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ゼノマギア  作者: ささみ
第2章 なぜ彼は魔法少女であれるのか
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第34話 起死回生

 刀と剣がぶつかり合い火花が散る。

 何度も打ち合っているが未だ有効打はない。


「げほっ」

「ふふ、よく粘ってるけどあなたはもうあの一撃で満身創痍、その状態で勝てると思ってるの?」


 咳とともに血が吐きだされる。

 変身したことで多少はマシになっているとはいえ、右のわき腹が抉られた今の俺の体は満身創痍、時間をかければ不利になるのはこっちだ。


「ほらほら、どうしたの?どんどん動きが鈍くなってるわよ」

「けほ、気のせいじゃねぇの?」


 だが、グミ撃ちをしたところでまともに当たるような相手ではない。

 物量によるごり押しは通用しないだろう。

 となると一撃で相手を倒せる必殺技を当てるしかない。

 つまり何とか必殺技を当てる隙を作り出す!


「せりゃ!」

「っ!でも無駄よ!」


 剣による攻撃を刀で受けるふりをしてバリアでガードし、飛行魔法で体を90度回転させて刀による斬撃を当てようとする。

 だが、バリアによって阻まれて攻撃は届かなかった。

 こいつ、案外反応がいい……

 本格的に隙が見つからなくなってきたぞ……


「ふふ、もう手づまりなんじゃないの?もうあきらめて素直に殺されたらどうかしら」

「馬鹿言え、これ以上手立てがないのはお前もだろうが」

「そうかもしれないけど、あなたは徐々に衰弱してるのだから問題ないわ」


 まぁ、どれはそうなんだよな……

 今この間も俺の出血は続いているし、何なら意識もすでに少し朦朧としてきている。

 どうする、どうすれば隙を作れる?

 ……そうだ、2回隙を作ればいいんじゃないか?


「けほ、けほ」

「あらあら、もうおわりかしら?」


 俺はアクセラができる限り油断するように、大げさに吐血をする。

 するとアクセラは余裕の笑みを浮かべながら、俺にとどめを刺すために大きく剣を振りかぶる。

 やるならここしかない!


「ごふっ!」

「ちょ!?」


 俺はアクセラの顔に向かって血を吹きかける。

 当然アクセラはそれをバリアで防ぐが、それで問題ない。

 バリアに血が付くことにより、俺とアクセラの間に血のカーテンが生まれた。

 そのおかげでアクセラからは俺の姿が見えていない。

 勿論それは必殺技を使えるほど大きな隙じゃない、けれど次のより大きな隙を生み出すための、小さな隙にはなる!


