表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却のグレーテ  作者: だい
第一章
22/116

再びウェーゲへ

私はおでこが真っ赤になった二人を連れて外に出た。


私「せっかく来たけど、足取りの手がかりはなしか...」

私「どうしよう...」

ジャック「一度、ウェーゲに帰るかい?」

ジャック「キミも長旅で疲れただろう」


私「うーん...でも、もう時間が...」

私「といっても行く宛もないし...」

私「うーん...そうだねっ !メイドさんにもらったお昼を食べて一回戻ろう!」

ジャック「うん。その方がいいと思うよ」


私「さすがに魔女の家の前でシートを敷いて食べるのは気が引けるよね」

ジャック「うん。流石にね」


ジャック「あっちに野花が沢山咲いているところがあるね」

私「うん。そこいいね」


シートを敷いてお昼を食べることにした。


私「中身は何だろうなっ」

カゴから中身を取り出した。


私「ん?これって?お重?」

ジャック「んっ! これは!」

ジャック「さすが王様。いつも食べてらっしゃる物の格が違う」

ジャック「この匂い。この肉質...」

ジャック「間違いない。ワイバーンの肉だ」

ジャック「このお弁当一つでお家が買えるぐらいの価値があるよ」

私「そんなに!」


私「じゃあ、早速!」

私「せーの!」

ジャックと私「いっただきまーす!」


ジャックと私「うっまー!」


ジャック「このオーク肉とは全く比なるものではない。上質な肉質と油!」

私「お口の中が幸せー」

私「ずっと口に含んでいたいけど、柔らかくて溶けちゃう」

私 (また今度行って説明もなしにグリフォンに乗せた罪でねだってやる)

ジャック「まーた何か悪いこと考えてたろ?」

私「いや...別に...」

ジャック「私に考えていることが顔に出やすいと言ったけど、キミは特にだよ」

私「そう?」

ジャック「あぁ。特にカワイイ子に会った時とかね...」

私「へへっ」


私たちはワイバーンのお重を味わって食べた。


ジャック「さぁ。食べ終わって休憩もしたし、行こうか」

私「また、グリフォン?」

ジャック「うん。グリフォン」

私「ゲッ」


ジャック「そうだね。あの崖から降下すれば飛べるだろうね」

私「また降下!?」

ジャック「仕方ないだろ。グリフォンは小柄だから人を乗せた時、そうやってしか飛べないんだから」

ジャック「ドラゴンだったらその必要はなかったけれど...」


私「ねぇグリフォン。私、あなたのこと種としては嫌いかもしれないわ」


私はしゃがんでグリフォンをツンツンした。

グリフォン「グゥガァー...」


ジャック「グレーテ可哀想だよ。落ち込んでいるじゃないか...」

ジャック「さっき、キミの言うことを聞いてゆっくり降りてくれたろ?」

私「確かに...」

私「グリフォンあなたのことは好きよ。でも種としてはすきじゃない」


グリフォンが嬉しいのか悲しいのか微妙な表情を浮かべる。


ジャック「グレーテ。乗せてくれるだけで本当にありがたいことだよ」


私「そうね。ごめんね。グリフォン」

私「種として好きになれるよう努力するわ」


グリフォンがまた微妙な表情を浮かべる。

ジャック「振り落とされるぞー」


私たちは崖までたどり着いた。


ジャック「じゃあ、グリフォンがまた可哀想な目に遭わないよう僕が前に乗るよ」


私「うん」


私はジャックの後ろにまたがった。

ジャック「じゃあ、グリフォン申し訳ないけど頼むよ」

グリフォン「グゥガァー!」

私「もう行くの!?」


グリフォンが崖から身を乗り出した。


私「プギャヤヤーーーーーーー!!」


シェイドが必死に私の中で笑いを堪える。


私「覚えてろよっ!シェイドーーー!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