第五話 攻略!ダンジョンを突破せよ!5
アネットの決意
リーフェの里に戻った翌朝。
アルベイン道場では、朝早くから木剣の音が響いていた。
アネットは白い神官ローブの裾を軽くたくし上げ、木剣を両手で握っていた。
額に汗が浮かび、息が少し荒い。
クレスが自分の木剣を下ろし、驚いた顔で彼女を見た。
「アネット……今日は珍しいな。
神官なのに剣の修行か?」
アネットは木剣を胸の前に立て、静かにクレスを見つめた。
「……クレスくん。
私、決めたの。
神官戦士を目指します」
クレスが目を丸くした。
「神官戦士……?」
アネットは少し頰を赤らめながら、けれどはっきりと言った。
「今までは後ろでみんなを癒すだけだった。
でも……前回のオーガのときも、沼のときも、私はただ守られる側にいて、悔しかった。
クレスくんが一番前に出て、みんなを守っているのを見て……
私も、クレスくんと肩を並べて戦いたい。
癒しながら、守りながら、戦う神官になりたいんです」
クレスはしばらく無言でアネットを見つめていたが、
やがて穏やかな笑みを浮かべた。
「……わかった。
アネットの決意、ちゃんと受け取った。
俺は尊重するよ。
一緒に強くなろう」
アネットの目が輝いた。
「ありがとうございます……!」
その日の午後、二人は教会へ向かった。
アネットの父である村の司祭は、娘の決意を聞き、
少し驚きながらも優しく頷いた。
「神官戦士か……
お前がそう望むなら、止めはしない。
ただし、神の教えを忘れぬように」
教会の武器庫から、父が厳選した装備が渡された。
・メイス(シンプルで頑丈な片手用)
・バックラー(小型の円形盾)
アネットはメイスとバックラーを装備し、
白いローブの上に軽い胸当てを重ねた。
鏡の前に立ったアネットは、
少し照れくさそうに、けれど誇らしげに微笑んだ。
「……これで、私も神官戦士見習いです」
クレスが道場の外で待っていて、
アネットの新しい姿を見て、満足げに頷いた。
「似合ってるぞ、アネット。
これからは俺の隣で一緒に戦えるな」
アネットはメイスを軽く振り、
胸の聖印に手を当てて小さく祈った。
「神様……どうか、私に力を……」
その日の午後、風の召喚少年団はギルド支所で新しいクエストを受注した。
コボルト狩り(G級)※10体以上なのでG級相当
内容:里の西側に現れたはぐれコボルト10体の討伐
クレスが掲示板から依頼書を外し、皆に笑顔を見せた。
「よし、今日から本格的に再始動だ!
アネットの新装備もお披露目だな!」
カイルがファングとルビィを召喚しながら、
「僕も2体同時でしっかり援護するよ!」
エレナが風鈴を小さく鳴らし、
チェスターが弓を肩にかけ、
アネットがメイスとバックラーを構えた。
一行は西の森へと向かい、
10体のはぐれコボルトを求めて歩き始めた。
新しい神官戦士見習いを加えた風の召喚少年団は、
また一歩、強く前へ進んでいた。




