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彼女は廃ビルの屋上の上から忙しく動き回り、歩いている
人間の世界を見詰めている。
彼女は死神…… 名は冴子。
優秀?……
今まで狙った者は必ず、死へと誘【いざな】った。
その数は数え切れない。
だが、彼女は……
下から吹き上がってきたビル風を浴び、まだ幼さが残る顔の冴子は
「は、ハクション!……」
大きなくしゃみをし、鼻水を流した。
そう! 彼女は死神の中では優秀な部類に入るのだが……
少々、間が抜けていて、おっちょこちょいなのだ!
「さ、寒い……」
冴子はそう呟くと、廃ビルの屋上から一蹴りをし、躯を外へと
飛び出させるとその姿をまるで幽霊のようにその場から消し去った。




