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人外転生〜鬼の成り上がり〜  作者: アルゴ・リズム
第一章〜鬼の目覚め〜
12/17

異世界9日目 新展開、新たな目標

いや〜やっぱり異世界と言ったらこれを出さないと、そんな感じの9日目です。

見渡す限りの平原と青々とした空模様が視界一面に広がっている。目を後ろに向けると優に10mは超える竜達が敵を食い殺さんとばかりに迫って来ている。ここがどこだって?

ここは…《竜の平原》と呼ばれる超危険地帯だ。どうしてそんな所にいるのか?

それは今から4時間程時を遡る…



それはギルドに着いた時だった。受付嬢達が俺が着いた途端に騒ぎだす。その中から一人の眼鏡をかけたショートカットの出来る秘書然とした女が近ずいてくる。


「貴女がアイラ・バトローズさんね。私はエリス・トローゼ、ここの副ギルド長よ」


「…その副ギルド長さんが私に何の用だ?」


いきなりの事態に喧嘩腰になってしまったが、それも仕方ないだろう。


「そんなに警戒しなくてもいいわよ。ちょっと貴女について来て欲しいの」


「?…なんで付いていかなくちゃいけないんだ」


「詳しい話はギルド長室で話すわ、いいから付いてきて」


副ギルド長と言っていた女が踵を返し、付いてくるように言って階段を上っていく。数秒遅れて自分も歩き出し、付いていく。二階を通り過ぎ、更に上へと上っていく。階段を上りきり、目の前にある扉の前で止まり、副ギルド長の女がノックする。少し間を置き、「入れ」と低く響く様な声が聞こえ、扉を開けて中へ入る。部屋の中はいかにもな、トップが使っているというような内装をしている。部屋の奥にあるデスクに座っているのは、筋肉隆々の歴戦の戦士みたいな風貌の大柄な男だ。


「お前か、最近活躍してるっつう新人は」


地響きのような声と共に男から溢れる重圧《プレッシャー》。それもどんどん強くなる。自分に向けられていない副ギルド長の女は顔が青くなっており、今にも倒れそうだ。

男の重圧《プレッシャー》は人間にしては(・・・・・・)中々のモノで、そこらの奴が浴びたら即失神する程だ。だがしかし、残念ながら俺は(外見は美少女だが)魂階5の鬼系モンスターだこの程度(・・・・)の重圧《プレッシャー》では表情すら動かない。そんな状況が30秒程続き、いきなりギルド長であろう男が笑いだす。


「ガッハッハッハ、悪かったな、新人!期待されている新人はこうやって、実力を見るんだ。」


「それでも、いきなり威圧するのはどうかと思うがな。最後の方ではそこらの奴だったら失神していたぞ」


何の説明も無く、威圧された事により少々不機嫌になりながら文句を言う。


「ハッハッハ悪かったって。…しかし、俺の最大の重圧《プレッシャー》で全く動じないとはあんた何者だ?」


「さてな…それで何の用だ?…わざわざこんなとこで威圧する為に連れて来て訳ではないだろう?」


都合の悪い質問をはぐらかし、本題に移る事で話題を打ち切る。


「まあ、言いたくないのなら良いが…それで本題だったな…これだ」


話をそらす事に成功し、それ以上詮索するつもりは無いのか、ガサゴソとデスクの上の乱雑に置いてある紙をかき分け一枚の依頼書を取り出す。

その紙には…


「…《魔王発生》?なんだこれは」


異世界を題材にした小説に欠かせない存在が書かれていた。大体想像つくが、詳しく聞いてみる。


「そいつは大体、百年周期で起こる、その名の通り魔王が出現する事なんだが…」


百年周期…まさか、


「それが今年なのか?」


「いや、実は今から70年前に起きたらしいんだ」


まさかと思い、聞いてみるが違うらしい。若干、テンションが下がりながらも続きを聞く。


「それなら良いじゃないか」


自分的には良くないが、話を合わせる。


「それがな…最近またその大量発生の前兆が現れ始めたんだ」


「その前兆とはなんだ?」


魔王がまた現れるかも知れないという事で興奮し、少し被せ気味に聞く。


「最初に魔王個体候補と呼ばれる個体が発生する」


「まず、その魔王個体候補が各地に現れる。その魔王個体候補の特徴はモンスターにあるまじき高い知能を持ち、異常な速度で自分の魂階を上げるんだ。それから周りのモンスターを力により引き連れ、他の魔王個体候補と闘争を繰り返す。…場所によってはそれだけでも凄い被害が出るんだがな…それで最後まで勝ち抜いた1匹が魔王へと進化するんだ。その魔王個体は最低一つ特殊能力を持っており、ある時は魔術、ある時は力、ある時は心を操る能力を持っていた時もあるらしい。そして必ず戦争が起きる。モンスター対それ以外の者全てでな」


