まだ見ぬ知らぬ遠き世界
本当に申し訳ないです。
(ん……)
ソフィさんと話して、その後に寝たら今度は夢を見ることなく目が覚めた。外はもう明るい。外に出るとソフィさんもアリスもエルザももういた。
「やっと起きたか……おっせぇな。」
「ルナちゃんが寝てる間に朝ごはん用意しちゃいました! アリスにもこれくらいは出来ます」
そう言ってわたしてくれたのはなんかが挟まったパン。もうみんなは食べ終わってる。
「ん、ありがと」
「それじゃあ、ルナちゃんの準備が出来たら出発ね。エルザちゃんが行ってみたいところがあったら行ってみようと思うのだけど……どこかあるかしら?」
ソフィさんはテントを片付けながら今日の予定について考えてるみたい。偉いなぁ。
「久しぶりに外だしどこにでも行きてーけど……ヘヴンズ・マウンテンはさすがにまだ遠いしな……ああ、そうだ、アレだ。海行こうぜ、海。今でもちゃんとあるか?」
「海! アリスもまた行きたいです! もちろん何千年の時を超えてもおっきな海は健在です! ここから歩いていけますかね?」
「んーわたしは知らないよ」
「お前は何も知らねーしな」
それにしても、エルザが海とか行きたがると意外すぎる。てっきり人でも殺しに行くかと思ったよ。
「海なら……まあ、行けないこともないわね。少し遠いから……今日の夕方くらいになっちゃうかしらね。でも、時間は沢山あるしわたしは構わないわ。2人もいいわよね?」
「アリスはもちろんです!」
「わたしも賛成! たまには勇者(シオンの方)だとか魔王だとか神器だとかなんだとか考えないで遊びたい!」
「……ルナちゃんはいつもそうじゃないの。」
「え」
ソフィさんに少し毒を吐かれた。いや、わたしは常に全力で生きてるし。
「……でもアリスは泳げないから海に行っても眺めてるだけです。泳げないってだけで人を下に見てくるような人たちもいてすごい嫌ですそんなことで人の価値なんて決まらないですけどそもそもアリスは最初から価値がない」
「あーうるせぇな……もっと自分に自信持てよ。少なくともボクの時代に生きてたゴミカスなんかよりよっぽど価値のある人間だろ。」
エルザなりの慰めなのか、少し照れくさそうに顔を背けてる。口は悪いけどねぇ。
「よし、準備できた! わたしはいつでも行ける!」
「よっしゃ!行くか! みんなとっととボクについてこい!」
前に出て少し早足で歩き出すエルザ。ソフィさんがその後に続き、アリスはわたしと一緒に歩き出す。
「ルナちゃんルナちゃん」
「ん?」
アリスがわたしの腕を引張てる。
「なんだかすごい不思議な気分です。アリスなんかが本当に、時を超えた勇者と一緒に旅をできるなんて。ルナちゃんに出会ってから、アリスの人生は色々なことが起こりすぎです。」
「言われてみれば……それで言ったら、わたしも不思議だよ。シオンに『いらない』って言われた時はどうしようかと思ったけど、結果的にはあの頃よりも色んな出会いがあったり……魚人とか竜人の友達も出来ちゃったし、ほかにも……」
(鏡の世界を冒険してマリーと別れたり、女神姉妹と出会ったり、ほかの世界から来た人もいたり……)
本当に、何が起こるか分からない。それは多分、この先の旅も同じ。目的は特にきめてないけど、どうせわたし達のことだからいつかはまた魔王だとか神器を巡って戦ったりすると思うし、ヘヴンズ・マウンテンを超えたりもしちゃうかも。そしたらシオン達より先に魔王も倒せちゃったりして……こっちにも勇者はいるんだから!
「よし、置いてかれないようにわたしたちも行こ」
「はい! アリスはルナちゃん達とずっと一緒がいいです!」
「わたしもだよ! 今度こそみんな一緒! 誰も追い出したり追い出されたりはさせないし!」
アリス、エルザ、ソフィさん……あとわたし。変な4人だけど、なんか楽しい。これから先どんな世界が待ってるのか、楽しみでしかない!
(でも……それは本当に未知の世界。誰も知らないし……知れない)
非常に申し訳ないのですが、このお話はここまででおしまいになります。さすがに更新できなすぎで、完結の目処が立たなすぎて、続きもなく終わりのこない物語になってしまいました(これは完全に作者の実力不足と考えの甘さです)。楽しみにしてくれていた方がいたら申し訳ありません。他に書いているお話がひと段落着いたりしたら、いつかまたその時は別のお話という形にはなりますがルナ達のキャラクターで違う小説を書いたりはするかもしれませんが、やっぱりこの物語は続きはなくてここで終わりです。ごめんなさい。