第一話-とある狩人-
リメイクしたけどあんまり変わって無いやーつ
———はっ…はっ………っ、はっ…………
時刻は昼を過ぎた頃だろうか、一人の少女が息を切らしながら森の中を駆ける。
———っ…!
時々姿勢を崩し、体が左右に振れるも、まだ、追いつかれてはいない。
そう、女性は追いかけられている。森に潜む獣にだろうか。
否、違う。それは獣よりもずっと恐ろしい。
それは、負の感情が身体を侵し、一種の暴走状態となった、クレープスと呼ばれる、元人間。
クレープスは人を見境なく襲い、人間社会に恐怖を与えた。
———きゃぁっ!
地面に這う木の幹に足を取られ、横転。勿論その間にもクレープスは少女へと迫り来る。
「っいやっ!来ないでぇ…!」
少女に絶望の表情が浮かぶ。もうすぐ側までクレープスは来ていた。
「urloooooooo…」
唸るクレープスの髪色は灰色に染まり、瞳は黒くひび割れている。
そしてクレープスが拳を構えた。
「あぁ———」
(あぁ、わたしはしぬんだ。)
少女は、そう思った。
力を込められた拳が振りおろされ———なかった。
「———え?」
少女の瞳に映るのは、銀色の刃と、切り落とされたクレープスの腕。それと、クレープスの驚愕の表情。
そして最後に……銀髪の青年。
「urlo?」
クレープスは、突然自らの体から消え去った右腕を見て呆然としている。
「urloo!!!」
状況に頭が追いついたらしいクレープスが青年を襲う。
「あっ!危な———」
少女がそう叫び終える前に、クレープスは銀髪の青年の刀によって心臓を一突きされ、地面へと倒れる。
「あの、怪我はありませんか?」
青年が此方を向き、心配の声をかけてくる。
「はいっ!大丈夫で———痛っ。」
立ちあがろうとすると、足に痛みが走る。そこには大きな切り傷があり、血を流している。気づかなかったが、どうやら先程転んだ時に枝で切ったらしい。
それに気がついた青年が、バッグから何かを取り出し、手当てをしてくれる。
(優しい、人だな。)
少女は青年の真剣で、優しい目を見て、少し安心した。
「これで、一先ずは良いでしょう。それでも応急処置なので、ちゃんとした治療は受けてくださいね?」
先程よりかは、痛まない。
「もう、大丈夫ですから。安心してください。」
青年のその優しい言葉を聞き、少女は泣いた。
—————————
「あの、本当に…ありがとうございます。」
私は助けられた後、青年に背負われ、村に送り届けてもらっていた。
「いえいえ、これも修行のうちですので。」
青年の名前は、ニフタ・モンテリヒトと言うらしい。現在、この森で修行をしているそうだ。
年齢は十九歳。私より四歳年上だった。
「ところで…何でこの森に居たんですか?」
「人影が見えて、着いていってみたら……クレープスだったんです…」
クレープスについては、母が言っていた。怖い、怖い存在だって知っていたのに……
「もうすぐ村に着きますよ。」
森を抜けると、いつもの村がそこにあった。
私は、森のかなり深いところまで逃げていたらしい。村に着くまで、一時間はかかった気がする。
「あのっ本当にありがとうございました!!!」
もう一度、私は感謝を伝えた。
「もう、森には一人で入らないようにしてください。僕が狩っていますが、あそこには獣もいますので………」
「はい!」
それでは、お元気で。と、青年は去っていった。
そのロングコートに包まれた後ろ姿は、彼の精神性が映し出されていた。
(あの人、かっこ、よかったな。)
私は、少し……いや、結構惚れてしまったようだ。また会う事があれば、お礼をしよう。
そして少女は家に帰り……こっぴどく叱られた。
—————————
森の、深い場所。緑に覆われ、近くには川も流れている場所。そこに、一軒の家が建っていた。
ガチャリ———
蔓が巻き付き始めていたので、それを切ってから扉を開ける。
「只今帰りました、師匠!」
青年……ニフタ・モンテリヒトが、棲家へと帰って来た。
「あぁおかえり、ニフタ。今日は、どうだった?」
家の中で机に向かい、何かを書いている女性が此方を向く。
彼女の名前は、レオン・ヘルツ。ニフタの師匠であり、母代わりだ。とある事件が原因で、ニフタは家族を亡くしている。そして、九歳の頃に引き取られ、ここに来た。
「今日は、獣を数匹………それと、森に迷い込んだ少女がクレープスに襲われていたので、救助し村へ送り届けました。」
