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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
三章

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248話 アンゼリカさまと池デート ★

 セリウスさまが騎士団の仕事とキッチン馬車の制作、コック志望の騎士さんや領民さんの手配だとかで忙しくなっちゃった。

 

 今日はアンゼリカさまがお休みだから池に連れてけっと言われたので、アランとジェイク、ニーナ、シエル、ポム、ティム、アズライトでピクニックお弁当を持って行くことに。


 ジュリアスさまが私とアンゼリカさまとでお出掛けするのをめっちゃ渋ってたけどアンゼリカさまに押し切られた感じ。


「へぇ、やっぱり景色が全然変わったな」


 アランに抱っこされてる私を一瞬びっくりした後、「相変わらずここは過保護だな」って笑いながら私をアランから受け取って抱っこ。

 いい加減に自分で歩いても良いと思うんだよ。私は。


「この池までの道はポムとティムが頑張ってくれました」

 池もポムがズバーンと大地を掘って、アズライトがババーンと水を出して作った感じだからみんなの共同制作なんだよね。


「この辺りを中心にグレーデン領の端まで徐々に緑が増えてるんだよ~凄いことだね~」 


 土の精霊の加護って半端ないな。

 風も水もだけど。

 これで火の加護が揃ったら聖地になっちゃうんじゃ?ポムたちみたいなの増えるの?はどうだろう……ま、可愛いからいっか。

 あ、でもグレーデン一族は火の加護持ちっぽいよね。どうだろう。


「お、やっぱり聞いていたとおり……すごいな。滅多に見ない大きさの池だ」


 うん。湖だと思うよ。


 やっと地面に降ろしてもらえて、ボート乗り場に行くと新しいボートが増えてた。


「あちらは大旦那さまからリーシャさまにと用意されたボートで、奥のは大奥様にと用意されたボートです」


 ひぃえー!めちゃくちゃ凝った作りのゴンドラになってる。前の船も置いてあって、船着場はどこかのマリーナみたいにどんどん進化してる気がする。


「叔父上はやる時はとことんだから……」


 行動が超早くて、やることもお金持ち過ぎてびっくりなんだよ~。


 船着場の範囲が広がるとチェリーの木を移動させなくちゃって思ったら、ちゃんと良い場所に植えられたまま。そこそこの高さに育ってた。


「釣りには屋根があったら邪魔だからあっちの乗ろうか」

 アンゼリカさまは釣りをしたかったらしい。

 ご令嬢としては本当規格外なんだな。今日のいでたちも乗馬服っぽいものをラフにした感じの服だし。


 私は庭仕事ができる程度のエプロンワンピースだよ。


「アンゼリカさま、リーシャさまと同乗での釣りは危ないのでやめてくださいよ」

 ジェイクが止めたけど、

「なんだい、過保護すぎだな」

 なんて言いつつ、私を抱き上げてさっさと乗り込んで漕ぎ始めちゃった。


「あ、ちょっと!!」


 アランとジェイクが焦ってもう一艘に乗り込む。

 うーうーん?二人は、顔見知りの犯行は見逃しがち。私ってば簡単に誘拐されちゃうよ。

 しかもシエルとニーナを置いてきちゃったよ。

 でもシエルは池に頻繁に来てるから自分でボートを漕げるみたいで、ニーナをエスコートして乗せてボートを岸から離した。スマート!シエルってばジェントルマンだわ。


「アラン、ジェイク~、大丈夫だからー」


 それに比べて二人ってば焦り過ぎだよ。誘拐されるのはダメだけど、釣りくらいやってみても良いじゃん。


「あいつらはちょっと鍛え直した方がいいな」


 げ、案の定、護衛騎士レベルを疑われてる。気の毒だからやめてあげて。


「まぁ今は釣りだ。昨日出た魚料理はここのだろう?」

「はい、アズライトが獲って来てくれたギョンバイという魚です」


