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【やり直し】死んで、女の子に生まれ変わって自分を殺したやつと婚約した件【人生】  作者: 懐古厨


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二十話目

――――――


630:スレ主

今後のためにも、そのカルト教団の名前を教えて欲しい

調べて、知ってるんだろ?


631:スネーク

おー、いいぜ

リンドヴルム皇国で活動してるのは【円環教団】だ

ほかにも派閥というか、別組織があるが

とりあえず、【円環教団】が黒幕の組織っぽい

ちなみに、信じてる内容が内容だから

大陸で1番信仰されてる【ヒツキ教】の神官連中からも睨まれてるとかなんとか



――――――


【ヒツキ教】というのは、スネークが書き込んだ通り、大陸で最も信仰されている宗教だ。

世界の管理者たる、主神ヒツキは困っている者、弱き者、誰でも救うとされている。

天にある太陽と月がその化身と言われていて、主神は常に世界を見守り続けているとされている。

そして、ただ祈るだけで願いを聞き届けてくれるという。


厳しい、特別な修行もいらない。

ただ、純粋に信じて祈れば、助けを乞えば、それだけで助けてくれる、救ってくれるのだという。

言い方はアレだが、そんなお手軽なところが民衆に大ウケしたのだ。

いつしか大陸中に【ヒツキ教】は広まり、親しまれ、大陸に住む者達の心の拠り所となって今に至っている。


正直、俺は前世でのことがあって神様など信じていなかった。

いや、神様という存在がもし居たとしても、何もしてくれない冷たい存在なのだとおもっていた。


もし、信じられている通りの【ヒツキ神】が存在するのならば、俺は恋人を奪われても取り戻せたはずだ。

他ならない【ヒツキ神】が願いを聞き届けて、救ってくれたはずなのだ。

でも、そんなことはなかった。


ふと、俺の願いを聞いてくれた、【神様】のことを思い出す。

紺青の髪の青年だ。

本人は神様ではない、と言っていた。

でも、あの神様と出会ったことで、俺は今こうしていられる。

それは変えようも無い事実だ。


【ヒツキ神】はいないのかもしれない。


でも、あの神様はいた。

綺麗な紺青の髪の神様はいたのだ。

俺にしてみたら、あの人こそが【ヒツキ神】だった。


もしかしたら、かつて俺のようにあの場所へ行った者が居たのかもしれない。

そして、あの神様と出会って【ヒツキ教】を作ったのかもしれない。

ただの想像だけれど、そんな気がした。


神様の言葉を思い出す。


――でも珍しいなぁ、ここに君のような子が来るなんて――


珍しい、と神様は言っていた。

つまり、あの場所にはとても低い確率ではあるが、たまに俺のような人間が迷い込むのだろう。

そうでなければ、あんな反応はしないはずだ。


さて、それはそうとそんな【ヒツキ教】にも神官がいて、教えを説く場として神殿や教会がある。

教会なんて、けっこうあちこちにあったりする。

神殿にも教会にも、神官が常駐している。

その神官達からもあまりよく思われていない、といううことは、きっと過去になにかやらかしているんだろう。


――――――


632:名無しの転生者

睨まれてるって、なにしたんだよ?

まだ表立って事件は起こしてないんだろ?


633:スネーク

それがなぁ

かなり強引なやり口で勧誘してるらしくて

堂々と【ヒツキ教】は悪い宗教って言いふらしてるらしいぞ


634:名無しの転生者

なんでカルト的思想もだけど、アレな宗教の勧誘って強引でしつこいんだろうな

中には、詐欺や拉致同然で信者にくわえることもあるし


635:名無しの転生者

怖い怖い


636:考察厨

黒幕の存在は確定したな

【円環教団】でほぼ間違いないだろ

んじゃ、次は、スレ主の死亡についてだ

まぁ、教団の存在がわかったから

十中八九、スレ主はその教団に殺されたんだろうな


637:名無しの転生者

スレ主、死因はわかりそう?


