エピローグ
温かな微睡みに身を委ねる。
何度も転生を繰り返した彼女は、
俺が血と精気を吸う為に、
いつも短命だった。
加減しても、渇きを我慢しても、
それが運命だとでも言うように、
いつも俺を置いて逝く。
『何度生まれ変わっても貴方に出会う』
そう言って微笑む彼女の亡骸を、
何度棺に収めただろうか。
見送ることに疲れ果て、
もう転生などしなくていいと何度言葉にしようとしただろう。
それでも会いたくて、触れたくて。
そうした果てに出会った、今世のお前。
俺のナスティディア――。
血を吸っても、闇を見せても、
気丈に笑うお前の微笑みが、
輝く生命力が、
眩しくてたまらない。
愛しくて、恋しくて。
すべてを貪ってしまう俺を受け入れる、
可愛いナスティディア。
まさかこの俺を、
そちら側へ引きずり込むとは思いもしなかった。
永遠に夜を生きるはずだった。
影を渡って生きるはずだった。
あっさりと俺を陽光の下に引っ張り出したお前と、
これからも生きていく。
隣で微睡むお前の頬に触れ、
首筋に指を沿わせる。
あぁ、また噛んでしまった。
牙の跡ではなく歯型をつけてしまう俺に、
愛の証のようで嬉しいと。
お前は俺に甘すぎる。
ナスティディア。
俺の永遠の伴侶よ。
いつまでも側に。
死が二人を分かつことなど、
絶対に許さん。
次はきっと、お前とともに俺も生まれ変わろう。
そうして、また、出会って恋に落ちよう。
愛している――。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




