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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
三章

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144話 ビックリ箱はボツでした

 着替えを済ませて厨房を覗くとコックさんたちがフル回転していた。

 夕食前だからね。

「あら〜リーシャちゃん、おかえりなさい。何か思いついたのかしらー」

「ううん。これ見せたかったの」

 後でもいいんだけど、ルルゥは神出鬼没なわりにいつも忙しそうだから、機を伺うの難しいんだ。

「何かしらぁ?」

 出来立てほやほやのびっくり箱簡易版でっす。

 木箱に留め具を付けただけの色気のない仕上がり。

「開けてみて?」

 ずずいと持たせてルルゥが留め具を外せばビヨヨヨヨーーーーン!ってヘビもどきが飛び出す。

 さすが脳筋の里(違)の民、ルルゥも側で見ていたニックスとベンも一瞬叩き落とそうと身を固めたよね。

「……」

 出てきたものを見て固まったみんな。

 いまだにビヨンビヨンしてるヘビと周りに散る花びらが虚しく舞ってるよ。

「ビ…ビックリ箱だよ」

 あまりの緊張感にやっちゃった感が半端ない。

「……リーシャちゃんが私みたいって言ってたヤツ?」

 ルルゥったら微妙な顔になっちゃった☆ベンが静かに花びらを回収してくれる。なんか、ごめんネ。


「開けてビックリな感じでしょ!」

「「それはリーシャちゃん(さま)のほうでしょ⁉」」

 コックさんたちが声を揃えて叫んだよ。なんでさ。

 いまいち不発だったので残念無念。

「お仕事中にごめんね。あと追加できたらクランゴとイェンゲをフライにしてタルタル付けて。あとお芋も揚げて欲しいな」

 魚介はまだまだあるらしいから嬉しい。ってどんだけ獲ってきたんだって話だねぇ。次に入荷するまで持つかは謎?

 エビフライとイカフライ〜。クラウスさまがエンドレスお代わりしちゃうね。


 びっくり箱は一回限りのお遊びだし、下手に色々仕込んだらやっぱ壊されるオチしか無いと確証を得たので、あとでジュリアスさまに見せておしまいにしよう。

 

 ジュリアスさまたちがご帰宅だって聞いたので玄関までお出迎え。

 ふと思いついて、お義母さまの真似で布の弾丸をジュリアスさまにやってみようと扉が開いた瞬間にダッシュしてみた。

 ドーン!ってしたつもりだったんだけどパワーが足りなかったみたいで普通に受け止められてしまった。

「熱烈なお出迎えだな」

 ジュリアスさまがニコっとしてあっさり私を抱き上げてそのままお部屋に直行だ。

「今日は何をしてたんだ?」

「まずは欲しい材料と説明をしたくらいです」

 ジュリアスさまがラフな格好に着替えて座ったのでニーナに持ってもらっていたビックリ箱を渡す。

 ベンに回収してもらった花びらはもちろん再利用でちゃんとセットしてあるよ。

「これ、前にルルゥに言ってたビックリ箱です。開けて見てください」

「ん?」

 ジュリアスさまが箱を持って留め具を外せば再びビヨヨーーーン!と飛び出した。

「⁉」

 やっぱり一瞬叩きつぶそうとする感じで身構えちゃうんだ。危ない☆

「こういう驚かすおもちゃなんです。ルルゥみたいでしょ?」

「……」

 あ、これはさっきみたいにビックリなのは私のほうだって言いたい顔だ。私は自分の記憶っていうポテンシャルがあるけどルルゥは完全に才能なんだよ!だからルルゥのがビックリなんだよ。言えないけど☆

「うん……まぁ悪用されたら危ないからこれはここだけにしような?」

 厨房での反応見てわかったけど、ビックリ箱と思っていたら飛び道具が出てくるとか想像すると怖いもんね。だから先にビックリ箱って教えたんだし。仕方なし。

 ニーナがさり気なく花びらを回収してくれた。


「ルルゥたちも一瞬で警戒体制になったのでこれはボツってわかってます」

「……ボツ?」

 あ、失敗!!

