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第57話 今度こそ最後の封印…ですよね?

あの後。

茜がアルテミリスに詰め寄り、付与を外せと抗議したが却下された。


「大切な茜を心配しているのです…ううっ、私はあなたの母として見守りたいのです。ぐす……だめ、ですか?」


絶対に誰かが仕込んだであろう。

まさかの泣き落としに茜は轟沈。


一応条件付きで認めた。


「必ず茜に最初に確認する」ということで。


俺は。

何か大切なものを失ったような気でいたが、まあ。

善意でやったことだと納得しようとしたのだが…


先ほどの公開が実はすでに10回目だとわかり、茫然自失状態に。


なぜか戻ってきたアグアニードにサムズアップされて「あー、いいんじゃないかなー、うん」と優しく肩をたたかれ。


アースノートは「至高の童貞!はあはあはあはあはあ♡」と悶え、鼻から出血。

エリスラーナは「ん。わたしがもらう。ノアーナ様私も未経験」なぜかどや顔。


ダラスリニアは「…‥きれいなノアーナ様♡…もう…すき」大暴走。


収拾のつかない中、どんどん瞳の色をなくしていく俺。


ニヤニヤ顔のモンスレアナと母性全開で優しい眼差しのアルテミリス。

茜が「これ以上光喜さんをいじめるなら家出してやる」と荒ぶり。


そして一周回ってさらに混乱する俺。

腕を組みうろうろと歩き出しぶつぶつとつぶやきだす。


「気を取り直して全員で転移するんだ、調査を、封印を…」

「気を取り直して皆で…」


(気を取り直して……はああああ…)


膝から崩れ、俺は床を見つめた。


うん。

――もう忘れよう。


切り替えるんだ……


がんばるんだノアーナ!

童貞だっていいじゃないか。



※※※※※



ふと俺は動きを止め。

改めて過去数十万年に想いを馳せる。


――でも待てよ?

俺はもう数十万年生きているんだぞ。


ふっ、まさかそんなバカなこと…


いやいやいやいや。

ないないないない。


だってそれこそ。

数千億の人々の営みをずっと見てきたし、何ならやり方熟知してるし?

扱いなんてお手の物だし?


………!?


…えっ!

…あれ?


……ない…かも…


うああああああ、ない。

ないぞ!?


…経験したことないっ!!?


そもそも――前まではそんな欲すらなかったような……


「――くっ、こ、これが『飛び込むことで誰かが傷つく』という事か!!」


血を吐くように。

呪詛を吐くように。


だがっ!


「負けるわけにはいかない!俺は決めたはずだ!必ず経験してやる。経験するぞ!ああそうだ、そうすれば!よし、茜!っ!!?…」


ぱあんっ!!


いきなり頭をシバかれた。

茜に。


「何言いだすんですか!馬鹿なの?!…はー…モンスレアナさん!」

「っ!ハイっ!!」


流石に煽り過ぎたかと反省し、おかしくなる一方のノアーナの様子にちょっとおろおろし始めていたモンスレアナ。

いきなり茜に名前を呼ばれてビクッとしてしまう。


「安定!もうこんなおかしな光喜さん、見ていたくないよ。責任取って!」



※※※※※



絶対的な創造主様の混乱。

どうやら全員がおかしくなっていたようだ。


安定の権能――

全員が驚いたような表情をし、ようやく落ち着いた。


きっと以前のノアーナなら。

こんな事態になる前に指示を出していて、騒動自体起こらなかった。



「……オーブだ」


ノアーナのつぶやき。

皆の背に嫌な汗が流れる。


「全員準備しろ。嫌な予感がする」



※※※※※



落ちているオーブの前で、皆が神妙な表情で立ち尽くしてしまう。

俺とダラスリニア以外の全員が、全く魔力を感じ取れないくらいに微弱すぎるからだ。


「ノアーナ様。何も感じません。本当にこれが先ほどの原因ですか」

「…‥違う…感じる…精神毒の針?…危険」


俺はおもむろに小さな魔力の塊を作り、オーブへぶつけた。


ごく一部を吸収。

殆どを弾いたオーブは一瞬発光し、すぐに消える。


だが…


「!」「!」「!」

「!」「!」


ほぼ同時に全員が感知したようだ。

茜以外。


「えっ?分からないよ?…なんで?…私だけ…」

「茜、今俺がやったことできるか?魔力の発現。そのままやってみてくれ」

「!うん……それっ」


茜の作りだした魔力球。

吸収されようとする漆黒を邪魔する様に、琥珀色が弾く。


オーブに当たるとすべて霧散した。


「今度は意識して、俺の色でやってみてくれ」

「!?…わかんないよ?どういう事?」


「ちゃんと後で説明するから。頼む」

「う、うん……やっ!」


次は激しく吸収され、見ているだけで暗い気持ちを増幅する様な暗い色を放ち始めた。


やがて見たことのない魔力を放ちながらオーブは安定。

オーブの変化に、全員に緊張が走る。



ざわり。


俺の背に、かつてない悪寒が走り抜けた。


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