10話 槍聖 ワイス 5日までには完成
イリス視点に切り替わる。
私は街の広場から少し離れたところまで飛ばされた。
「シュタッ!」
と着地音が聴こえた。
そちらへ視線を向ける。
「イリス。やはり死んでいなかったか。」
師匠だけど師匠じゃない。
でも師匠から言われている気がしてとても悲しく感じる。
師匠を死という呪縛から解放してあげないと。
気合を入れ直し立ち上がる。
「あったりめ〜よこんな所で死ねないんだよ!!」
「それでこそ槍の勇者だ。」
「何がそれでこそ槍の勇者だ。だよ今の師匠からは言われたくはないね。」
「そうか。褒めてるつもりだったんだが残念だ。」
そうして斬撃が放たれるがこちらも斬撃で相殺する。
放たれた言葉は
まったく感情がこもってない。
まったく褒められた感じがしない。
やはり師匠いやワイスは魔族になったんだなと確信できる。
昔は明るく。団のムードメーカー的な存在だった。
そして家族を亡くした私たちにとってお兄ちゃん的存在でもあった。
だからこそこの様にしたモルテを更に許せない。
絶対殺す!!!
そして師匠は絶対救う!!!
こちらから先に師匠から教わったスキルで攻める。
「ラピッドストライク!!!」
ラピッドストライクは8連撃。
これなら一発でも入るのではないか
「ラピッドストライクか。まぁ動きが単純過ぎんな」
そうしてカンツ!カンツ!キンツ!キンツ!と刃と刃が触れ合い甲高い金属音がなる。
じゃあこれなら
「ランサースラスト!!」
と突き技をしたが
「あまいな」
と言われ体を半身され避けられる。
更にそのままランサースラストを仕返してきた。
私はとっさに躱そうとしたが少しかすった。
ツツ!!なにこれ体が急に重くなって体中がいなくなって...
まさかワイスの持ってるあの禍々しい槍って!
「気づいたか?この槍には神経麻痺・毒を付与する術式が組み込まれている。」
やばい!早めに決着をつけないとこっちが全滅する。
「シークエント!!」
そうしてワイスの背後を取った!と思い、
思いっきりアルデバランを振りかぶる
が当たる寸前で槍で防がれた。
「気を隠すのがうまくなったな」
といいつつ反撃をして来た。
いやいや隠してるのにそれに気づかないでよ。
反撃を躱し、すぐさま槍を地面に思いっきり突き刺し槍の一部を掴んだ状態で回転し回し蹴りを入れた。
「グハツ!」
急所に当たったようだった。
今なら行けると思ったが野生の勘が働いた。
本能的に危険で危ないと言っている。
だから一歩後ずさった。
「おお〜いい感じてるね。まぁ俺の弟子だからなそんぐらいわからねぇ〜と槍騎士やってないか。」
「まさか!!あれをやるんじゃないでしょうね!?」
もし、あれならここら一帯が吹き飛ぶレベルの技だ。
そう師匠が編み出したスキルだ。
「その通りだよ。思いっきり構えとけそれがお前の最後で俺の最後だ。」
やっぱり。じゃあ本当に最後なのだろう。
「そして最後の稽古だ!!!」
背筋に汗が伝う。この国の人や街を守らなくては。
そうして槍を構え極限まで意識を集中させる。
「よし行くぞ!」
「ランページ!!」
師匠が編み出した2つのスキルの
一つその名を「ランページ」
強化魔法「ブースト」の効果を数秒だけ10倍にし
精神魔法「バーサク」をその上に上乗せした固有スキルだ。
そして使用者は重症に陥る。
そしてもう1つのスキル
「ゲイボルグ!!」
必ず敵に必中するようにできている。
そして使用するごとに生命力。
つまり魂が削られていくのだ。
言わば呪いとも言えるだろう。
そしてランページとゲイボルグの合わせ技は
師匠の命を代償とした最大火力と言ってもいいだろう。
そんなことを思っていると
師匠が槍を投げる体勢に入っていた。
何としても防ぐしかない。
「ドゴゴゴゴゴゴォ!!」
と風を思いっきり切って進んでくる音がする。
地面も揺れている。
流石、師匠だ。
「カキーーーーィンジジジジジジ!!」
「ウッ!!ッツ!」
とても重いそして槍をもっている手が痺れる。
でもここで私が躱したり受け流すとそのまま広場の方に!!
セラと騎士団の皆を守らないと!!!
最後の心房だ気合を出せ私!!!
「うおおおおおおおおっ〜!!!」
「ギギギギギギ」
びくともしない。
「もうお手上げか?」
とヘラヘラと笑っている。
相手の挑発に乗るな私。
考えなくては打開する術を
そうして私は思い出す。
師匠が言ってた槍騎士として大切なことを...
「師匠!!今日は何を教えてくれるの?」
私は小さい手で槍を両手で握り、師匠の前に立っていた。
その時の師匠は腕を組み私をじっと見つめていたと思う。
そして
「そうだな!今日は技術ではなく、槍騎士としての大切なことを教えてやろう」
「ええ〜聞くだけ〜?」
当時の私は子どもだったからこの話が以下に重要だったかなんて知らなかっただろう。
「ああ。お前は魔族に槍を振るという復讐のための技と考えていそうだが、槍騎士にとって本当に大切なこと教えてやる」
一泊置いて告げる。
「それは刃先に込める思いだ。」
「思いですか?」
「そうだ。単に相手を切る!!って思うんじゃなくて、自分が何の為にその刃を相手に向けて振るうのか
という覚悟や信念を槍に込めるのが重要なんだよ。」
最初に聴いた時は言っている意味がわからなかったが今ならわかる気がする。
私は...
「街の人を守り!セラを守り!そして師匠を呪縛から救う!!」
「やれるもんならやってみろ!!」
師匠その名を借ります。
「槍聖」
「カキーーーーン!!ブォンブォン...キィーンガガガガ…」
「何!?」
私は師匠の槍を吹き飛ばしその勢いで師匠を…
刺した。
「グハァッ!!ハァハァハァ...」
深く槍が師匠に刺さっている。
さっきまでは魔族なんだ!って思っていたが一応私の師匠何だよなと思うと急に
恐怖と悲しみがぶわっと湧いてきた。




