東京都■■区(裏)
ーー東京都■■区ーー
「時間だ。」
横にいる相方と目を合わせる。
隠された階段を下っていき古びた扉を交互にノックする。
1回、3回、5回。
「どちら様で?」
明らかに作り物の声が聞こえる。
「仕事の者だ。」
「了解しやした。どうぞ中へ。」
古びた扉が開かれると、そこには、街が広がっている。
ここは裏社会での■■区。
政府非公認の都市の一つ。
「心臓・小腸・肝臓三点セット12万ー!」
「眼球詰め放題一回5万ーー!」
「35口径2丁で27万ーー!」
ここでは、表の社会では取引されないものが取引されている。」
「いつ来ても活気がいいね〜」
横の相方が話しかけてくる。
「そうだな。今回は依頼達成の報酬を受け取りに来たんだ。帰りに買い物していくか?」
「いいね!私口元を隠せるマスクが欲しいな〜今のフルフェスだと夏は暑くて。」
「それもそうだな。俺も帰りに買って行こうかな。ついでに鎌のメンテもしたいし。」
「いくら回収できるんだっけ?」
「さあ?一千万ぐらい?」
「じゃああんまし豪遊はできないね〜」
「元からすんなよ。」
都市を進んでいく。
「そういえばさ〜ソウマはなんで骸骨のマスクしてるの?」
「特に考えてなかったな……しいて言うなら社名に『死神』って入っているからかな?」
「ふ〜ん」
「そう言うシズクはなんでサイバーパンクみたいなやつなんだ?」
「これ便利なんだよね〜暗視機能だったりターゲット追尾機能とか、360度視認機能とか」
「ふーん。でもマスクにしたらその機能全部失うくない?」
「えっ!?うわ〜マジか〜どうしようかなぁ〜」
「俺はマスク型にしてもゴーグルつけるつもりだから暗視とか最低限はつくけど。」
金色の大きな宮殿に着く。
「ここか。」
「ここだね」
ドアをノック
「…‥どちら様で?」
「お世話になっております、死神サービス有限会社の者です。」
「……少々お待ちを。」
間。
大きな音と共に金属製の門が開き、大きな扉が出迎える。
入り口には、一人の男性が立っていた。
「我が主人は客間におります。ご案内いたしますので、お入りください。」
***
太った大男がタバコを吸いながら話す。
「ああ、どーもどーも。俺があんたらに依頼した者だがね、実は少々金がなくてね。
一銭も払わないことにしたのよ。だから帰ってもらえる?」
「………払う気がない、と?」
「そんな傲慢なことは言ってないさ。ただ、支払い期限を100億年ほど伸ばして欲しいだけだよ!」
「なるほど……」
「おっと、まさかとは思うが、俺たち相手に力づくで払わせようなんて思うなよ?俺たち五人の他にも、この部屋の周りには200名ほどを待機させている。わかったらとっとと尻尾巻いて帰ってもらえるかい?」
そう言って笑う男とその取り巻きたち。
俺はシズクと目を合わせ、アイコンタクトで意思疎通をする。
ーー払う気なさそうねーー
ーー想定内だろう?ーー
ーーそうね。さらに動く分余計に請求しようかしらーー
ーー武器の用意は?ーー
ーーばっちし!さっき買った新入りの出番かもーー
ーー新入りって、トレンチナイフのことか?ーー
ーーそう!8万で売ってたのよ!安かった〜ーー
ーー絶対パチモンやん。すぐ壊れる気がする。ーー
ーーふん!ってか、ソウマは何持ってきたの?ーー
ーー俺は気分的にナイフとワイヤーフックにしようかなーー
ーー色々持ってるよね。ほんとーー
ーーいくか?ーー
ーーいいわよーー
「では、力ずくで取り立てさせてもらいます。」
「あん?だから、払える金がねえって言ってんだろ!」
「お代は、命で」
「ふん……野郎ども!ぶち殺せ!」
「シズク、行こう。」
「OK!」
扉や壁を蹴壊して雪崩れ込んでくる男たち。
するとシズクが拳を横に振り抜きーー
「うわっ」
「ぎゃっ」
「あがっ」
阿鼻叫喚だったりして。
「いい使い心地だ!打撃と共に斬撃もできるなんて!」
余裕綽々なのすげーなこいつ。
「あの男を狙え!」
おっと俺に突っ込んでくる感じ?
でもごめん。一つ言わせて。
「そこワイヤー注意ね!」
って言ったのに、突っ込んでくるのアホなの?
「ぎゃぁ!」
「おげっ!」
「ぅがぁぁ!」
「あ、足が!」
「手が!」
ほら言わんこっちゃない。ワイヤーに突っ込んだりするから足とか手が切り落とされちゃう。
「この服結構いい生地なんだけどなー」
青いはずのパーカーが真っ赤。クリーニング……は無理か。
「どんまい!」
シズクは……ああ、楽しそうだな。拳を振るだけで男たちは顔や首を切られ、腹や鼻を殴られる。
痛そー
「あっ!折れた!最悪!」
ざまあ
「だから8万はパチモンだって言っただろ。ほら。俺のナイフ一本貸してやる」
「サンキュー!」
さて、と。
「これで、よし!」
罠もセット完了!あとは男たちを誘き寄せて…‥
ワイヤーを男たちが踏む。するとーー
「ナイフの雨に、ご注意ください♪」
上からナイフが降ってくる。あーあ。もう髪まで真っ赤。一応この前青く染めたのになぁ。
「ソウマ〜終わり?」
「終わりじゃない?」
あとは元凶のあの男……おっと、逃げようとしてるな。
とりあえずワイヤーで足切っとくか。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!?!!」
「さて、これでもまだ、お題を払いたくないですか?」
「は、払うっ!払うから命は!」
「うんうん〜素直に払おうか!」
こう言う時のあいつって悪魔みたいな顔してんだな。
***
「これで、俺の全財産だ」
「はい、確かに全て回収しました!では、最後の作業に移りたいと思います!」
「どっちが殺す?」
「は、はぁ!?金は払っただろ!余分に!」
「お・客・様・!世の中には、迷惑料というのがあるんですよ?」
「なっ……この、悪魔!」
「悪魔だなんて……失礼な。私たちはただの」
「善良な」
「死神でございます。」
「あーー
ザシュ
「これにて、お仕事完了。」




