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恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第2部  作者: トモサン


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99/106

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第2部 99

米倉正造の動きを封じるために、動いた…


 つまりは、私も、秋穂も、そのために、利用されたということだ…


 最大の関心は、正造の動き…


 正造が、水面下で、アレコレ、動いて、米倉の面倒を見る相手を探す…


 その動きを止めようとした…


 それが、最大の動機だったはずだ…


 と、いうことは、誰が、正造の動きを止めようと、考えるか?


 それが、正造の邪魔をした犯人を捜すことでもある…


 正造の動きを止める…


 水野と、提携した、米倉の次なる、援助者を探す動きでもある…


 そして、結局は、米倉は、五井の庇護下に入った…


 五井の傘下に入った…


 それゆえ、生き残ることができた…


 さらには、米倉の借金が、ちゃらになった…


 米倉の借金が、なくなった…


 米倉の経営する大日産業の子会社が、石油や、天然ガスなどのエネルギー資源を先物取引で、大量に買っていて、それが、今回の、ロシアとウクライナの戦争で、大幅に高騰…


 それゆえ、その儲けで、米倉の借金が、なくなった…


 借金=負債が、予想外の利益で、ちゃらになったということだ…


 が、


 正造が、五井の傘下に、米倉が入ると、決めたときには、その情報は、まだ伝わってなかった…


 つまり、米倉は、借金を抱えたままだった…


 が、


 五井の若き総帥である、諏訪野伸明は、それを承知で、米倉の五井入りを後押しした…


 おそらく、五井ならば、米倉の持つ借金など、たいしたことは、ないと、判断したのだろう…


 真逆に、それまで、米倉と提携していた水野は、本音では、米倉を切りたがっていた…


 社風が違うことも、もちろんだが、それより、なにより、米倉の持つ、負債=借金が、嫌だった…


 水野は、米倉の三倍は、大きい…


 だから、米倉の持つ借金が、明らかになっても、その借金の重みで。水野が、潰れることは、なかったが、それでも、米倉に騙されて、将来的に合併しようと、唆されて、騙されたのは、水野にとって、嫌な思いしかないだろう…


