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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
三章

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232話 サーキスさまに相談 

 豊作なった。

 めっちゃ素晴らしい。おかげさまで倉庫が埋まっちゃう勢い。

 日持ちの問題があるから王宮にたくさん献上して、近隣の領やお付き合いのある領地も格安で譲ったりで大変なことに。

 ポムたちがやって来てから常に安定して収穫が出来てるから非常時用もたっぷり。


 ジュリアスさまは騎士団本部に出ちゃってるけど、領内の豊作での混乱に手の空いてる騎士さんが収穫を手伝ったり、次の収穫に向けての植え付けを手伝ったりとセリウスさまやクラウスさまが指示を出して動かしてるそう。えらいこっちゃ。

 そんな報告を受けた後、サーキス様を捕まえて、いや、つかまって?


「それでですね……」


 キッチン馬車を量産が出来ないかって言われた。馬車本体と基本的な設備は普通に作ってもらって魔道具は単体で関係は魔導師に任せて作っていけば出来るんじゃないかなってことでオーブン、貯水タンクとかの設計図を渡すことに。


 別に私が毎日コツコツやっても良いんだけど私以外が作れないと将来的に困るって言われた。

 でも私も魔改造したいからさ。数台は自分で作りたいってことで制作する許可をもぎ取った。


 で、私がサーキスさまを捕まえたかった用事の方は、保管用マジックボックス、保温庫を作りたいってこと。

 保温庫はともかくマジックボックスは勝手に作ったらまた叱られちゃう。


「ホォオンコゥ?」


 イントネーションが妙だけどスルーして、食べ物を数時間温かいまま保管が出来る箱って説明。

 出来立てに勝るものは無いと思うから。


「温かい食べ物を侍従さんたちや騎士さんたちのバラバラな食事時間に出せるように出来ないかなって」

「確かに交代時間によっては冷えたものになりますからありがたいですが……」


 後ろで聞いてたアランやジェイク、メイドさんたちまで感極まった感じでちょっと居心地が悪い。私はほぼ自分の欲望のために動いてるから……

 他のお家を知らないけど、グレーデンの賄いは基本的にコックさんが常駐してるから、スープとかが冷えたままとかは無いはずだけど、人数が多いからおかずまではね。食べ物は出来るだけ美味しく食べたいよね。


 マジックボックスはレア過ぎるから難色を示されたものの、リックさまがいる時に作って良いことに。作物が傷まないうちに何とかしたかったけど、仕方ないか。


 あと、レオルカさまとマデリーさまのお祝いについて相談したら、彼らの治めることになったアッガス領は数年来の不作の地なので大量に支援した方が良いだろうって話で、すでに騎士さんたちが騎士団員の持つマジックバッグや団で保有するマジックボックスに大量に作物や加工食品を詰めて送ってあるそうで「それで良くないですか?」って。


 このすっとこどっこーい!!


 それは援助でお祝いじゃ無いよー!!


 サーキスさまは贈り物の相談には向かないと判断したのでもう一個の方を相談。


「王女殿下の婚姻先のお国はどんな国ですか?殿下がお辛い思いをなさるようなことはなさそうですか?」


 海を隔てている国々とレイドラアース国の付き合いは過去数百年は無いとされている。

 商品の輸出入はあるけど国同士というのが無いらしい。


 この度の婚礼で両国平等な平和同盟や条約が交わされるそうだけど、向こうに嫁がれたあと孤立無援の立場に置かれる王女殿下が烏滸がましいけど心配しちゃう。


「情報では国柄も王の人格も悪くないとのことです」


 そうなんだ。


「……殿下への贈り物に魔道具を入れていただくことは可能ですか?」

「魔道具を?」

「危険な目にあった時の保険で一度だけ使える転移陣を埋め込んだ装身具を作りたいのです」

 渋い顔で聞いてくれていたけど、転移陣って言った瞬間にサーキスさまの目がクワってなっちゃった。


「転移陣?」

「もちろん見た目ではわからないように作りますし、ご本人にも用途を知らせないで命の危険があった時と言う制限をつきます」


 どんどん眉間の皺が濃くなってて怖い。


「魔道具の役割を隠すのは違法なので却下です」


 あー、そこに引っかかったのか。


「そもそもそんな距離のある転移陣を簡単に作れるなど言ってはいけないのですよ」


 転移陣自体もダメかー。


「……ですが愛娘を手放すことは苦渋でしょうから、陛下に直接聞いてみたら良いでしょう。ファティマ殿下の身を案じているでしょうから」

 あれ?陛下には話して良いのか。


「あなたの行動が突飛なことは良い加減、理解は出来ました。今回は相談をしてくださったことに感謝してますよ」

 うーん、ちょっと失礼ー。

 綺麗な顔でめっちゃ怖い顔されると怖さ二倍増しくらいよ。ほんと。


「マジックボックスも転移陣もリックさまのいる時にしてください。どちらも本来はそんなに簡単に出来るものでは無いのですから」


 そうかな?設計図と魔法式がはっきり読めればイケると思うんだよね。


「ああ、それからヘドロポーションの代わりは全てハーボットに関わった者たちが試飲してくれたそうです。なかなか吐かなかった事件についての新たな自供がとれたそうで、感謝されてますよ」


 涼しい顔でエグい報告されちゃった。やっぱり軽く拷問になっちゃったか。激辛はこの世界の人たち結構好きみたいだけど、ずっと喉に残ってたらやばいよね。

 ヘドロも嫌だし、つぶつぶも結構嫌だ。

 恐ろしいものを作っちゃった。


「ああ、一応普通に作らせてるんですが貴方が作ったもの程じゃないらしいのが残念ですね」

 

 おおおおー。錬金台を使ってなかったら誰でも同じになると思ったけどそうでもないのか。


 ルルゥがお茶菓子を持って入って来た。

「あらあらぁ、ルーク、物騒な話をリーシャちゃんにしないでよぉ☆」

 いや、その物騒な物作ったの私だ……

 

 ちょうど良いのでキッチン馬車の設備の使い勝手や配置のことを聞いてみた。


「ダメ出しなんてないわよ〜、贅沢を言えば棚にマジックボックスを置きたいのとフライヤーが欲しいかしらねぇ」


 ああ、遠征用のマジックボックスがあると言っても食材専用じゃないからね。

 

 外でも揚げ物したいんか〜。


 ちらりとサーキスさまを見るとちょっと考えてる。

 私に無茶をさせたくないけど、騎士団のためになることは取り入れたいってとこだよね。


 魔力回路が安定したからある程度無茶な物を作っても大丈夫そうなんだけどな。


「リックさまがこちらに来てくださったら相談してみましょう」



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