 ちなみにアズライトは屋敷からずっと私の肩に乗っていたので一緒にボートに乗ってる。


『ギョンバイならもう少し向こうだの』


 すごい短期間に生物が増えるんだねぇ。


「アンゼリカさま、ギョンバイはもう少し先のあの辺りだそうです」


「お、そうか。リーシャ、私のことはアンゼでいいぞ」


 およよ。アンジーとかアンジェじゃなくてアンゼなんだ。


「はい、アンゼさま」

「固い!呼び捨てでいい」


 でもジュリアスさまと同じくらいのお年って聞いてるし。先輩だもの……


「えっと……徐々に?」

「そうか。敬語もなるべくやめてくれ、むず痒い」


 うーん、塩梅が難しいんだよね。丁寧に話すと距離感が遠いとかで嫌がる人もいるけどタメで話すと生意気とかになる。アンゼリカさまは気にしないかもだけど。


「アンゼさまの周りの方も敬語は使わないのですか?」

「あー、アイツらはどうしても上司と部下だからどうしても一線があるな」


 そうなんだ。それはそれで寂しいのかな。


「お、そこそこ群れでいるな」


 水の透明度が高過ぎて丸見えだ。ここはアズライトの領域だからギョンバイみたいにそこそこな大きさの魚でも天敵はいないのかも。普通なら大きな鳥に獲られ放題だよね。



「よし、リーシャ、この竿を使っていいぞ」

 アンゼリカさまは少し離れた場所から竿を投げる。


 バシャシャ!


 入れ食いだ。

 外敵がいないから魚は突然降ってきた餌に警戒なく食いつく。

 釣り堀より難易度が低いかも。


「おお、なかなかのサイズだ」


 アランとジェイクは釣らずに見てるだけで。

 シエルとニーナは少し離れた場所で竿を垂らしてる。ポムとティムが草っぽいのを垂らしてるけどそれでは釣れないと思う。

 って、えぇ……なんか手長エビっぽいの釣ってるぅ!!


「ちびたち、なかなかやるではないか!」


 対抗心なのかアンゼリカさまもポムたちもめっちゃたくさん釣ったよ。


 私は坊主だった。入れ食いなはずなのにね。……うん。


 一旦アズライトの島に立ち寄ってお弁当をみんなで食べた。


「うん、こうして外でゆっくり食べれるのはなかなかないからな。より美味しいぞ」


 アンゼリカさまは遠征が多くて天幕暮らしが長いそうだ。仕事で行った先では夜も寛ぐ感じじゃないよね。


「そろそろ引退かな……」

 ボソリと小さな声でつぶやかれた一言はどこか寂しそうで空を見上げているアンゼリカさまには触れてはいけない気がして……

 でもアンゼリカさまならあと二十年は戦地を走り回れそう。

 結婚とか出産という選択をするとき、やめ時や復帰出来るかとか色々考えちゃうとやっぱり悩ましいよね。復帰したとして、きっと元通りに、思うとおりに動き回れるかって……


 アズライトの島で成熟した実をいろいろ分けてもらってからまた釣りをしつつ岸に戻った。


 またもアンゼリカさまに抱かれてお屋敷に戻ったら、ちょっと屋敷内がワタワタしてた。


「げ!」


 アンゼリカさまが嫌そうな声を出してみている先には、お義母さまよりちょっと上っぽい迫力のある女性がいた。


「よぉ~アンゼリカ。元気にしてたかい?」


 白髪を後ろに流して男物衣装っぽいのを着たおばさまが近寄って来た。


「へぇ、この子が噂のお嫁さんかい?」


 私を覗き込んできたおばさまは私を抱き上げると上下に振る。


「軽いねぇ」


 いや!それでもそこそこお年を召した人が軽々持ち上げる重さではないと思うよ。


「アタシはマギー、これからあんたの主治医になるよ」


 おお、ロジャー先生が言ってた女医さんか。


「リーシャです。よろしくお願いします」


 持ち上げられたまま名乗ったよ。


「若さの秘訣かい?酒を浴びるように飲むことさ!!」


 いや、聞いてないよ。それにお酒では若返りはしないと思うよ⁉









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