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恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第2部  作者: トモサン


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33/106

恋かもしれない…恋愛偏差値ゼロ 第2部 33

あの澄子さんが、私を憎んでいる?


 やはりというか…


 どうしても、そのことが、気になった…


 そして、どうして、そうなったのか?


 あらためて、考えた…


 あの澄子さんは、いつも好子さんをイジメていた…


 好子さんを嫌いだったからだ…


 が、


 さっきも透(とおる)が言ったように、それは、好子さんの実弟の正造が、好子さんを、好きだったことも、大きいだろう…


 自分が、嫌いな人間には、誰もが、その人間を嫌ってもらいたい…


 それが、誰もが持つ、自然な感情だからだ…


 だから、余計に、澄子さんは、好子さんを嫌った…


 それが、答えだろう…


 そして、それを、考えると、すっかり、忘れていたが、あの澄子さんの夫…


 たしか、直一さん?は、あの好子さんに、イジメられていた…


 あの米倉の家に、入り婿に入った、澄子さんの夫の直一さんは、好子さんに、イジメられていた…


 つまりは、澄子さんに、イジメられた仕返しに、好子さんは、澄子さんの夫の直一さんを、イジメていたわけだ…


 が、


 直一さんは、一度たりとも、文句を言わなかった…


 これは、一体、どうしてだろう?


 あのときは、あまり深く考えなかったが、謎がある…


 が、


 それは、やはりというか…


 考えられる理由は、ただひとつ…


 あの平造が、好子さんを溺愛していたからだろう…


 当たり前だが、あの直一氏は、米倉=大日産業の次期社長を狙っていた…


 それが、現社長である、義父の平造が、気に入っている好子さんを、イジメれば、次期社長の座が、遠のくに、決まっているからだ…


 だから、好子さんが、直一氏に、辛くあたっても、直一氏は、なにも、しなかった…


 反撃しなかった…


 あの直一氏は、誰よりも、自分の立場が、わかっていた…


 あの澄子さんと結婚したからこそ、今の自分がある…


 大日産業取締役の自分があることを、悟っていた…


 だから、当然、好子さんに、不満があるに、決まっているが、好子さんに、なにも、しなかった…


 また、あの直一氏は、澄子さんと、真逆のタイプの人間だった…


 メガネをかけた色白の長身で、見るからに神経質な印象…


 別の言葉で、言えば、図書館で、静かに、本を読んでいるのが、合っている印象だった…


 だが、だからこそ、あの二人は、夫婦でいられたんだと、思った…


 互いに、同じ性格の男女だと、最初は、いいが、いずれ、ぶつかりあうことが、多い…


 性格が、同じだからだ…


 わかりやすい例で言うと、男女ともに、イケイケなら、なにが、あれば、互いに一歩も引かない…


 だから、一度、ケンカになると、もうダメ…


 収集が、つかなくなる(笑)…


 が、


 これが、一方は、イケイケでも、もう一方が、おとなしければ、丸く納まるというか…


 一方が、自己主張が激しくても、もう一方が、それに従えば、ケンカにならないからだ…


 だから、あの澄子さんと直一氏の夫婦は、ある意味、理想のカップルとも、言えた…


 二人とも、自己主張が、強すぎれば、うまくいかない…


 真逆に、二人とも、おとなしすぎては、この厳しい世間の荒波を超えて、生きてゆくのは、困難だといえば、言い過ぎだが、難しい…


 そういうことだ(笑)…


 そして、そこまで、考えたときに、もしかして?


 と、気付いた…


 もしかして、今回の澄子さんの行動の陰には、あの直一氏が、いるのかも?


 と、ふと、思った…


 なぜなら、あの澄子さんは、米倉の一族だが、会社の経営には、一切携わっていない…


 一切、ノータッチだ…


 だから、例えば、今回、いかに、澄子さんが暗躍しても、表舞台に立つことは、できない…


 表舞台、すなわち、会社の社長とか、取締役になることは、できない…


 透(とおる)のように、水野・米倉グループを代表して、表舞台に立つことが、できない…


 そういうことだ…


 せいぜいが、株を支配すること…


 株を持つことで、米倉を、大日産業を支配することができる…


 また、その配当で、自分の懐も潤う…


 そういうことだ…


 私は、思った…


 だとすれば、案外、あの澄子さんの陰には、夫の直一氏がいても、おかしくはない…


 ふと、気付いた…


 自分は、陰で、暗躍して、その結果、自分の夫の直一氏を、表舞台に立たせる…


 そういうことだ…


 が、


 果たして、そうだろうか?


