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第十八話

「そう言えば清雅君、この世界の事ってどれくらいわかってます?」


と、清花が不意に聞いてくる。


 ちなみに清雅が座った後、狼は風を裂くように進んでいた。それにもかかわらず、清雅たちに風が当たらないのは、おそらく狼が何かをしているのだろうが、清雅たちにはよく分からなかった。


 そして清雅は、


「ん~、魔力と魔法、属性、魔族と人間の差と獣人の簡易的な説明と、お金位かな?たぶん」


と答える。すると清花は少し悩んでから、


「じゃあ種族とかの主な奴は説明されてるのかな?」


「いや、知らねぇよ。俺が分かる訳がないだろう?」


 すると、清花はハッとした表情になり、それもそうですね。と言ってから、


「じゃあ説明しますね。まず、人間、魔族、獣人のほかに、もう一種類人型の生物がいます。それは、人魔と言うのですが、これは総称で、人の様な、または、人そのモノの形をした人ならざる者です。これは、ゴブリンや人魚とかですね」


 そこで清花がここまで良いですね?と聞いて、清雅が頷いてから再び話し始める。


「次に、人型をしない者で、主に、獣、魔獣、魔物に分けられます。また、魔物はモンスターとも言われますね。獣は、魔力を持たない、また、扱えないものの総称です。ここで上げられる例は向こうの世界でも見れる、猫とかですね。魔獣は魔力、魔法を使える獣です。これは、清雅君の連れていたあの狼とか、今乗っているこの子とかですね。そして、魔物は、魔力が素になっている生命体ですね。例えば、スライムとかです。まぁ、これが一般的に見る事になるであろう生物ですね。質問はありますか?」


 そう言うと、清花は何か満足げな表情になる。そして、その話を先ほどまで静かに聞いていた清雅は、


「一般的に見る事になるってことは、逆に見ないようなのも居るのか?」


と、清雅が質問をすると、


「そうですね。この二種は特殊で、一部にしかいないのと、まず見る事が出来ないので、説明しなくても良いかと思ったんですけど……まぁ、説明しましょうか。えっとですね、残りの二種は、龍種と、精霊種です。まず、龍種は、とんでもない魔力に加え、一撃で軽く火の海を作れるくらいの魔法を使います。まぁ、そんな事は龍種が怒らないと起きないですけどね。私的にもそれはめんどくさいので遠慮願いたいですね」


 そして、一度区切ってから、


「次に精霊種ですが、これは基本どこにでもいます。が、見えません。ちなみに触れても感知できません。私の目にも全く見えないのが驚きなんですが……ちなみに、私に見えないものが清雅君に見えるはずはないと思います。でも、稀に見える人もいるんですよね……なんで私が見えないのに他の人が見えるのか疑問なんですが……まぁ、良いでしょう。それで、精霊は自然から発生する上に、高い魔力を持ってます。そして、その自然に主にある属性の魔法は、異常なまでの効力ですね。一応倒す方法もあるにはあるんですが……無理と言っても過言では無いと思います。まぁ、私の言えることはこのくらいですかね」


 そう言うと、清花は再びにんまりと笑みを浮かべる。すると、


「なぁ、精霊ってさぁ、例えばこんなの?」


 そう言う清雅の頭の上には、闇のように暗い髪の色をして、背中から後ろが透けて見える薄い羽をもつ、身長10cm前後の少女がいた。


「な、ばれていたですとぅ!?」


と、その少女は言うのだが、清花は首を傾げながら


「へ?清雅君……そこに何かいるんですか?」


という。それを聞いて、清雅は首を傾げ呟く。


「こいつは清花に見えない?じゃあ、こいつが精霊か?」


 すると、肩に乗っていた少女は、清雅の正面にふわふわと飛んできて、


「むぅ、確かに精霊だけど……普通見えないと思うんだけどなぁ~?何所から気づいてたの?」


と、首を傾げながらその少女は呟く。


「ん~、俺の肩に乗ってきたあたりから?」


「ほとんど最初っからばれてたのか~……なんか悔しい……」


 そう言いながら少女はフワフワと飛び、清花の頭の上に乗るとゴロゴロと転がる。それなのに、清花は全く気が付いていない様子だ。精霊ってのはたぶん本当なんだな……まぁ、別に疑っていたわけでもないんだけどね。……と清雅は思いつつ、


「そう言えば、お前の名前は?」


と聞く。すると少女は少し考えて、


「ん~、普通に教えてあげても良いんだけど……どうせなら契約しようか」


と、楽しそうに言ってくる。


「契約?なんだそれ」


「知らないの?まぁ良いや。教えてあげる」


 と、少女は清花の頭に座りなおしてから言ってくる。つか、そこから話すのか?と、清雅は思ったが、突っ込まないことにした。


「えっと、契約っていうのは、普通の自己紹介のようなものなんだけど、魔法陣が必要よ。まぁ、精霊は簡単に作れるから問題ないよ。契約の利点は、その存在の属性魔法の強化と一部身体能力等の上昇だよ」


「ふむ、まぁ、ルーネの首輪に近い感じか?」


 すると、少女は少し考えて、


「あれはあの狼にその効果が付くだけ。こっちの場合は二人ともだよ」


「そうか……じゃ、さっさとその契約ってのしようぜ?」


と、清雅は何の迷いもなくそう言う。


「わかった。じゃあ魔法陣展開っと」


 そう少女が言うと同時に、清雅の真下に黒い光を放つ魔法陣が出現する。


「おおぅ、明らかに入っちゃいけない感じの色だな……」


「しょうがないよ、精霊との契約魔法陣の色はその精霊の属性に左右されるんだから……」


 清雅はそうなのか。と言い、


「普通に自己紹介で良いんだろ?」


「そうだよ」


「じゃあ、俺の名前は白銀清雅だ。よろしく!」


「私はシャクナだよ。これからよろしくね~」


 そう二人が言うと、魔法陣が一際強く輝き、清雅たちを包み込む。その光に思わず清雅は目を瞑る。


 そして、再び目を開けると、さっきと変わらないように思えるが、一応どこかに変化はないかと探すと、左胸あたりに、何か黒い模様がある。たぶんこれが契約のあかし的な物だろう。


「えっと、これで終わりか?」


と、清雅が確認すると、


「うん、終わり。初めてやったけど、意外と簡単だったな~」


と、シャクナはケラケラと笑う。


「そうなのか。ま、これから楽しくやって行こうぜ」


「おー!」


 そんな会話を二人がしている間、清花は清雅が精霊が見えるということに、涙目になっているのだった。

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