21 強制終了
『もっと、こっちこいよ。』
『こ、困るよ、止めて!』
『おい、イヤがってるだろ?止めろよ。優李、こっちこい。』
『ふ、2人とも止めてよ!』
私、取り合われちゃってます。ソファーにて、両手に男子です。
Q.どうしてソファーが部室にあるのでしょうか。
A.前の発表会で使った大道具を日常的に使えるように置いてあるから、でした。
『おい、おまえいい加減放せよ!』
『何言ってるんだ?放すのはお前の方だろ?』
始めの前者は圭一先輩、後者は優壱。二回目の前者は優壱、後者は圭一先輩です。さっきからコレの繰り返し……私が動かないのがいけないのでしょうか?
『おい(なぁ)!どっちがいいんだ!?』
『……私は、どちらとも付き合いしません!』
『なんだよ!好きな奴でもいるのか?』
『わ、私は……「付き合うなら、いつか結婚してくれる人じゃないといやです!」』
「優李ちゃん、キミ………?」
『……なら、結婚すればいいのか?』
『「へ?」』
『そんなに、言うのなら結婚してやる。絶対約束する。』
『優壱……。』
優壱、完全に役になりきっています。圭一先輩は私の本音に戸惑っているのに。
『オレがそれを叶えてやる。惚れた弱みだ。好きだよ。』
『私も……好きです。』
「はーい!盛り上がってるとこ悪いね〜♪いいもの見せてもらっちゃった♪」
「あ、梓先輩!?」×2
「早苗、ナイス配役!」
「でしょう?」
気がついたら、みんなの目線がこっちに……
「今日は楽しかったね〜♪着替える時間もあるから、琢磨!」
「これで今日の演劇部の活動を終わります。」
「はい!」
「ありがとうございました。」
「ありがとうございました!」
なんか、取り残された感じがしました。
残念だけど、時間切れ~。