 そうとも、言い切れない気がする…


 あの直一氏は、ハッキリ言って、陰謀が、似合わない気がした…


 陰謀というか…


 暗躍と言うか…


 要するに、陰でコソコソすることが、合わない気がする…


 正攻法と奇策という言葉があるが、正攻法は、堂々と正面から、闘うこと…


 真逆に、奇策は、陰で、コソコソするというと、おかしいかも、しれないが、堂々と、正面切って、闘わないことと、言えば、いいかもしれない…


 そして、あの直一氏には、奇策が合わない気がした…


 会社で、言えば、周囲が納得する実績を残して、昇進する…


 そういう人間だと、思う…


 そして、そういう人間は、信頼できた…


 変な話、陰で、コソコソ暗躍して、例えば、上司にうまく取り入って、出世したりする…


 本人は、うまくやっていると、思うかも、しれないが、周囲の人間は、皆、気付いているものだ…


 そして、誰もが、その人間を、そういう人間だと、評価する…


 ハッキリ言えば、信用できない人間だと、評価する…


 なぜなら、正々堂々と、仕事の実績で、勝負することが、できない人間だと、思うからだ…


 これは、例えば、ウソつきな人間を、思い浮かべれば、いいのかも、しれない…


 最初、ウソつきな人間と接していても、その人間が、ウソつきだとは、思わない…


 が、


 その人間と接しているうちに、前回、聞いた話と、今回、聞いた話が、違うことに、気付く…


 言っている当人は、前回、どう言ったか、忘れているが、聞いている方は、覚えているからだ(笑)…


 だから、ウソつきな人間は、いずれ、周囲の誰からも、


 …アイツは、ウソつきだ!…


 …信用できない!…


 という、レッテルを張られる…


 レッテル=評価を受ける…


 それと、似ている…


 つまりは、本人は、自分が、ウソをついていると、周囲の人間は、気付いていないと思っていても、周囲の人間は、皆、気付いているということだ…


 私も、学生時代のバイトや、金崎実業に、入社したときに、稀にだが、そういう人間に会ったことがある…


 最初は、驚いた…


 言っていることが、前回、聞いた話と違うからだ…


 そして、私は、


 「…あの人は、信用できない…」


 と、悟った…


 そして、次に、周囲の人間は、その事実に気付いているのだろうか?


 と、考えた…


 すると、どうだ?


 例えば、若い高校生などは、わからない人間がいたが、ある程度の年齢の大人は、皆、わかっていることに、気付いた…


 つまり、そういうことだ(笑)…


 だから、ウソは、つけないとも、思った…


 自分が、うまく、生きていると、思うのは、自分だけ…


 周囲の者は、皆、気付いているものだ(爆笑)…


 そして、私は、ウソをつかないことを、心掛けた…


 いわば、ウソつきな人間は、私の半面教師だった…


 ウソをつけば、他人から、信用されないと、周囲に、思われると、気付いたからだ…


 当たり前のことだが、自分は、それでも、うまくやっていると、思う人間は、案外多いものだ…


 先日、日本の某大物の映画監督が、やはり、大物の画家兼イラストレーターのアイデアを、盗んだと、訴えられた…


 二人は、ある蕎麦屋で、知り合い、仲良くなった…


 そして、大物の画家兼イラストレーターが、ふと、漏らしたアイデアを、本人に、内緒で、某大物監督が、映画化した…


 そして、それを知った大物画家兼イラストレーターが、烈火の如く、怒った…


 アイデアの盗用(剽窃)だからだ…


 それを、読んだ、私は、思ったものだ…


 …ならば、その大物の映画監督は、これまでの映画監督としてのキャリアで、似たような、アイデアの盗用をしていないか、どうか?…


 と、考えたものだ…


 要するに、他人のアイデアを自分のアイデアのようにして、世間に、発表する…


 そういう人間は、世間にありふれている…


 が、


 その映画監督は、日本を代表する大物映画監督だ…


 燦燦(さんさん)たる経歴がある…


 が、


 もしかしたら、その燦燦(さんさん)たる経歴の中にも、他人のアイデアを盗用してきたことが、幾度となくあるのではないか?


 私は、思った…


 そして、おそらく、真実は、その大物の映画監督が、亡くなってから、わかるだろう…


 生きているときは、誰もが、遠慮して、言えなかったことが、言えるように、なるからだ…


 私は、考えた…


 つまり、話が、長くなったが、要するに、他人から、後ろ指を指されるようなことは、するな!…


 と、言いたいだけだ…


 すべからく、本人は、うまくやっているつもりでも、周囲の人間は、皆、気付いているものだ…


 だから、堂々と、会社であれば、仕事の実績で、勝負すれば、いい…


 その方が、周囲から信頼を得られる…


 そういいたいだけだ…


 そして、あの澄子さんの夫の直一氏は、それがわかっているのではないか?


 そう思った…


 だから、私の思い込みかも、しれないが、仮に、あの澄子さんが、なにかの目的で、陰で、コソコソ動いていても、あの直一氏は、関係ないのではないか?


 いや、


 結果的に、あの直一氏が、日の目を見ることになるようなことが起きても、それは、あの澄子さんが、勝手にやっていることではないのか?


 私は、思った…


 そして、それは、まもなく、わかることになった…


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