 水野の総帥である、米倉平造の盟友である、水野良平も、そうだし、実質的な水野本家の跡取り娘である、良平の妻の春子もまた、同じだった…


 水野と米倉が、提携することに反対だった…


 が、


 それを、認めたのは、ひとえに、息子の透(とおる)のため…


 米倉本家の血を継ぐ、米倉好子さんと、幼馴染(おさななじみ)の透(とおる)は、小さい頃から、好子さんに憧れていた…


 その透(とおる)が、どうしても、好子さんと結婚したいと、言った…


 透(とおる)は、父親の良平が、外で、作った子供…


 愛人の子供だった…


 それが、良平が春子との間に、子供が生まれないために、引き取った…


 それゆえ、透(とおる)は、他人の顔色を窺う人間に育った…


 生まれた場所とは、違う場所で、育ったゆえだった…


 が、


 父親の良平は、それが、不満だった…


 将来、水野財閥を率いる透(とおる)が、それでは、将来が不安だったからだ…


 が、


 好子さんとの結婚では、透(とおる)は、引かなかった…


 透(とおる)にとって、好子さんは、憧れ…


 幼い頃からの憧れだった…


 その好子さんの実家である米倉が、没落する姿を、見ていられなくなった…


 だから、好子さんと結婚して、米倉を救いたいと思った…


 結婚することで、米倉を救う資格ができると、思ったのだ…


 そして、その考えを強引に主張するものだから、良平は、二人の結婚を認めた…


 本当は、米倉を救うのは、嫌だったが、それまで、他人の顔色を窺うばかりの透(とおる)が、ここまで、強引に、結婚したいという姿が、嬉しかったからだ…


 だから、結婚を認めた…


 が、


本心では、嫌だった…


 米倉の借金が、多すぎたからだ…


 だから、今回、水野は、米倉と別れて、せいせいしたに違いない…


 そして、真逆に、透(とおる)は、好子さんとの離婚に反対だった…


 水野が、米倉と提携を解消することにも、反対だった…


 だから、透(とおる)と、両親は、対立した…


 だから、以前、


「…透(とおる)が、言うことを利かなくなって、困る…」


と、良平が、こぼしたが、それは、そういう理由だった…


が、


結局は、透(とおる)と、好子さんは、別れた…


二人は、離婚した…


そして、水野と米倉は、提携を解消した…


つまりは、すべて、透(とおる)の両親の思う通りになったということだ…


それゆえ、二人にとって、万々歳の結末になった…


そして、透(とおる)と、好子さんの離婚の引き金はというと、泥酔した透(とおる)と、あの秋穂が、腕を組んで、コンビニに入る姿をフライデーに撮られたこと…


これが、すべての発端だった…


アレを契機に、透(とおる)と、好子さんは、離婚して、水野と米倉は、提携を解消した…


ということは、どうだ?


もしや?


もしや、あの秋穂の背後にいたのは、水野夫妻?


透(とおる)と、好子さんを離婚させるために、あの秋穂を使った?


そうとも、考えられる…


誰が、犯人かは、結果的に、誰が、得をしたか?

 

 と、同じ…


 一番、得をした人間が、犯人…


 あるいは、犯人と、疑われる…


 当然のことだ…


 そして、そんなことを、考えていると、泥酔した透(とおる)が、あの秋穂と、腕を組んで、歩いて、コンビニに入る姿を、写真週刊誌に撮られた直後、私に、電話で、


 「…だから、あれほど、気をつけなさい…と、透(とおる)に、言ったのに…」


 と、好子さんは、愚痴をこぼした…


 それは、今、考えてみれば、すでに、透(とおる)と、好子さんの結婚を、破綻させようという勢力が、周囲にあり、透(とおる)と、好子さんは、それに、抵抗しようとしていた…


 抗おうとしていた…


 そういうことだろう…


 これは、たしか、以前も、そう言った…


 つまり、透(とおる)と、好子さんは、結婚は、したものの、周囲にさまざまな思惑が、うごめいて、とても、結婚生活を続けることが、困難な状況だったに違いない…


 が、


 それでも、二人は、すぐに離婚するのは、嫌だったのだろう…


 が、


 周囲の人間が、なにを、仕掛けてくるか、わからない…


 だから、透(とおる)が、あの秋穂と、泥酔した姿で、フライデーに取られたとき、


 「…あんなに、気をつけなさいと、普段から、言っているのに…」


 と、私に愚痴をこぼしたのだろう…


 私は、考えた…


 そして、そんなことを、ずっと考えると、色々なことが、わかって来た…


 金崎実業での私の立場も、だ…


 私は、あの人事部の松嶋に、リストラ宣告をされた…


 が、


 私を、リストラ宣告をした松嶋は、あくまで、個人の判断で、私に、リストラ宣告をしたと、言い張っている…


 その裏では、あの秋穂に、唆されて、私に、リストラ宣告をしろ、と、言われたことを、隠していた…


 そして、その秋穂も、誰かに、唆されて、松嶋に、私を、リストラしろと、命じられていた…


 が、


 問題は、そこではない…


 内山さんの態度だ…


 金崎実業の同僚の内山さんの態度だ…


 同僚の内山さんの父親は、金崎実業の社長…


 だから、金崎実業で、権力がある…


 当たり前だ…


 にもかかわらず、娘の内山さんは、私が、松嶋から、リストラ宣告されても、動いては、くれなかった…


 いや、


 たしか、動いて、くれようとしたが、リストラ宣告をされて、自暴自棄になっていた私が、


 「…もういいの…どうでも、いいの…」


 と、内山さんに、告げた…


 つまりは、内山さんの協力を拒んだ…


 が、


 問題は、そこではない…


 松嶋が、個人的に、私を、リストラさせようとしていたことが、バレて、金崎実業をクビになり、私は、復職した…


 復職して、金崎実業に、戻った…


 にもかかわらず、誰も、私を相手にしなかった…


 まるで、疫病神を見るように、誰も、私を相手にしなかった…


 それは、一度リストラされかけた人間が、戻ってきて、その人間と仲良くなる姿を、周囲の人間に、見られれば、今度は、自分が、リストラされるのでは?


