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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
三章

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120話 貝柱は捨てないで

 別荘であるお屋敷に戻るために、みんな衣装や髪を《洗浄》で綺麗にした。

 お屋敷で出迎えてくれたニーナに速攻で抱きついた。猛烈に癒しが欲しい。

「リーシャさま、お部屋もお風呂も整えてありますよ」

 ありがとう~。嬉しいよぅ。あの脳筋たちひどいんだよ。って訴えたい気持ちでニーナに甘える。


「リーシャちゃん、さっきのやつ。ジュリアスさまが焼いちゃったからすぐ食べましょう☆」

 こんがりしてたもんね。

 獲物が大きいので外で焼き台を用意してルルゥが適度なサイズに切り分ける。

 すでに焼けているからタレをつけて二度焼きかな。


「ルルゥ、フリュアと蒸留酒とお砂糖〜。蜂蜜とマヨネーズとボルボ〜」

 イカ焼きのタレのレシピを思い浮かべたけどうろ覚え。みりんないし。

「こっちのも焼いちゃう?」

 ナマズっぽいやつも蒲焼で良いよね。

 デカいカニも私の腕くらいにサイズに切り分けられて。ってデカいよ!

 カニのためにカニ味噌を溶いたのとポン酢風のタレも用意してもらう。

 ビヤの実がツーンとするけど少し足すくらいで良いし、リポカも混ぜるから大丈夫。

 ついでにちょっとタイミングがズレたけどピクルスもちょっと細切れにしてマヨネーズと和える。簡単タルタル。

「良い匂いねぇ」

 イカをタレに付けて焼いてると懐かしい夏祭りの気分。

 ナマズも刺身の短冊みたいに切り分けられてるんだけどもう少し薄い方が良いかな〜。


 いつに間にやら姿を消していたチェイスさんが戻って来て、ドーンとイェンゲと大きなホタテみたいな貝とかアンモナイトみたいな貝を出した。

 アモンさんたちを連れて岩場に行ってきたみたい。


「いや〜この貝!おもしれぇっすわ!!ちょっと海覗いたらフタをパカパカーってさせながら飛んできたんだぜ!」

 1mありそうなホタテが乱舞する海とか・・・

「イェンゲは岩の下にいっぱい居て獲りやすかったですよ」

 アモンさんが嬉しそうに教えてくれたけど、そんな50cm〜1mもある極彩色のムシが山ほどいる岩場は嫌だ。


「取り放題なんて最高ねぇ」

 ルルゥがイェンゲを両手でバリィっと割りながら、焼く分と蒸す分に分けてる。

「あらこれ子持ちだわ。リーシャちゃん卵って食べるの?」

 普通にしゃこが子持ちのような状態でみっしり。

 ・・・親戚のお姉さんが「この粒々がいいのよぉ〜美味しいわぁ」ってもりもり食べてたから美味しいんじゃないかな?

 イクラくらいのサイズだけど。

 醤油漬けにするべきかしら?

「そのまま一緒に茹でても良いし卵だけフリュアで漬けても良いよ」


 サーキスさまも獲物を解体するような感じで切り分けてくれてるんだけど、貝柱捨てるって何!?

 びっくりして確保。貝ひももポイしようと!!

 なーんばしよっとかぁーーーー!!!!


「あらそんなところも食べるの?」

 慌てて回収する私を見てルルゥが首をかしげる。

 貝柱は刺身でも焼いても良いし、干していい出汁取れるし、ひもだって!

 勿体無い!

 とりあえずワサビ醤油とバター焼きで食べたい。パバブだけど。

「ルルゥ、貝を焼く時お酒を少し垂らして」

 今回の旅行について来た全員で焼き立ての魚介を食べよう!


「さぁ焼き上がったのと蒸し上がったのを冷める前に食べましょう!」

 調理しながら食べないと!冷めちゃう。

「クランゴ、昨日食べたのより弾力があって美味しいいな」

 今日のは多分〈極〉くらいの上位種なんでしょ。この島の周りは手つかずだったのかわからないけど、サイズ的に大きいし。比べたらダメだと思う。

「このタレうま〜い」

「ポン酢もイケるな」

 おっきなカニ足を頬張りながらクラウスさまが次に食べるためにソースを物色している。

 イカの焼けていなかった部分もイカそうめん風に出してみたら、みんな生食に躊躇った。でも焼いたものが美味しかったからか恐々としながらも口に入れて。すぐさまおかわりして。お皿の争奪戦だよ。

 

 アズライトもパバブを山盛りにしてイカ焼きやホタテのひもを食べてる。

『ウマい!やはり其方に着いてきて正解だったの!』

 現金なトカゲ・・・

 ナマズもサッパリした身でわさび醤油もポン酢風ソースもあっていて美味しい。

 タレ焼きもうなぎの蒲焼っぽくなって美味しいかった。


「はぁ〜やっぱり魚も良いですね」

 アランが超嬉しそうだったから朝市で買ってきた赤身の刺身も出してあげた。

 私が調理に夢中になってたからジュリアスさまもみんなと盛り上がってモリモリと食べてる。


 エビの代わりがイェンゲという扱いで納得するしかないのかな?

 イェンゲの卵は下処理と味付けを済ましてから寝かせる。

 イクラみたいな薄皮とかなさげなので手順は手抜き。

 すぐに食べれないのは仕方ない。


「このピクルスっていうのうめぇ!」

 あ。タルタルのそばに樽を置きっぱだったのが食べられた!

「あげないって言ったのに!」

「すんません〜」

 もう!

 ニーナたち女性陣は静かに食べてるのにオッサンども!


 食事に盛り上がってると海の方がザパーーーーン!ビチーン!ってなんか暴れてるっぽい音がし始めた。

『餌を求めて出て来たのは良いが内陸まで入ってこられずいきりたっておるの』

 アズライトが愉快だと言わんばかりの声音で言う。

 海獣をナチュラルに〈餌〉って言うのね!


「ルーク、行くぞ」

 ジュリアスさまがスイッチ入ったみたいで闘気を漲らせて走っていく。

 クラウスさまとチェイスさんも続く。

 そのあとアランたち他の騎士さんたちも動く。

「任せちゃって大丈夫ね☆」

 ルルゥは食材の調理を続けるようだ。


 海の方から戦闘の波動っぽいのや魔獣の叫び、騎士さんズの掛け声が響いてる。

「見に行きたいの?」

「ううん。良い。ルルゥ、その貝柱は半分干したい」

「干すの?」

 サイズも指定して一口サイズにしてもらう。

「スープに入れたら味が良くなるし、そのまま食べたらお酒のおつまみなの」

「へぇ!」

 ルルゥは新しい食材にはいつも目がキラキラになる。


「ルルゥ、昨日買ったお魚も調理したい」

 ちゃんちゃん焼きとか、カツオのたたき、炙りマグロみたいなの。

「じゃ切り分けましょう」

 ニーナたちも手伝ってくれて魚を炙ったり、パバブを擦ったりして、みんなが戻ってくるのを待つ。


 さっきのカニとかをやっつけた彼らの強さを考えるともう戻って来ても良さそう。

「ギャババーーーーー!」

 んん?

 海の方から微妙な叫び声が届く。


 そちらを見てみたら微かにイカ足みたいなウネってる足が見えた。

 こっから見えるってかなりデカくない?


 またクランゴかな。


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