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4・罵倒されてから受け入れられる。

 


「は、初めまして、リンカと申します。よ、よろしくお願いします」


 ―いやーきんちょーするー―


 ―にげよおおおおおおお―


 ―TPRG的にはダイス振る所ですね―



 開拓島に降りたって、開拓長に面通しをして、みなさんに挨拶したのですが、みんな足が引いてます。モンスター疾患、こわいもんね。


 でもこれじゃ私も緊張します。か、過度な精神バランスは思考が衝突し始まっちゃう……


 ―あっぱっぱー―ダイスダイス大好き―


 ――おぱおぱー―ぽぽぽぽぽp―


 み、みんな落ち着こう。深呼吸、冷静に…


「おいおい、もう調子狂ってきてるんじゃねえのか。」


「使えるのかねえ。いくらDでも使えるモンスター疾患持ちじゃないと…」


「駄目なら追い返すまでだよ」



 あば!bっばあっ!まって!まって!おち、落ち着けば大丈夫だから


 恐らくまともに受けるだろうモンスター疾患への嫌悪や能力疑いに私はパニック。ちょっと膝をついてしまいました。


「なんだよ、挨拶してもう目を回してるのかよ。使えねーやつは帰れよ!ここは疾患持ちの慰安所じゃねえんだ!!」


「そうだよ何しに来たんだよ!派遣されてきた割にはこれかよ!」


「かえれかえれ!!」



 ちょ…ちょ…ちょ…ど、どうしようにも…うごけない…


 そのまま罵倒されてしまった私は気を失ってしまい、目が覚めた所にいた開拓長が派遣を切るから帰ってくれといわれてしまい、茫然自失のまま帰ることになりました。そんな…


 で、組合の所です。


「そっかあ…可にしておいてそれかあ。実際そういう所は多いんだよね。呼んでおいてけなしたり劣悪な環境で働かせたり。職業安定所はそういう所も持ち合わせてるんだよっ」


「そう…ですね」ぼんやりとPDA求人票をめくる私。


「やっぱり、Eですかね。疾患もちじゃ良い条件は望めないですね…」


「D未満はおすすめしないんだよ、モンスターは駆逐されてないし、価値も低いのばかりなんだ。それだと派遣金額も安くなる。社会負担を減らすための口減らしの口実なんていわれているんだよ。ここはDを待って…」


「もう…お金がないんですよね… モンスターは駆逐されていて価値も高い都合の良いEとかってないんですか」


「ないない、あっても超僻地でやっていけないよ。自給自足の生活が求められちゃうっ。しかも本島から遠いからいつ離されてもおかしくないんだ。」


「…………これは?疾患は意思疎通が出来ればよしだし、待遇は魔術師の体調に合わせるってありますけど。資源豊富、モンスター駆逐未完了。」


「遠いなー離されるって事はないだろうけど、いったら当分は帰って来れないよっ。ユロルも月70ユロルでさっ引いて58くらい。ひっくーっっ。遠いと田舎意識もあるしねっっ」


「……疾患持ちはどこでも嫌悪されますよ。見事なもんですよ。ここにします。モンスターいるから土木と攻撃かな。どちらも得意です。」


「ん…じゃあE3938番開拓島に派遣するからねっ。一応数日は船を止まらせておくからっ!」


 というわけで派遣先が決まりました。遠いので連絡する魔道飛行船も少なく、家もないので待合所でぼんやりすることに。ショックのせいか思考が起き上がってこないや。


 そこにまたスズカさんが。相手にする気力もない。


「おほほほほほ、なぜ派遣された魔法使いがここにいるのかしら。」


「」


「もーしかして、きられちゃったーあ?あーそうなのねーそーーーーなのねーーーーーー」


「」


「あら、ショックで話す気力もないのかしらー?」


「ああ、船きた。もう私と張り合う意味もないんだから、私に構う必要もないのではないですか」


「な、な、な、」



 というところで船は出発。天使が何か叫んでますが知らない。私の心は受け入れられるための第一印象を考えることだけに集中してました。


 ながーい日にちがたって、E3938開拓島に上陸。震える足をこらえながら開拓長のいる執務室へ。また追い返されたらどうしよう、もうだめかもしれない。


 こんこんこん

「はい、どうぞ。」


「し、っしつ、しつりゃ、…失礼、します。派遣されてきた魔法使いです。」


「おおこれはこれは。大分緊張しているようだね、まずそこに座ってこれを呑もう。ここに生えている草だが、煎じるとリラックス効果のあるお茶になるんだ。」


「あ、ありがぱらいらぱらりあ……」無言でぺこり


「ふんふん、君の疾患は後で聞こう、今はなるべくリラックスしてくれ。緊張で疾患が暴れているように見えるよ。意思疎通が出来ているから追い返すことはしないから、そこは安心してくれ。そうだ、ルビーネを読んでこよう。女性の中でも特に気品があって人を落ち着かせるのが得意なんだ。統率もするんだぞ。だからわしはここでのんびりするだけじゃ、がっはっはっはっは」



「失礼しまーす。あら、あなたが魔法使いさんね、かわいい。」


「あ、あ、はじめま「いいからとりあえず座って、そのお茶私と一緒に呑みましょう?」


 ………………


「もう一杯いかが?」


「はい」


 ………………


 会話がない。ルビーネ?さんはニコニコしているだけだ。



「ねえ、手を握ってもいい?」


「…どうぞ」


「ありがと。緊張してガチガチの手ね。もみほぐしてあげるわ。……この場所はね、どんな人も無駄にはしないわ。少しでも役割があるならそれだけで居場所は作るからね。そういう面では安心してね。」