「こんなことして何の意味が……」

「そこだ!」

「なっ!?」


 アクセラがバリアを解除するその瞬間、俺の体が強く発光する。

 俺の姿が見えていればすぐにその対応ができただろうが、俺の血によって隠されていたせいで反応が一瞬だけ遅れた。

 そしてその一瞬が致命的になる。


「ぐあぁ!?め、目が!?」

「今だ!」


 俺は必殺技のディスクを入れ、刀を強く握る。

 すると刀が炎を纏う。


「俺の必殺技パート2!」

「がぁぁぁぁぁぁ!!!!????」


 炎を纏った刀による横薙ぎ、それによってアクセラの体に大きな傷を与え、飛び散るはずの血はほとんどが蒸発する。


「この、クソガキがぁぁぁぁ!!!!」

「まじか、まだやる気か?」


 必殺技を食らったのにもかかわらず、ふらふらとではあるがアクセラが立ち上がる。

 それは何か執念のようなものを感じる立ち姿だった。


「今回は引くが、次こそはお前の腹を引き裂いて内臓をぶちまけてやるからな!」

「っ!待っ、げほ……!?」


 アクセラが謎の穴を生成し、その中へ逃げていく。

 俺はそれを追おうとしたがそのタイミングで体が光だし、元の姿へと戻ってしまった。

 それにより魔法少女の時は何とか動かせていた体が動かせなくなり、そのまま俺の体は倒れ伏す。


「ぐ、逃げられ、ごほっ……」


 駄目だ……意識が薄れていく……、せめてその前に救援を……

 俺は最後の力を振り絞り、千里へ電話した。

 千里なら場所を伝えなくてもここまで来て俺を病院まで運んでくれるだろう。


「もしもし、宇佐戯君?」


 その言葉がスマホから聞こえたところで、俺の意識は消えた。


 *  *  *


「……病院か」

「目を覚ましたのね!」


 俺が目を覚ますと目の前には見知らぬ天井があり、横を向くと千里が座っていた。


「どれぐらい眠ってた?」

「そうね……、手術が終わってから大体2時間ぐらいだから多分寝てたのは4時間ぐらいだと思うわ」

「……あれ、思ってたよりだいぶ早いな」


 こういう時って1か月ぐらい眠ったままになるイメージだったんだけど。

 委員長だって右胸を貫通したとき1か月眠りっぱなしだったし。


「なんでも思いっきり横腹が抉られてるのに、なぜか内臓は無傷だったそうよ」

「え?あれで内蔵無傷だったの?」


 俺思いっきり吐血しまくってたはずなんだけど。

 吐血って内臓が無事でもするもんなの?


「順調に回復するなら全治3か月ぐらいらしいわ」

「なんか思ったより軽症で驚いてるんだけど」

「いや、いくら内臓は無事とはいえ横腹を抉られて軽傷はないでしょ」


 いやだって、俺は内臓も駄目になって全治2年ですとかになると思ってたからさ……

 確かに全治3か月は長いけど対比しちゃうとね……


「まぁ、案外大丈夫そうで安心したわ、あとで思愛ちゃん達にもこのことを伝えないとね」

「あれ?そういえば確かに思愛と彩夏がいないな、どこにいるんだ?」

「今はあなたが負傷している時を狙って魔物が来ないかを外で警戒しているわ」

「あぁ、なるほどな」


 あれだけのダメージを負わせたから、治療系の魔法を使える魔法少女でもいない限りしばらくは来れないだろうが、魔物なら来る可能性はあるし必要だな。


「それより私は聞きたいことがあるんだけどまだ喋れそうかしら?」

「あ~、思ったより痛くないし大丈夫だけど何の話だ?」


 若干感覚がマヒしている気がしないでもないが、話すぐらいなら問題ないと思うため何が聞きたいのかを聞いた。


「なんでこんな状態になったの?襲われたんだろうとは思うけれど実際何が起きたのかを知りたいの」

「あぁ、それはだな……」


 俺はアクセラと戦ったことを簡単に話した。

 すると千里はなんだか呆れたような表情をしている。


「マナゼリーを飲む隙を作るためにわざと攻撃に当たるって……、しかもそのまま戦闘までしたんでしょ?よくそんな無茶ができるわね?」

「あ~、まぁ、魔法少女としての覚悟はできてるからな」

「魔法少女ってそんな無茶をしなきゃいけないの?私にはできそうにないわね」

「ん~、案外向いてると思うけどね千里さん」

「……それは褒めてるのよね?」


 思愛が失踪していたときのことを思い出し、あの時の千里の行動力を考えると割と向いてるんじゃないかと思いそう言ったのだが、なんというか微妙な表情になってしまった。


「さて、そろそろ私は帰るわね、宇佐戯君は安静にしてなさいよ、魔法少女に変身するとか言語道断だからね?」

「流石にしねぇよ?」


 千里が俺にお小言を言いつつ病室から出ていった。

 緊急時でもない限り変身する気は俺にはねぇよ。

今回の必殺技紹介


必殺技名

炎魔一閃

攻撃力B

スピードC

使いやすさD

射程距離D

汎用性D

概要

刀に火を宿した斬撃の必殺技で、ファイアボール、刀生成、飛行の3つの魔法を混合して作られている。

飛行は一見使われていないようにも見えるが、横薙ぎをする際にさらに速くするために、腕に飛行による加速を与えている。

どう考えても明らかに殺傷能力が高く、魔物相手にしかまず使えない必殺技、アクセラに使ったのは貧血であまり頭が回っていないのと、このぐらいで死ぬような奴じゃないと思ったため。


小話

内臓が無傷なのはマナのほとんどを無意識に治療に回していたため、刀の生成をしてから少しの飛行と発光しかしてないのに変身解除が早かったのはこのせい。


宇佐戯が生存したのでポイント乞食します。ポイントください。

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