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地の文「なんか私が見える小娘が主役みたいですよ?」  作者: 咏柩
第三章『戦争と宗教』
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第三章第百十五話「最終的な部隊編成」


 なんか『魔導山脈』にネムイナさんがいるかもしれないという話だったが、もし本当にネムイナさんがいるとすれば、『魔導山脈』自体がトラップだらけの魔境になっている可能性が高いらしい。


 どういう事だってばよ。



 とはいえ、イレイスちゃんの方には一応それに対しても対策があるらしく……、


「一応、ネムイナは不要な殺生はしない……、というか、変に殺してしまって周囲の報復を招くのを嫌っているので、致命的な罠、というのはまず存在しない筈なのですが……、その分、厄介なものや鬱陶しいものはとても多いので……」



 と、先にその罠の性質を説明するものの、それとは別に、


「それを考えると、初めからある程度攻略法を知っている上……、いざとなれば、その権能……、あ、私の権能は『寂滅じゃくめつ』というもので、つまりは、ありとあらゆるものから自身と自身の触れているものを解脱げだつさせ……、ありとあらゆるものをすり抜けさせる事の出来る透明化能力なのですが……、その権能で全ての罠を回避する事の出来る私が一緒にいた方が良いのではないか、と……、思いまして……」


「どうー、でしょう……? 私なら……、私が自分から触れられるだけの極少人数とはいえ……、確実にそうした罠を含めたあらゆる難から皆さんを逃れさせる事も出来ますし……、先程聞いた瑠璃さんの能力から考えれば……、どうしても不味い危険や、困難な状況があった場合でも、私がいれば、対処出来る事も多いかと思うのですが……」


 ……と、やはり自分ならそうした罠をある程度はどうにか出来る、と、彼女自身の極めて強力な権能も明かしつつ、自身が同行する事の優位性を主張する。



 うん。薄々この子も滅茶苦茶強いんだろうな、とは思っていたものの、まさかの無敵チートである。この世界にはチートしかおらんのか。


[チートしかおらんのか。]


(まぁ、イレイスさんはこの世界の人じゃなくて異世界の人だけれども……)



 ……紅葉が心の中で何かツッコんでいるが……、


 それはそれとして、そうしたイレイスの主張を聞いたリディアは、



「なるほど……。『魔導山脈』にネムイナさんがいた場合、その『魔導山脈』が罠だらけになっている可能性が高くって……、イレイスちゃんならその罠をだいたい回避出来るので、イレイスちゃんも一緒に行った方が良いかもしれない、という事ですか……、あー、それなら……、確かにイレイスちゃんにも来て貰った方が良さそう……、かもですね……」


 と、真剣にそれを考え込んだ後、


「それじゃ、イレイスちゃん! お願い出来ますか?」



 と、あっさりイレイスに助力を乞い、それに対するイレイスはというと、


「あ、はい! よろしくお願いします……!」


 と、何処かほっとした様に、丁寧にお辞儀をしつつ、それを承諾した為、ここでようやく『魔導山脈』行きの部隊がある程度万全な形で、完成する。



 そうして、急遽難題として、『統合歩兵隊』の『魔導山脈』への派兵要請という課題が出て来たものの、それを見事に突破した一行は、議論を次の方向へと進めて行く。



「ふむ。しかし、そうなると……、『魔導山脈』行きの別動隊は万全になったとはいえ……、ここでセラフィリア様と『大龍皇国アルージェ』の部隊が使われる事になりますから……、他の部隊編成はどうしましょうか……」


「んー、個人的には、今はまだ行き先の決まっていない『緋煉皇国』と『聖血帝国エクセルシア』、『樹海の守護者』の内、一つは陽動があった時や他の部隊の方で異変が起きた時の為に残っておいて欲しかったりするんですが……、うーん……、ミスティー執政官、どうでしょう? 何か良い案とかありません?」



 そうして、議論を元の別動隊編成へと戻したリディアは、そこでまた、軍師でもある執政官のミスティリアに意見を求め……、


 それに対するミスティリアは、少し考えた後、



「ん……、そうだね……。一応、今出てる皆の意見をそのまま通すとすれば……、その三つの中でも、『緋煉皇国』と『聖血帝国エクセルシア』はどちらかというと戦いたくて、『樹海の守護者』の方は自由采配って感じだから……、もし予備部隊として残って貰うとすれば、『樹海の守護者』が妥当……、かな……」


