかった。
昼休み。
今度はお腹も少し痛くなった。
私は保健室へ向かった。
「M先生、少し休んでもいいですか?」
「もちろん」
養護教諭のM先生は、すぐに椅子を用意してくれた。
「今日はどんな感じ?」
「ちょっと胸が重くて……あと、お腹も少し痛いです」
M先生の表情が少し変わった。
「胸のこと、もう少し教えてもらってもいい?」
私は考えた。
「……うまく説明できないです」
「うまくなくて大丈夫」
その言葉に、私は少し安心した。
M先生は無理に結論を出そうとはしなかった。
ただ、私の様子を確認しながら、A先生とも話をしていた。
放課後。
私は一人で帰りながら、今日のことを思い出していた。
胸の違和感。
お腹の痛み。
先生たちの視線。
そして、なぜか頭から離れない言葉。
――小さなSOSでも、誰かに伝えていい。
その意味を、私はまだ知らなかった。




