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【休載中※第2幕執筆中】Re:Call  作者: 織姫
第9話 幕が下りたその裏で

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幕が下りたその裏で②

「……一つ、聞いて良いか」

 白峰さんたちがいなくなった視聴覚室。紬に問い掛けた。

「どうして新曲をやろうと思ったんだ」

「伝えたかったから。みんなに、遥人にいまの私を伝えたかったから」

「そっか」

「私からも一つ聞いて良い?」

「どうぞ」

「ライブが出来てすごく嬉しかった。でもなんで急にあんなライブが出来たんだろうって」

 正直に話すべきだろうか。

 本当のことを知っている。紬が向ける視線はそう言っているように見えた。俺が榊さんにお願いしたと言えば「やっぱりね」と笑う姿が想像できる。

「なにも知らないはずの遥人が音響ブースにいるんだもん。びっくりしたよ」

「榊さんが特等席をどうぞって入れてくれたんだ」

「そうなんだ。なら良いけど」

 嘘は言っていない。榊さんがブースの中に入れてくれたのは事実だ。なのになにか隠していると言わんばかりに不満げな顔をする紬。この様子だとやっぱり俺が仕掛け人だと勘付いていたのか。

(悪いが黙秘権を使わせてもらうからな)

 たとえ紬が本当のことを知っていたとしても、それについて面と向かって問われても俺は否定するつもりだ。なにせ今日のライブは幻なのだ。俺が関与していたとわかれば幻ではなくなる。

「一緒に帰るか?」

 唐突にそんなことを言うと紬は目を丸くする。俺がこんなことを言うと思っていなかっただろうし、俺自身もどうしたと聞かれれば答えに迷う。一つ言えるとしたら―Re:Call―への俺なりの答えなのかもしれない。

「嫌なら別に良いんだぞ」

「そ、そんなことない! 帰ろっ」

 首を激しく横に振る紬は笑顔で俺の手を引く。別に手を繋ぐとは言っていないが、まぁ今回だけは付き合ってやるか。

「ねぇ、遥人?」

「ん?」

「今日はありがとね」

「なんのことだ」

「わかってるくせに」

 紬は楽しそうに笑う。それに釣られるように俺も口許が緩む。

 隣で満足げな表情を見せる幼馴染とはこれから先、長い付き合いになりそうだ。



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