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異世界のひと  作者: くものひと


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運の悪い私

この城で二人を見た時は再会の嬉しさのあまりに泣いてしまったが、今はその運の悪さに泣きそうだ


この世界に来る前の記憶は定かではないが、少なくともあの子達と一緒ではなかったと思う

どういう力が働いて、どういう基準で選ばれたのかは知らないが、私達姉妹に何か恨みでもあるのだろうか


先にこの城で保護された女性達は、向こうの世界の知識を元に商売を始める計画を立てていた

私達も協力をお願いされたので二つ返事で承諾するが、その輪の中にあの子達はいなかった


案内されて血の気が引いた

二人して楽しそうに剣を振っていた



「…あんた達なにしてんの?」


 「冒険に出る準備!」

 「私達、強くならなきゃいけないんだって!」


「誰が…?」


 「「リョーシュさま!」」



意味が分からない…


…いや、分からなくはない

たくさん追いかけ回された

私達が強かったら辛い思いはせずに済んだのだろう

だからと言って…


 「「えい!えい!」」


なんでも訓練を始めて1ヶ月かそこらだそうで

1ヶ月でこうなったのか

1ヶ月経ってもこうなのか

本人達は真剣だから笑えない

周りの人達の目線が優しいのが救いだ


私達を襲ってきた人や怪物、騎士の人達を軽々ぶっ飛ばした巨大な獣を思い出す


(これは死ぬなぁ…)



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