40 帰り道、一休み
タイトル通りです☆
「なぁ、リア充爆発しろってどういう意味?」
次の日の帰り道。いつもの道になり、二人きりになると、優壱が訊ねてきた。
「あれ?私、そんなこと言ったっけ?」
「言ってたよ。」
嫉妬したり、自分に失望したりと心が忙しくて、いつの間にか昨日起きたことの半分を忘れていた。
それでも、よーく思い返せば、千津達を見てそう呟いた覚えがあった。記憶力には自信があるのに情けないな……。
「でもさ、何でそんなの聞いてたの?」
「聞こえたの。それにしても、爆発とか死ねとか物騒な言葉だよな。」
「うーん、そう言われてみれば。」
みんな日常的に言ってるからなのか、当たり前の用に使っていた。
「リア充タヒね」と言う子も居るくらいだから、気もとめていなかった。コレくらい当たり前なんだろう、と。
「何でそんなこと言うんだと思う?イマイチ理解できねーんだよな。」
「うーん、みんなが当たり前のように使ってるから、ついつかっちゃうんだよね。別に本当に死んでほしいなんて思ってないし。」
と、肩をすくめた私。けれど、優壱は急に真面目な顔になった。
「もう言わない方がいいと思うぜ。当たり前でもなんでも、言った後から言い直しはきかないんだから。例えケンカでも軽々しくいうもんじゃないだろ?」
「そ、そりゃあそうだけどさ。」
「……。」
「わ、わかったよ。もう言わない。例え当たり前のように使っていようと、ダメなものはダメだもんね。」
「うん。そうしな。それが本当に当たり前なのか、なんて確証はないんだから。」
そっか、それか!と、ふと脳内で納得した。
コレくらい当たり前なんだろう。時々、『それ』をおかしいと感じることがあった。
『当たり前』って何だろう。どこからどこまでが、当たり前なんだろう。
おかしいと感じていたことは『それ』なんだと気づいた。
「優壱って時々すごいこと言うよね。」
「そぉかぁ?」
「うん。へーぜんと言ってるあたりすごいと思う。あ、何も考えてないから?」
「おい!まぁ、当たってる……。」
「当たってるんかい!」
「はっはっはー。」
「リアクションまでそっくりなんだよな……。」
「誰が何に?」
うわ、聞こえてたか。地獄耳め!
「んーん。何でもなーい!じゃね!」
「明日も遅れるなよ!」
「ばぁか!明日は休みだよ!」
私は笑いながら玄関のドアを開けた。




