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領主との謁見を終え、城門から抜け出す
こっちのギルドに情報を伝えがてら顔を売っておこうかと寄ったら済し崩し気味に領主への報告まで付き合わされた
まさかこんな事になるとは思わなかった
固めていた首や肩をほぐし、ようやく一息つく
先導するこの街のギルド長が労をねぎらい酒と食事をご馳走すると言うと、後ろでは冒険者ギルドの男が嬉々とした様子で大股で俺達を追い抜き、急かすように歩いていく
これ以上はあれを追えぬと悟った他の奴らはとっくにベルクフォルムに帰り、残ったのはこいつだけ
何か意図があるのかと思えばずっと冒険気分観光気分といった様子だ
領主との謁見すらこいつにとっては珍しいものが見れたといった感想なのだろう
ギルドが用意した立派な宿に帰る
軽装に着替えてから合流して飯を食いに行こう
そういう手筈で一旦解散する
俺は自分に用意された部屋…を通り過ぎ隣の部屋の扉を叩く
相変わらず間の抜けた返事に扉を開け声を掛けた
「よう、調子はどうだ?」
「元気だよぉ、絶好調だ」
「一応言っとくがお前が不調になるような事は想像出来ないからその心配はしていない、そいつの事だよ」
「つれないねぇ…さっき消えそうになるくらい薄くなったけど今はこうして無事でいるよ」
「別にそいつが無事かどうかも気にしていない…むしろ消えるなら本体が死んだって事なんだろう?喜ばしい事じゃねぇか」
「そうかい?…でもまぁ消えそうで消えなかったっていうのもまた気になるねぇ…」
「そいつに聞けよ、てかいい加減なんか話せねぇのか?」
「なにか聞こうにも彼の中にいる人達が一斉に話そうとするようなものだからねぇ
混乱はするし、口も今のところ一つしかないからねぇ」
「今のところってやめてくれ…あれを思い出しちまう…まぁいいや、飯を食いに行くからお前も支度して降りてこいよ
そいつも…まぁ連れて行くか、酒でも飲ませてみようぜ」




