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いつも通りの男
(うん、上手に話せたな)
順番にというプレッシャーを跳ね除け、自己紹介と挨拶を噛まずに言うことに成功した僕は安心して得意の聞き役に徹する
勿論、目立たない程度の相槌を忘れてはならない
残念ながら僕らはこの世界の情報をまだ得ていない
僕が参加できる話は誘拐事件の事、それに伴いなるべくひとりにならないよう気をつける等の内容に留まるのだった
それ以降、彼女達は女子トークに花を咲かせたので邪魔にならないよう席を外す
元気が出たのは良いことだ
正味10分もいなかったであろう部屋を後に、僕はひとり廊下を歩き自室へと堂々の帰還を果たした
…
ただ気がかりが1つある
無難な行動に徹することに気を割きすぎて彼女達の名前を満足に覚えていない事だ
なんとなく聞き覚えている名前とうろ覚えの顔を合わせるパズルを早々に諦めてベッドへダイブする
異世界?に来ても人は変わらない
まだ日は昇ったばかりだというのに、僕のまぶたはもう重くなっていた




