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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
夏休み~開始~
44/56

40 帰り道、一休み

タイトル通りです☆



「なぁ、リア充爆発しろってどういう意味?」


次の日の帰り道。いつもの道になり、二人きりになると、優壱が訊ねてきた。


「あれ?私、そんなこと言ったっけ?」


「言ってたよ。」


嫉妬したり、自分に失望したりと心が忙しくて、いつの間にか昨日起きたことの半分を忘れていた。

それでも、よーく思い返せば、千津達を見てそう呟いた覚えがあった。記憶力には自信があるのに情けないな……。


「でもさ、何でそんなの聞いてたの?」


「聞こえたの。それにしても、爆発とか死ねとか物騒な言葉だよな。」


「うーん、そう言われてみれば。」


みんな日常的に言ってるからなのか、当たり前の用に使っていた。

「リア充タヒね」と言う子も居るくらいだから、気もとめていなかった。コレくらい当たり前なんだろう、と。


「何でそんなこと言うんだと思う?イマイチ理解できねーんだよな。」


「うーん、みんなが当たり前のように使ってるから、ついつかっちゃうんだよね。別に本当に死んでほしいなんて思ってないし。」


と、肩をすくめた私。けれど、優壱は急に真面目な顔になった。


「もう言わない方がいいと思うぜ。当たり前でもなんでも、言った後から言い直しはきかないんだから。例えケンカでも軽々しくいうもんじゃないだろ?」


「そ、そりゃあそうだけどさ。」


「……。」


「わ、わかったよ。もう言わない。例え当たり前のように使っていようと、ダメなものはダメだもんね。」


「うん。そうしな。それが本当に当たり前なのか、なんて確証はないんだから。」



そっか、それか!と、ふと脳内で納得した。


コレくらい当たり前なんだろう。時々、『それ』をおかしいと感じることがあった。

『当たり前』って何だろう。どこからどこまでが、当たり前なんだろう。

おかしいと感じていたことは『それ』なんだと気づいた。


「優壱って時々すごいこと言うよね。」


「そぉかぁ?」


「うん。へーぜんと言ってるあたりすごいと思う。あ、何も考えてないから?」


「おい!まぁ、当たってる……。」


「当たってるんかい!」


「はっはっはー。」


「リアクションまでそっくりなんだよな……。」


「誰が何に?」


うわ、聞こえてたか。地獄耳め!


「んーん。何でもなーい!じゃね!」


「明日も遅れるなよ!」


「ばぁか!明日は休みだよ!」


私は笑いながら玄関のドアを開けた。




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