「そうか、良くやった。」
レオンが笑顔で褒めてくれる。ニフタはそれが嬉しかった。
「そろそろ飯の時間だな……今日は私が作るよ。」
「本当ですか?ありがとうございます!」
レオンが作る料理は、美味い。だが、普段はニフタが作っているため、レオンが作ることはあまりなかった。
ニフタは自室に行き、服を着替え、今日あったことを日記に書く。
「ニフタ!出来たぞ!」
数分経ち、日記を書き終えた時、丁度レオンに呼ばれる。
二人は食卓に着き、食事を目の前に。
「「自然の豊かさと生命の輝きに感謝を。」」
食事の挨拶を済ませ、食べ始める。
「う〜ん、やっぱり師匠の作る料理は美味しいですね!」
「そうか?ありがとな。」
今日の料理は、近くで採れる山菜と、チニタベリーのサラダであった。レオンの得意料理であり、二人の大好物であった。
レオンが、ニフタのことをじっと見ている
「…どうしました?師匠。食べないんですか?」
「いや……ニフタも、成長したな…って思ってな。」
ニフタがレオンと暮らし始めてから十年。これまで生きて来た半分以上の年月を、ここでの修行に捧げている事となる。
無論、ニフタはそれを嬉しく思っているが。
「僕は…強くなれましたかね?」
「あぁ、私が鍛えたんだ。今の実力なら、王都の騎士とも互角以上に戦えるだろうな………」
レオンが何かを思い出したように、動きを止める。
「……そうだ、ニフタ。一度、エストゥールに行ってみないか?」
エストゥール。ニフタが現在住んでいる国、ドリエスタ王国の王都。ニフタは昔そこの孤児院に住んでいたが、あの時は色々とあったため、現在は王都に関する記憶は少ない。
「勿論、行きたいですけど…急にどうしたんですか?」
「私の旧友が学院で教師をしてるって話は何回かしたと思うんだが、私が前に王都を出る時、いつか帰って来て欲しいって言ってたんだよ。それに、ニフタも十分成長したし、丁度良いと思ってな。」
「なるほど…それじゃあ、次の買い出しの日に出発……というのはどうでしょう。」
二人は一ヶ月に一度、近くの街へと買い出しに行っている。次の買い出しは、二週間後だ。
「そうだな、そうしよう。」
そうして相談をし、食事を終えた二人は、自室へと戻り、それぞれのやりたい事をし、寝る。次の日は修行なので、あまり体を酷使せずに、すぐに寝た方がいいだろう。
そうしてそのような生活が続き……買い出しの日が来た。
「それじゃあ先ずは、いつもの街に行くぞ。」
「はい!」
二人が森を歩き始める。道と言えるような道は無いため、歩くのは大変ではあるが、修行で鍛えられているため問題はない———
「うわっ!」
「……大丈夫か?」
ニフタが蔓に足を引っ掛けた。少しは問題があった。
そんな小さな出来事はありながらも、二人は無事に、いつも買い出しに来ている街、テールスに着いた。テールスはそこまで大きな街ではないが、物流はしっかりとしているため、そこまで高級な物でなければ大体の物が揃っている。
「今回は買う物はない。早く向かうぞ。」
そうして、まずは商人を探す事にした。今回は商人と同行して王都に向かう事にしたからだ。乗用獣を手配するのには金がかかりすぎるし、歩きなど論外だ。だが商人に同行すれば、そこまで金をかける事なく王都へ行ける。
「なああんた、ここら辺の王都に向かう商人とかは知らないか?」
レオンが買い出しの時にいつも使用している店の店主に聞く。
「ふむ、そうだな……確か、アルナイル商会の所の商人が、丁度今日の昼に出発する予定だったはずだ。お前さんたちは運がいいな。」
「そうか、感謝する。」
早速、その商人の所まで向かった。商人はきさくで、すぐに王都までの道を約束してくれた。
そして三日ほど商人の獣車に乗り、二人は王都まで辿り着く。
「それでは私の仕事はここまでですね!それにしても、異獣が襲って来た時は本当に助かりましたよ。」
「私たちも乗せてもらってるんだ。守るのは当然だろ。」
「そうですか……それでも、あの時はありがとうございました!」
「いや、此方こそ同行を許してくれて、ありがとな。」
そうして別れを終えた二人は王都の門をくぐった。
リメイクしたのに文字数少ないやーつ
そしてこれは誰がなんて言おうが異世界ファンタジーです。
え?転生とかしてないのに何で第三者視点からの説明口調なんだって?何でだろうね。