638:スレ主

(( 'ω' 三 'ω' ))

わからん

なんか、気づいたら戻ってたから

お茶も飲んで菓子も食べたのまでは覚えてるんだけど

そこまでしか覚えてない

とにかく気づいたら、死に戻ってた


639:考察厨

わかった

とりあえず、現状を把握しようか

お茶会に行って、スレ主は死んだ

お茶か菓子に毒でも入れられたか?

いや、それだと苦しんだことが記憶に残るわけだし

ほかに犠牲者が出ても不思議じゃない

というか、王宮でのお茶会だからそんな不手際、あっちゃいけないだろうし


……わからん


まぁ、とにかく、ループしたわけだ

ループして戻ったタイミングはどこだ?

お茶会に向かう途中とかか?

それとも、お茶会の始まる直前か??


640:スレ主

お茶会がはじまる直前だ


――――――


今回のお茶会は、皇太后様、つまり殿下のお祖母様主催のものだ。

社交界デビューの事前練習も兼ねて、定期的に企画されているものらしい。

本来ならだいたい十歳くらいから招待されるのだが、なぜかまだ三歳の俺にも招待状が届いたのだった。

ただ、すでに社交界デビューしている貴族子息、子女達も参加している。

早めに少し年上のもの達とも交流させておこう、という考えなのだろう。


時を同じくして、ノア殿下からも手紙が届いた。


暗殺未遂の件からずっと、殿下は母君とともに後宮に引きこもっていた。

これは仕方の無いことだ。

あまり頻繁にあえないので、こうして俺たちは文通を始めた。


殿下からは時々、手紙と一緒にお菓子が贈られてくる。

こちらも、領地の特産品なんかをおくっている。


今回、招待状とは別に届いた殿下の手紙には、俺がお茶会に参加するかどうか確認する内容が認められていた。

殿下には招待状が来ていないらしく、お茶会には参加出来ないらしい。

招待状と一緒に返事を書いて、王宮に届けてもらった。


たった今、黒幕のことも、その行動理由も知ってしまった。

よけいに彼のことが気がかりではあった。

今のところ、母君は無事だ。

護衛も増やされているし、黒幕達がちょっかいをかけにくくなった、と今のところは考えておこう。



――――――


641:スレ主

まだ三歳ってこともあるからか

俺は親同伴での参加だ


642:考察厨

いまは、時間が巻き戻ってお茶会直前なんだよな?


643:スレ主

いや、もう始まってる

とりあえず、父親に連れ回されてあちこち挨拶回りしてる

なんか、お嬢さん方からは妙な敵意

お兄さん方からも妙に見られてる


644:スネーク

そりゃ、注目くらいされるだろ

お前、皇室の覚えがめでたすぎるし


645:スレ主

そうなの?


646:スネーク

そりゃそうだろ

身を呈して、側室とはいえお妃様と皇子様を守ったんだぞ

さらに大人びた【臣下】発言までしてるし

そうそう、自主的に魔法の勉強まではじめてる上、覚えがいいってことで神童呼ばわりされてんだよ

なんなら、皇太子の婚約者にしたほうがいいんじゃないか、とか言われてるし



――――――


初耳だ。

なにそれ、知らないんだけど。

いや、あくまで話のタネになってるだけだろう。

そんな話があったら、少なくともメイドたちの耳にとっくに届いてるはずだ。

彼女たちの情報網は侮れない。


――――――


647:考察厨

皇太子って、すでに決まってたのか


648:スレ主

決まってる

ノア殿下――後の龍皇であり俺の婚約者の兄君で第一王子のエドワード殿下だ


649:名無しの転生者

婚約者はいるの?


650:スレ主

いる

エルディフィア公爵宰相閣下の娘で、フィアナ様だ

フィアナ・ラーナ・エルディフィア様

ちなみに、今回の茶会にも招待されている


――――――


そこまで書き込んで、さらに説明を加えるか悩んだ。

何故なら、俺の目の前にはフィアナ様がいるからだ。

太陽のように光り輝く金色の髪、冬の青空のように澄んだ瞳の美少女である。

その所作は、とても美しい。

すでに淑女としても、人としても完成された美しさがあった。

つい、見とれてしまう。


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