「で、別動隊を派遣すべき場所に関しては……、『死霊の渓谷』と『シファル鉱山山脈』の方は被害も大きいし……、集まってくれてる皆も、もうこの場所はここで潰しておきたい……、って感じが強い反面、『黒の平原』の方はまだ小競り合いが続いてるだけって状態みたいだから……、初めから戦闘重視で戦力を裂くべきなのは『シファル鉱山山脈』と『死霊の渓谷』の二つで、『黒の平原』の方には、現在待機中の『暗殺戦闘団』を合流させれば、何かあっても隠密だけならだいたい対処可能で……、今立候補してくれてる『要塞国家フェストング』と《樹底暗渠グラウヘーレン》の部隊と合わせてみても、全体的に機動力と隠密性が高くて最適、って感じかな?」


「『シファル鉱山山脈』と『死霊の渓谷』の方は、属性的に見て、『死霊の渓谷』の方には『緋煉皇国』、『シファル鉱山山脈』の方には『聖血帝国エクセルシア』が編成として妥当かな? 緋煉は炎、地、闇属性の冥府系だから死霊に物凄く強いし、エクセルシアは光、闇、無属性だからどの属性に対しても割と強い上、基本的な攻撃力と機動力が高くて狭い場所でも平気だから、『シファル鉱山山脈』の鈍重な要塞都市にとっては殆ど天敵だしね……。そんな感じ?」


 と、全体的に各所の要望をきちんと反映させた形で、何処にとってもあまり問題の出なさそうな編成を提案する。



 するとリディアは、「おぉ! それはなかなか良さそうですね!」と、その提案に賛同し、周囲に対しても、


「って感じでどうでしょう! 皆さんっ!! 今のミスティリア執政官の編成案でよろしいでしょうか!? 何か他にご意見や、こうした方が良いかもっ!! ってアイディアとかはありますかー!?」


 と、意見を振るものの、周囲からはやはり反対意見は特に出ず、むしろそれぞれが満足そうにその場で深く頷くに留まった為、ここで正式に別動隊の編成案が完成するが……、


 その最終編成案はこうである。


[

<各種別動隊編成>


『血肉種の森』方面 ※恐らく対魔神戦。

→『魔導王国マギナトゥーア』ティンクル

 +『禁呪教団ヘイスカルト』

→『赤淵連盟エンブリオ』ヌヌ

→『血漿都市エルコード』レハちゃん

→『軍需産業複合体フロネシス』シンシアさん

→『ブラッディ=イノセント』エーデルワイス

→紅葉ちゃん


『魔導山脈』方面 ※恐らくネムイナさんとドラゴォォォォォンさん。

→『大龍皇国アルージェ』セラフィリア様

→『統合歩兵隊』アルテミシアちゃん

→『戦術防衛隊』ザフィーア

→瑠璃ちゃん、リディア、榧、祇祁、イレイスちゃん


『黒の平原』方面 ※対『ノルクト共和帝国』戦。

→『要塞国家フェストング』ミルラちゃん

→《樹底暗渠グラウヘーレン》イルルちゃん

→『暗殺戦闘団』ファレン君


『死霊の渓谷』方面 ※対『亡国モルドヴァール』戦。

→『緋煉皇国』祟

→『鎖聖神殿フェルキテラ』パンテラちゃん

→《薬水湿原ティンクトゥール》ヘルミネアさん

→『翠沼都市アルゲンモーア』フィリセラちゃん


『シファル鉱山山脈』方面 ※対ドヴェルグ、ドワーフ戦。

→『聖血帝国エクセルシア』エルフィア様

→《流動血河ブルートフリーセン》リサルクちゃん

→『森林透湖クヴェルヴァルト』アクヴィーちゃん


<予備待機部隊>

→『樹海の守護者』縷々

]



 うむ。各軍各自の能力はわからないが、参加部隊の数から言えば、思った以上にバランスの良さそうな部隊である。



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