デンジャラス
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「お巡りさん。ちょっとだけ見せてあげるわ。
本当は、人に見せびらかしたいんだけど……。
これ見たら、皆驚くから見せられないのよん」
「もしかしたらあれか?」
「ちょっとお巡りさん。
何か勘違いしてない?
お巡りさんの期待している物じゃないわよん。
じゃあ。バッグを開いてちょっとだけ見せるわよ。
ちょっとあまりくっつかないでよ。
触ってるわよ」
「ご、ごめん」
「いいわよ。
減るもんじゃないし……」
「わざと触ったんじゃないぞ」
「知ってるわよ。
そんなに顔を真っ赤にして。
お巡りさん。
可愛いぃ。
バッグの中身を見て驚かないでね。
あたしの爆乳に触れただけで、こんなになって……。
あたし心配だわ。
心の準備をしてね。
はい。大きく息を吸って吐いて。
どうお巡りさん。リラックスできたでしょう。
では開けるわよ」
「……」
『うわっ!?
なんだこりゃあ』
「ちょっとお巡りさん。ビックリしすぎよ。
ワニ吉くん。
ビックリさせてごめんね」
「……」
「ワニ吉くんが挨拶したいんだって。
あら!?
お巡りさん。
固まっているわ。
あたしの瞬間催眠にかかったみたいよ。
もう少しお巡りさんと遊んでいたいけど。
お巡りさんが近くにいると、待ち人に警戒されるかも知れないわね。
『お巡りさんは通りの向こう側に、ユックリと戻って……』
」
あたしは瞬間催眠にかかった人に話す口調でお巡りさんの耳元で、ささやいたわ。
あたしが、お巡りさんの右肩をポーンと軽く、叩いて
『来た道をユックリ戻って』
再びそう言って、指令を与えると、お巡りさんは、まるで夢遊病者の如くフラフラと来た道を戻って行ったわ。
催眠の効力は5分間よ。
ソロソロね。
今頃ビックリしてるわね。
5分間の記憶を喪失してる訳だから。
あのお巡りさん。
突然路上を歩いている自分を発見してビックリしているのが目に浮かぶようだわ。
あれっ!?
俺はさっき職務質問していた筈なのに変だなぁって。
職務質問していたのは夢かい?
何て思うかもね。
『うふふ』
愉快だわ。
何!?
催眠術をいつ使用したかって?
彼の眼前にパッとワニ吉くんを出した時よ。
お巡りさんが驚いてビクッと瞬きしたでしょう。
お巡りさんは、瞬きしたその瞬間に顕在意識が落ちたのよ。
それで彼はあたしの意のままになったの。
催眠術にかかった人って、例えれば映画を見ているような状態なのよ。
映画を見ている時は集中しているから、まわりが気にならないでしょう。
お巡りさんも、来た道を戻る命令以外、脳が受け付けないような状態になっているのよ。
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