ギルド長は一息に語(しゃべ)り終え、喉が渇いたのかいつの間にか置いてあった容器に入っている液体を飲み干す。…話を聞けば聞くほど自分の事を言われているようで、内心冷や汗が止まらない。表情にはなんとか出さずに平静を装い、問いかける。


「この《魔王発生》について調べれば良いのか?」


「いや、それについては別のベテランの者に任せている。お前には情報を提供して貰いたくてな」


思っていたのとは違い、情報提供を求められただけだった、ので知っている事を清濁織り交ぜ話し、それからギルドから出たのは1時間経ってからだった。




…しかし魔王か…俺がなろうかな?


クエストを受けずにギルドから出た俺はさっき聞いた話を思い出し、ふと思い立つ。


そうと決まれば、早速行動に移す。まず、泊まっている宿(竜の休息亭)へ行き、チェックアウトを済ませて、荷物を持ちながら街を出る。その後、門から見えない位置に移動して元の姿に戻る。


それからモンスターを見つける度に殺し、魔王個体候補を探すがそう簡単にはいかず、結構な距離を移動し、森を抜ける。

そこに広がるは竜の群。それも10匹や20匹では無く数百、というような規模で。この時の俺はどうかしていて、魔王という言葉にテンションが上がり、軽い気持ちで手を出したんだ…するとどうだろうか、全ての竜が一斉に怒り出し、こちらを喰い殺さんとばかりに向かって来る。そして冒頭に戻ると言う訳だ。


逃げている途中いろいろスキルを使い、妨害しようとするが、まるで聞いていない。

どこかに隠れ様にも見渡す限り平原が続いており、盛り上がり一つない。そしてとうとう体力が尽き、追いつかれ、上半身からバクッっと食べられ、そこで俺は死んだ。





…まぁ、スキルで生き返る訳ですが。竜の腹の中でどうしようか考えていると、ピコンと音がなったかの様にある考えが浮かぶ。それは…


「《肉体変化》」


スキルを発動し、更にあるスキルを発動する。そう、《吸収《ドレイン》》だ。


発動した途端に竜の様子がおかしくなる。暫くしてアナウンスが流れた。


ーーー軍隊竜《ドラゴンズ・アーミー》を殺害しました。規定により相手の経験値を徴収します。ーーー


ーーー刄咒羅《バジュラ》はLVが6上がった。ーーー


アナウンスが終わり、殺した事を確認しスキルで両腕を大剣に変化させ、死んだ事により、アッサリと中を切り裂いて出てくる。出てきた俺を見てこの惨状を作ったのか判るのか激情しながら襲って来る。また喰い殺されるが問題無く生き返り、同じ方法で出てくる。


ーーー軍隊竜《ドラゴンズ・アーミー》を殺害しました。規定により相手の経験値を徴収します。ーーー


ーーー刄咒羅《バジュラ》はLVが5上がった。ーーー


それからこれを繰り返し、殺し続け、殺したのが30匹を超えたあたりで何かおかしいと気づいたのか、いきなり食らいついて来なくなる。今度は物理攻撃で殺そうとしたのか尻尾や体当たりをぶち当ててくる。そんな攻撃のダメージもスキル《肉体変化》により大幅にカットされ、カットされなかったダメージもスキル《身体強化魔術・上級》の持続回復《リジェネ》とスキル《再生《リ・バース》》で回復する。

その後はジリジリと数を削られ、引くに引けなくなったのか、最後に全匹で特攻染みた攻撃をして来る。後はスキル《圧壊重撃》の重撃を発動して特攻して来た全ての竜を拳で返り討ち、とどめを刺した所で緊張の糸が切れ、竜の屍体にもたれかかる。今までの疲労もドッと一緒になって襲いかかる。緊張が切れたのと連続死、更には疲労もあり、意識しないまま急速に夢の世界へと飛び立っていった…



いやはや、戦闘描写をもっと濃密に書きたいな〜こんなさっぱり終わるんでは無くて、こう、手に汗握る様なのを。それも精進あるのみですかね。

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