「ダメって意味です」

「そうか」

 すごく不思議そうにしてる。たまにうっかり日本語が出ちゃう。話してる言葉はこっちの世界の言語でもどうも日本語が出ちゃうとこの世界では無い言葉で発音しちゃってることになるらしい。


「じゃあそろそろ食堂に行こうか」

 抱き上げられて食堂に行くとすでにみんな勢揃い。

 早速いただきます。

「今日はグレートサンダーベアが出たんだよー」

 あ、痺れるヤツ?セリウスさまが嬉しそうに言う。

「森に出てきたのか?」

「いや、アモンたちが少し奥に行ったらしい」

「何かあったのぉ?」

「海から帰ってきて物足りないと訴えてきて深部に行く許可取りに来たからさー」

 あの海の島の入れ食いの後じゃ通常の狩りはつまんないかもね。

 

「どうせ適度に間引かないといけないからいいんだけど、ルークに付いて行った奴らは大体ああなるから良いのか悪いのか」

「強くなる分には良いんじゃないのぉ?」

 セリウス様の言葉にお義母さまが答える。

「戦闘狂ばっかりなのはどうかなぁ?」

 ますます辺境が野蛮扱いされちゃうよねぇ。

 サーキスさまったら獲物の前だと制限解除されたみたいにイキイキしちゃうんだもん。

 普段の彼とは別人みたいだったよね〜。

 あんな感じの戦闘狂ばっかりの部隊と王都のお上品な騎士団が合同演習とかで一緒になったらビビるよ。きっとチビる。

「うちで騎士を続けるならルークぐらい振り切ってた方が安心だろう?」

「チェイスぐらいでいいよー、少し気が抜けてるくらいがさぁ〜」

 両極端!!でもチェイスさんも強いんだよね。性格とか雰囲気は緩いけど。


「でサンダーベアはどうしたのじゃ」

 お義父さまはワクワクした声で問う。やっぱり痺れる肉が食べたいんだ。

「一頭はもらってきたけどあとは分配だよ」

『ほほう、痺れ熊か。楽しみだのう』

 複数獲れたんだ。

 アズライトは痺れたいだけじゃん。パバブ食べとけー。ちなみにアズライトたちはちゃっかり自分たち用にテーブルを確保しちゃってるよ。


「はーいはい、旦那さま、ベアは明日ちゃんと美味しく煮込んでお出ししますよ〜」

 料理を運んできたルルゥが言うとお義父さまとお義母さまが嬉しそう。

「さぁリーシャちゃんのリクエストの揚げ物よぉ〜」

「おお〜イェンゲ!」

「あらタルタルいっぱいね」

 早速ジュリアスさまが私の口元にクランゴフライを運んでくれた。揚げたてで衣サクッと身はコリコリ。イカフライうま。

 ジュリアスさまも一口でパクっと食べて笑顔。可愛い。

 イェンゲもパクリ。エビフライうまー。

 いやね、しゃこなんだけど。でもうまーい。

 タルタルもピクルスを使ってますます美味しくなってるよ。


「ルルゥ、また腕を上げたな」

「いやぁ〜ん☆嬉しいけど今日の揚げ物はほとんどニックスが担当よぉ」

 厨房からニックスがチラリと覗く。めっちゃ照れてる。よかったね。

 物凄い勢いで消えていくからニックスはフライヤーから離れられないよ。

「油の採れる実もかなり収穫が出来るようになったが足りないかもしれんの〜」

「そうですね、揚げ物が美味しすぎて辛い」

 なんかお義父さまとジュリアスさまがおかしなことを言い出した。

 木の実油がないなら動物脂を使えば良いじゃない?

 ん?そういえば見たことないな。脂身どうしてるんだっけ?

「ルルゥ?お肉の脂ってどうしてるの?」

「え?一緒に食べてるわよねぇ?」


 んん?

 テーブルの上の焼かれたお肉を見れば確かに脂身あるけど少ない?

 もしかして野生だから肥え太ってない?

「脂身の多い獣っていないの?」

「そうねぇ、あまりいないかしら?」

 家畜化されているのでもダメなのかな。木の実より動物油は獲れないのかしら。


「そうなんだ〜」

 牛脂とラード(豚)はゲットできないなのかな。

「あのね、この白い脂の部分を焼くと油が出てくるでしょ?これ木の実より濃厚な油になると思ったんだけど脂の部分少ないなら無理だね?」

 言いかけてやめると気になるだろうから一応言ってみる。

「あらぁ?そう言えば結構油出てるわねぇ」

 よし!あとは普段調理する人任せ。出来たらラッキーくらいで。

「あーあ、リーシャちゃん、明日肉の貯蔵庫が大変になりそうだよ〜」

 クラウスさまがお手上げポーズをした。なぜ?

「今ある分の全部白いとこ削ぎ落として煮込むでしょー」

 あちゃー。そこまでは考えてなかった。

「でもクラウスさま、多分イェンゲもっと美味しくなりますよ?」

「!!!?!!」


 木の実も美味しいけどやっぱり動物油のが揚げ物美味しいと私は思ってる。

 ラードで揚げるの美味しかったもん。

 コレステロール気にしなきゃね☆


 クラウスさまも明日は貯蔵庫で肉を削ぐか森で脂が多そうな獲物を狩ってそう。

 脂について話してる間にポムとティムは延々とイカ、エビ、いもを口に入れてた。


 まだ食後のデザートあるんだよ?


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