 と、いう恐怖がある…


 だから、誰も、私に接しなかった…


 疫病神を見るように、接しなかった…


 それは、わかる…


 が、


 社長の娘である、内山さんまで、周囲の人たちと、同じ態度なのは、おかしい…


 たしかに、以前のように、私と仲良くすれば、周囲が、内山さんを、どう見るかは、わからない…


 だから、私と、仲良くしない…


 だから、私と一切、話さない…


 それは、わかる…


 が、


 普通に考えれば、それ以上のなにか、違う理由があっても、おかしくはない…


 そして、その理由は、おそらく、父親以上の権力の持ち主が、私に話しかけるな!


 と、命じたのでは、ないか?


 金崎実業の社長である、内山さんの父親を、超える権力者といえば、数が、限られる…


 そして、私の予想する範囲では、おそらく、それは、水野夫妻…


 金崎実業は、水野グループ…


 いかに、金崎実業の社長である、内山さんの父親も、数多ある、水野グループの子会社の社長の一人に過ぎない…


 だから、水野夫妻の顔色を窺うしかない…


 いや、


 夫妻とは、限らない…


 どちらか、一方、夫の良平か、妻の春子のどちらかの可能性の方が、高い…


 単純に会社関係で、言えば、水野グループの総帥だから、夫の良平だと、思うが、これは、わからない…


 妻の春子の可能性もある…


 夫の良平が、妻の春子に頭が上がらないのは、周知の事実に違いないからだ…


 そして、そのどちらかと、言えば…


 正直、妻の春子の可能性が高い…


 なぜなら、以前、私が、良平に待ち伏せられ、水野のお屋敷に連れて行かれたことがある…


 そのときに、良平が、私が、金崎実業をリストラされかけているのを、知って、


 「…高見さん…失礼ですが、どこか、水野グループの他の会社を紹介します…」


 と、言ってくれた…


 が、


 私は、さすがに、その申し出は、その場で断った…


 まさか、水野グループの子会社の一介の女子社員に過ぎない私の転職先を、親会社の総帥に、世話をして、もらうことなど、できないからだ…


 が、


 もしかしたら?


 もしかしたら、私のリストラに春子が関わっていたのだったら、その申し出の意味がわかる…


 妻の春子が、松嶋を使って、私をリストラしようと、した…


 それを、申し訳なく思って、水野グループの他の会社を、私に紹介しようとした…


 そういうことかも、しれない…


 良平は、妻の春子に頭が上がらない…


 妻の春子は、水野本家の出身…


 水野本家の跡取り娘だからだ…


 その本家の跡取り娘と、分家の良平が結婚して、本家を継いだ…


 だから、良平は、妻の春子に頭が上がらない…


 だから、そう、考えれば、納得できる…


 が、


 仮に、もし、そうだとする?


 その通りだとする…


 だったら、なぜ、春子は、私を金崎実業から、追い出そうとするのか?


 理由が、わからない…


 私を追い出して、春子が、得をすることなど、なにも、ないからだ…


 が、


 あのとき、なぜ、良平が、私に、

 

 「…高見さん…失礼ですが、どこか、水野グループの他の会社を紹介します…」


 と、言ってくれたのは、謎が残る…


 そして、その謎を、探るには、やはり、あの春子が、私を金崎実業から、追い出そうとしたと、考えるのが、一番、しっくりとした…


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