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恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第2部  作者: トモサン


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恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第2部 8

結局、その日は、外出した…


 いつまでも、家に閉じこもっているのは、性に合わない…


 ひとは、私の外見から、どちらかと言えば、おとなしく見えるから、いわゆるインドア派と、私を思うかも、しれないが、さにあらず…


 アウトドア派とまでは、言わないが、決して、家に閉じこもっているタイプではなかった…


 ただ、群れるタイプではない…


 これは、学生時代から、同じだった…


 群れる=誰かに、合わせる、だ…


 それが、嫌だったのかも、しれない…


 集団で、行動すれば、どうしても、他人に合わせなければ、ならない…


 私は、それが、苦手だった…


 学校や職場など、ひとが、集まるところでは、我慢できる…


 仕方が、ないからだ…


 が、


 プライベートで、他人と合わせるのは、御免だった…


 よほど、気の合う友人ならば、いい…


 が、


 そういう友人は、数えるほど…


 片手で、数えるほど、少ない…


 いわゆる、広く浅い友人関係とは、真逆の狭く深い友人関係…


 いや、


 深いとまでは、言えない…


 私は、そもそも、自分のプライベートに、他人が、関わるのは、嫌だった…


 もっと、言えば、一人遊びといえば、おかしいが、なにかを、一人で、するのが、好きだった…


 読書や、漫画を読むなど、その典型だろう…


 もっとも、だから、結婚できないんだとも、思った…


 一人遊びが、好き=他人と交わることが、嫌いだからだ…


 そんな他人と交わることが、嫌いな女が、積極的に、男と付き合おうとは、思わない…


 いや、


 これは、男も同じだろう…


 例え、イケメンに生まれても、同じ…


 積極的に女と、付き合いたいと思わないだろう(笑)…


 ただし、


 ただし、だ…


 イケメンが、周囲の女に、目もくれず、誰とも、付き合わないとなると、周囲の女が、


 「…あの男は、生意気…」


 とか、


 「…アイツは、アタシたちを下に見ている…」


 とか、


 騒ぎ出す(笑)…


 つまり、自分たちが、相手にされないのが、悔しいのだ…


 そして、これは、女も同じ…


 美人が、周囲の男に、目もくれなければ、やはり、同じように、


 「…あの女は…」


 と、なる…


 そして、ハッキリ言えば、その根底には、嫉妬がある…


 嫉妬ゆえに、自分たちが、相手にされないのが、許せないのだ…


 あるいは、コンプレックスがある…


 ルックスでは、イケメンや美人に釣り合わない…


 負けているのが、わかっているから、悔しいのだ…


 本当は、イケメンでも、美人でも、あまり他人に関心がなく、ただ、自分の好みの相手が、身近に、いないから、付き合わないだけといった場合も多いが、それが、許せない…


 そういうことだ…


 だから、美人も、イケメンも、ルックスのいいのは、諸刃の剣というか…


 なまじ、ルックスがいいから、ひとに妬まれる…


 私は、子供心に、そんなことに、気付いた…


 私は、美人に生まれたが、やはりというか、イケメンに憧れる…


 が、


 滅茶苦茶、憧れるわけではない…


 ルックスが、いいひとと、ルックスが、イマイチのひとと、どっちが、いいかと言えば、誰もが、ルックスのいい方が、いいに、決まっている…


 が、


 さっき例に挙げた、昔、知り合った女性のように、年がら年中、他人の悪口ばかり言っていては、誰もが、辟易するだろう…


 例えば、美人で、有名な女優の佐々木希さん、そっくりの美人でも、うんざりする…


 それは、当たり前だろう…


 ルックスに惹かれるのは、誰もが、同じ…


 だが、


 大抵は、最初だけ…


 いわゆる、第一印象…


 ファーストインプレッションに過ぎない…


 前にも、言ったが、それは、例えば、キレイな家に入るようなもの…


 いかにも、お金がかかった豪邸に入って見ても、中は、汚部屋(ごみ屋敷)とまでは、言わないが、外見からは、想像もできないほど、汚れている場合がある…


 それと、同じだ…


 そして、それは、イケメンでも、美人でも、付き合っている異性を見れば、わかる…


 いつも、付き合っている異性が、違うからだ…


 それは、イケメンだから、美人だから、モテるから、いつも、異性をとっかえひっかえしていると、思いがちだが、さにあらず…


 実は、いつも、異性から、振られている可能性もある…


 要するに、付き合ってみたら、中身に幻滅したわけだ…


 だから、いつも、付き合っている異性が、異なる…


 そういうことだ(笑)…


 むろん、ルックスがいいから、相手を選び放題で、異性をとっかえひっかえしている場合もある…


 が、


 そうでもない場合もあるということだ(笑)…


 そして、それは、歳を取れば、取るほど、わかってくる…


 学生時代、周囲のアイドルだった、イケメンの男性が、結婚、離婚と繰り返しているのを、風の噂で、聞いたことがある…


 要するに、その男は、女癖が、悪かった…


 最悪と言っていい(爆笑)…


 例え、結婚しても、次から次へと、違う女に手を出す…


 自分の夫が、イケメンで、周囲から、羨ましがられるのは、正直、嬉しい…


 そんなイケメンと結婚できたことで、自分のプライドが、満たされるからだ…


 例えば、男で言えば、女優の佐々木希さんと、同じ…


 「…あんな美人の奥さんと結婚できたんだ…」


 と、言われれば、誰もが、嬉しいものだ…


 そして、それは、トロフィーと、同じ…


 例えば、水泳でも、ボクシングでも、なにかの競技で、優勝したのと、同じ…


 美人=トロフィーだ…


 だから、昨今では、トロフィーワイフと、世間で、呼ばれている…


 女の場合も、これと、同じだろう…


 が、


 いかに、イケメンでも、結婚してからも、相変わらず、あっちの女、こっちの女と、年がら年中、他の女に手を出していれば、いい加減、うんざりするし、しまいには、ブチ切れる…


