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二百八十一

7月1?日(?)?時⁇分


頭が重い。


思考がはっきりとしない。


自分以外の何かの思考が塗りつぶそうとしてくる。


童子切は言い表せない怒りに支配されていた。


それを俺は少し離れた位置から見てる。


何をしたらいいのか。


それはなんとなく分かった。


力の制御、それだけだ。


まるで暴走する馬を無理やり乗りこなそうとするように。


破壊衝動に揺れ動く童子切の精神と自分の精神を同調させる。


なぜか、上手くいく、そんな感覚がある。


偶然にも近い感覚。


昔から時折あるその感覚に身を委ねる。


鬼丸、童子切、三日月。


五剣の内、三振りの意識が佑樹の中で一つになっていく。


爆発的なまでに力が高まり、そして…


「これ以上は手に余る。リセットだ」


突然、耳元で声が聞こえた。


そして、そう、まるで突然夢から覚めるように、世界が切り替わる。


…………。


「やぁ、おはよう。正確にはここも夢だけれどね」


「え?◼️◼️◼️◼️…?」


まるで長い夢から覚めたようだった。


さっきまでの感覚も、鬼丸たちも、何も感じられ無い。


見渡せばそこは学校の教室で、自分の席について姿勢を正した状態だった。


そう、それは今となっては懐かしい、このゲームの始まる少し前。


春休みに見た夢と同じ状況。


「今回の世界もダメだったか。やっぱり阿部佑樹、君が特異点だ。またアプローチを変えないと」


教壇には◼️◼️◼️◼️…っ?


何故だか名前や顔が、目の前にいるのにぼやけてしまう。


見えているのに、分かるのに、認識した瞬間から忘れ始める…?


「…………っ?」


首から下は動かず、言葉を発しようにも話し方を、忘れてしまったように声が出ない。


「これで何回目かな。やり直すのも楽じゃないし、リセットボタンを押すように簡単に出来ることじゃぁないんだけどね」


「こうなってくると、ゲームのジャンルも変わってくるよ。『阿部佑樹攻略ゲーム』だ。恋愛シミュレーションゲームでもやってる気分だ」


「これまでと違って、なぜか毎回少しずつ状況が変わるのもいい加減どうにかならないかな。乱数調整は苦手なんだよ」


なんだこれは?


一体何が起きてる…?


そんな疑問すら、形になった瞬間に解けて忘却してしまう。


「これはもう根本的な所から物語に介入した方がいいかもしれないね。アプローチを変えようじゃないか」


「いっそのこと、介入じゃなくて協力にすればいいんじゃない?そうすれば乗っ取りも楽だし、むしろカリヤたちを敵に回して邪魔されることもないし」


「いいね!どうもこの世界線じゃダメみたいだし、物語の軸は変えずに、中身と設定を色々と弄ってみようか」


「……一読者としては、タイトルはそのままに中身だけ好き勝手に改竄するのはいただけないんだけど」


「まぁまぁ、ifストーリーとメインが入れ替わるだけさ」


なんで◼️◼️◼️◼️が、こんな…


◼️◼️◼️◼️、◼️◼️◼️◼️…


「ごめんよ、阿部君。主人公がいたら、物語が成り立ってしまうんだ。予定調和のハッピーエンドを僕らは求めてるわけじゃないんだ」


「やっぱ世界観てか視点を変えるべきじゃない?」


「方法は後からでもいい。とりあえずこれ以上妙なノイズを観測すると後々に変な影響が出る。終わらせろ」


「はいはい。さて、何も言わずに世界を終わらせるのも味気ないよね。今回はどの台詞で締める?……死ぬまでに言いたい台詞No.20!第三部、完!……なんてどうよ?」


頭の中の混乱が、ピークを迎える。


「一度この【神を堕とす者】をここで終わらせよう。また一から始めないといけない。今度こそ、主人公の思い通りにならないように」


「◼️◼️◼️◼️の次回作にご期待下さい!ってね」


「違う世界線で、また逢おう」

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