とある日、気持ちは受け取った男
彼女がサッと顔を上げ、警戒のするように耳をぴくぴくと動かす
どうしたのかと不思議に思い、もしかしてと心当たりを思い出す
晴れた空を見渡すとギリギリ確認できる程度の煙が細く上っている
「行くよ」と声を掛け洞窟から煙の方向へ走ると彼女もついてくる
巨体の猫を引き連れ、アニメのOPシーンさながらに颯爽と走り出した僕
そのゴールの先で見たものは、Aメロで既に僕を置き去りにした彼女が食料品を載せた荷車を漁る様子だった
「え?待って…え…?その…ちょっと?…ねぇ…その足元にあるの何?…絶対それそうだよねぇ?え?嘘じゃん…原形とどめてないじゃん…え?やめて?ねぇなんで?」
僕とバルドさんの友情の証ともいうべき『それ』の内臓はグチャグチャに抉り出され、骨はバキバキに折られている
その残骸が横たわる地面に謝罪の文字を描き、なんとか無事に生き残った食料を小脇に抱え彼女と共に洞窟への帰路に着く
いじけて無視する僕の様子を察したのか、彼女は謝罪をする様に僕をベロベロと舐め回した後、懐に引き寄せ寝息をたてる
まるで壊れた『それ』の代わりに自分がなろうとでも言っているようだ…なんて優しいのだろう…
ふかふかの猫毛ベッドから抜け出す
洞窟の入り口辺り
体育座りで夜空を見上げる
月が優しく僕の涙を照らした