 当たり前だ(爆笑)…


 そして、そんな経験を積むことで、そのイケメンと、結婚後、離婚した女は、


 「…どんなに、イケメンでも、アレは、ダメ…ダメな男だ…」


 と、わかるし、それを聞いた、そのイケメンと面識のある周囲の女も、若い時は、わからなくても、歳を取れば、取るほど、わかってくる…


 いわば、実感するというか…


 それが、歳を取るということなのだろう…


 私は、思った…


 考えた…


 そして、そんなことを、漠然と考えながら、街を歩いていた…


 外出したと言っても、別段、当てはない…


 気晴らしに、近所のスーパーにでも行くだけだ…


 何度も言うように、私は、休職中だ…


 12年間、勤務した会社を休職中だ…


 12年間、働いたから、それなりに、貯金はある…


 が、


 私は、そのお金を気晴らしや、憂さ晴らしに使うような人間ではない…


 たしかに、会社に一方的に、リストラ宣告をされ、結局は、休職に落ち着いたが、無茶苦茶なことを、されたという思いから、爆買いをしたり、あるいは、ホストに狂ったりとか、する女は、いるが、私は、そんな女ではないと、言いたいのだ(爆笑)…


 私は、平凡…


 実に、平凡だった…


 生まれも、平凡…


 育ちも、平凡…


 頭の中身も平凡…


ただ、自分で、言うのも、恥ずかしいが、少しばかり、他人様よりも、ルックスが、いい…


 それだけだった(笑)…


 が、


 それを、よりどころに、して、これまで、生きてきたわけではない…


 世の中には、自分が、金持ちや美人であることを、鼻にかけて、生きている人間が、男女を問わず、いるが、私は、そんな人間ではない…


 いや、


 そんな人間ではないと、自分自身は、思っている…


 が、


 周囲が、私をどう思っているか、わからない…


 現に、私に、休職を告げた、あの金崎実業の人事の松嶋などは、


 「…相手を選び過ぎているんだよ…いい加減、妥協したら…」


 と、いかにも、私が、美人であることを、鼻にかけて、これまで生きてきたかのように、言った…


 だから、わからない…


 私自身は、自分が、他人様よりも、たった一つ、優れていること…


 私が、美人に生まれたことを、おおげさに、言えば、自分の武器=長所だと、思っているが、それを、ことさら自慢している気持ちは、さらさらない…


 が、


 あの松嶋は、そうは、思わなかったに違いない…


 そして、あの松嶋と同じような意見の者も少なからず、いるに違いない…


 だから、自己評価と、他己評価というか…


 自分が、自分をどう思っているのか? と、他人が、自分を、どう思っているのは、おおげさに、言えば、別物…


 まるっきり、別物だ…


 だから、もしかしたら、私もまた、あの、学生時代に、バイトをしたときに、出会った、異常に、自己評価の高い女性と、同じかも、しれない…


 ふと、思った…


 あの、まったくの平凡な女にも、かかわらず、自己評価が、異常に高い、女…


 彼女と、同じかもしれない…


 ふと、気付いた…


 まさか…


 そんなことが…


 私が、彼女と、同じなんて?…


 そんなバカな!…


 あるはずがない!…


 でも…


 もしや?…


 私が、そんなことを、考えていると、


 「…高見さん?…」


 と、声をかけられた…


 私は、驚いた…


 文字通り、仰天した…


 街を歩いている最中に、いきなり、誰かから、声をかけられることなど、滅多にないからだ…


 反射的に、


 「…ハイ…」


 と、答えながらも、声のする方向を、急いで、振り返った…


 と、


 そこには、私の父と同じぐらいの年齢の長身の男性が、立っていた…


 私は、一瞬、その男性が、誰だか、わからなかった…


 が、


 見覚えがあった…


 たしかに、あった…


 一体、誰だったのだろ?


 必死になって、考えた…


 考え続けた…


 が、


 すぐには、思い出せなかった…


 しかし、思い出す必要も、なかった…


 その長身の男性が、自分から、自分が、何者か、名乗ったからだ…


 「…高見さん…お久しぶりです…」


 長身の男性が、丁寧に、私に頭を下げて、言った…


 が、


 それでも、すぐには、その男性が、誰だか、わからなかった…


 そんな、私の心の内が、表情に出たのだろう…


 「…高見さん…お忘れですか? …水野です…」


 と、長身の男性が、名乗った…


 「…水野さん?…」


 思い出した…


 水野良平…


 米倉・水野グループ、総帥の水野良平…


 あの米倉正造が、守り続けた、血の繋がらない妹の、米倉好子…


 私と姉妹同様に似ている、米倉好子…


 その好子と結婚した水野透(とおる)の実父…


 水野良平、そのひとだった…


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