歩くプルトニューム
まだ続きます。
「うん。
激似ね横顔がね。
それにしても眉毛がない顔って迫力あり過ぎよ」
「眉毛がないって迫力あるだろう。
あたいらの世界では舐められたらジエンドなのよ」
「おゃぁ!
そのジャンパー見覚えがあるわ。
紅のグラデーション文字」
「おぅ。
紅連合のジャンパーだよ。
特攻隊長やってたんだ。
似合ってるだろう」
深田未夢似の眉毛のない女は腰を捻りながら右手を腰に当てた。
「紅連合は確か解散したよね」
「そうよ。
あたしは紅連合に入って3ヶ月で特攻隊長になったのに1年で解散よ。
最初は友達の紹介で幹部連中と会ったわ。
すると一晩考えて明日来いって云われたのよ」
「それで?」
「友達に何故一晩考えろって言われたのか、電話で理由を聞いたら
『紅連合の幹部から言われた事は、お前のダチは勘違いしてねえか。
紅連合は仲良しクラブじゃねえぞ。
お嬢様にゃ無理だな』
と言われたって」
「それでどうしたの?」
「家に帰って鏡の前でにらめっこさ。
何度鏡を覗いても可愛過ぎ。
それで断崖から飛び降りる気持ちで眉毛を剃ったのよ。
両親はあたしの顔を見て卒倒しちゃったわ」
「確かに可愛らしさが消えたわね」
「翌日幹部連中が根性を見ると言ったわ。
涙を見せたらソッコウ帰れって」
「ふーん。
お嬢様にしては根性あったんだ。
ワニ吉くん聞いたぁ」
「ちょっとぉ。誰に向かって話し掛けてるのよ?」
「マイダーリンよ」
「その大きなバッグにダーリンがぁ?」
「そうよ。
ワニ吉くんがダーリンなのよ。
ところでどうなったの根性は?」
「幹部連中が根性を見せろて、あたしの足の裏に吸ってるタバコを押し付けたわ。
でもあたし歯を食い縛り我慢したのよ。
根性を見せて、やっとメンバーになったわ」
深田未夢似の女は得意気に言った。
「ふーん。それで特攻隊長になったのかい」
「違うよ。
たまたま、あたしが紅連合の4人がスネーク連合のトサカ頭1人に
ボコボコにされているのを目撃したのよ。
そしたらあたしの血液が
『ボコボコ』
と沸騰したのよ」
「あんたもあたしと同じプルね」
「プルって何?もしかしたらこれ」
「おい。
両手で乳を揺らすなよ。
でも、あまり揺れていないな。
揺らすのは、こうやるんだよ」
「わ、解ったよ。
ユサユサ揺れている。
あたいは爆乳ではないから、真似出来ないよ」
「そうか。
あんた。プルも知らないのか。
プルってえのは危険で毒悪女って意味だよ」
「あぁ。
そっちね。
ダチか゛あたしを歩くプルトニウムだって。
あんたもそうなの?」
「ああ。同類さ」
「それから目撃した話はどうなった?」
「スキップ踏み踏み
『絶 絶 好調♪……絶好調♪女♪現れる♪』
って歌いながらトサカ頭の下腹部に前蹴りさ。
トサカ頭は1発で、あたいの足下にズズッと沈んだね。
あたいの空手2段はダテじゃねぇ」
「フゥーン。
あんた。やるじゃん」
「まあね」
深田未夢似の女は、腰をくねらせポーズを作った。
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