「…はい」


「怯えてて大変な所悪いけど、火か水ってだせる?」


「だせ、ます。」


「本当?じゃあそこの暖炉に火をつけてもらえるかしら。それをこの鍋に水を入れられる?むりはしないでねっ」


「なんとか。ええと、水…は純水という不純物が入ってない水と、人に必要な栄養素が入ってる水、塩水等いろいろ作れますけど、どれがいいですか?」


  「えええええなにそれ!!凄い!天才じゃないの!?私の知らない単語が一杯出てきたんだけど!!ええとー、普通の水でおねがいするわ。」


「じゃあ、暖炉から。焚き付けがないのでそれをまず作りますね。ちょうどいい斧があったな…」


 サクサクとマナ展開した斧で薪を割ってフェザースティックと焚き付けを作り、点火。燃えてきた所でエアーブローで風を送り込み薪に着火成功。知識だけのサバイバル技術でしたがナントカできた。



「これで薪は出来た。じゃあ水ですね。じゃぼー、はい。こんな感じです。」


 どうかな、怖がられなかったかな



 むぎゅ


 !?!?!?!?


 だきしめられとぅああああああ


「こんな偉大な魔法使いさんを怯えさせるなんて、世間は酷い所だわ。ここは大丈夫よ、心が落ち着いたらみんなない紹介するわね。あ、それとね」


 私と顔をつきあわせて


「どんな疾患でどういうのが出来てどういう状況が駄目なのかみんな話してもらえるかしら。


 みんなね、わからないから恐れるのよ。理解さえ出来れば大丈夫になるのよ。


 だから、話せることはできる限り話してね。」



「わかりました。」


 大人のぬくもりに触れてちょっと泣いてしまいました。


 ―なき―

 ―むっしー

 ―TPRG的には心の損耗度が回復したという所でしょうか―


 こやつら………でも回復してきてくれてうれしい。


 数日「安心な所」で休んだので心も落ち着きを取り戻し、皆さんの前で挨拶をすることになりました。やっぱり足は震える。全ての人がモンスター疾患を歓迎するわけではないもんね。


「ということで少し前より来てはいたんじゃが、身体を慣らすために今日紹介となってしまった。魔法使いのリンカさんだ、みんなもよろしくやって欲しい、せっかくこのへんぴな土地に来たんじゃからの、がっはっはっはっは」


「ええと、魔法使いのリンカです。疾患は「思考分裂症」で、私含めて7つの思考が併存しているのですが、通常なら今喋っている私が表面に出ますので、そういう心配は無用です。思考が7つあるので、私をコントロール役に回せば6つの魔法を同時に扱うことも出来ます。お湯そのものを出すことも出来ますよ。また自己治癒が出来るくらいの治癒を持っていますので、すでに欠損してしまった部位は直せませんが、ちぎれたくらいなら部位があれば多分くっつきます、試したことはないので多分ですが…まだまだ魔素が少ないのですぐ息切れをおこしますが、よろしくお願いします。」ぺこり


 …………………………


 え?だめだった?


「えーリンカちゃんは頭の特性上極度の緊張やびっくりに大変弱いので本当にやめてください。後便利すぎるからって疲労させないでね。やっぱりバランスが崩れるそうです。詳しいことはカール開拓団長に聞いてね」


「え、わし!?」



「小さい」


「お母さんあの子小さいよ」


「ルビーネの胸に行くか行かないか程度か?」


「150ちょっとか」


「みなさん、小さいのではなく私が大きいのです!!」


 ドッワハハ


「よろしくリンカちゃん」


「よろしくちっちゃいおねーちゃん」


「よろしくー」


「所詮疾患持ちだろう…」


「小さいのは疾患のせいだな、恐ろしい」


 色々混ざってますが、全体的に好意的かな?よかったー………



「あー。割り込んで住まない、マイケル開拓リーダーだ。いきなりで住まんが開拓の手伝いが出来るか試しても良いか。火がつけられて水が出せるだけじゃな。」


「あ、はい。それのために来たので。どれをすれば。」


「ちょっとマイケル」


「開拓のために来たんだから開拓できねえとな。あの木を切り倒してくれ。」


「はい、ソー。できましたあああああああああああああああああ……て、テレキネシスが届きましたね。すいません、テレキネシスで押しながらやるべきでしたね。こっちに倒れてくるとは…」


「ねえマイケル?普通切り倒す方向を指示するわよね?あなたリーダーやめたいの?彼女開拓に関しては完全な初心者よ?あなたの糞ついたパンツを冷たくないお湯で綺麗に洗えるのは彼女の洗濯石鹸水のお陰よ?」


「いや…これは…本当に済まない。まさかここから届くとは。その木は90度曲げてゆっくり降ろしてくれ、枝取りをして加工所へ移動させる。その、すまなかった、これからよろしく頼む。」


「私も勝手がわからなかったので。よろしくお願いします。ちなみにお湯が出せますからシャワーやバスタブが利用できますけど、マイケルさんは当分水のシャワーで良いですよねニヤァ」


 ドッワハハ


「マイケルにはそれがちょうど良いわね。じゃあ皆さん!この魔法使いさんをよろしくお願いするわね!!」



 ぱちぱちぱちぱち


 というわけで私はこの開拓村に受け入れられて貰うことが出来ました。

上手く書けなかったのですが、めっちゃショックを受けた後に受け入れられて色々と村へ流されるようになった感じですね。

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