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第48話 転生者茜の大冒険with魔王さま3

光喜お兄ちゃん。

いや『ノル』


わたしは一緒にケモノ道を歩きながら、薬草を摘んだりしながら今までのことを振り返ってみた。


わたしがこの世界に転生してからもう3年が過ぎた。


(…早いなあ。)


最初はパパが恋しくて。

結構泣いたりしちゃったけど…


光喜お兄ちゃんも、アルテおねえちゃんもスッゴく優しくて。

気が付いたら毎日が本当に楽しくって。


アグお兄ちゃんはいろいろ強くなること教えてくれるし。

アースお姉ちゃんはかわいいリボンを作ってくたんだ。

とっても奇麗でうれしかった。


エリスちゃんはわたしより小さい女の子なのに、光喜お兄ちゃんの次に強いって聞いてびっくりしちゃった。

「えっへん!」って胸を張ってとっても可愛い女の子で大好きなんだ。


ダニーおねえちゃんは、おっぱいが大きくなる訓練を教えてくれたの。

だってすっごい大きいんだもん。

ダニーおねえちゃんのおっぱい。


きっと男の人は大きいのが好きなのかなって、光喜お兄ちゃんに聞いたら変な顔されたっけ。


でも頑張って訓練してたら光喜お兄ちゃんが、


「慌てなくても大丈夫だよ。それに今でもかわいいよ」


って言ってくれた。



すごくドキドキした。



いつも抱いているぬいぐるみは光喜お兄ちゃんにもらったって言っていて。

ちょっと羨ましいけど…ダニーおねえちゃんも優しいからすごく好きなんだ。


レアナおねえちゃんは光喜お兄ちゃんの彼女さんじゃなかったみたい。


だけどレアナおねえちゃんは光喜お兄ちゃんのことスッゴく好きなの。

わかっちゃう。


でも「わたくしでは釣り合えませんのよ。ノアーナ様は至高のお方ですから」って、少し寂しそうにしてた。


だから光喜お兄ちゃんに、もっと優しくしてあげてって言ったんだ。


――ちょっとモヤモヤしたけど。


だって…


光喜お兄ちゃんの私を見る目は、きっと妹を見る目だから…




でも本当に楽しい。

あの時光喜お兄ちゃんに会えて本当に良かった。


前の人生の時は――

ずっと病院にいたから。


私は知らない事ばかりでみんなに迷惑をかけてしまうけど、絶対に恩返しがしたいと思う。


だから絶対に。



頑張るって決めたんだ。


わたしは――ううん。

私は前を向いたんだ。



※※※※※



今回の旅は封印の為だが、もう一つ目的がある。

茜の変化についてアルテミリスが心配し、頼まれていた。


旅を提案された後。

アルテミリスが一人で俺の隠れ家に来てこんなことを切り出した。


「…茜は3年で様々な成長を遂げました。存在値が大きくなり、強さも増しています。ですがそれに比例して成長するはずの真核、ノアーナ様と同じ色の真核がおかしいのです。まるで吸収した分を、そのままどこかへ吸収されているように感じます」


実は俺も感じていた。

だが影響が見当たらず様子を見ていた。


「それに伴い、心の成長が止まっているように見えます。彼女は以前17歳と聞いています。でも今の茜は10歳くらいの少女のようです。――まるで成長することを恐れているように見えます」


アルテミリスがため息をつく。


最近の彼女は以前より表情が出るようになった。

彼女の言うことに思い当たる俺は静かにうなずいた。


「一度彼女の思考をよみました。ノアーナ様に対する恋慕の情が育ちつつありますが、意識的に抑えています。他の皆に遠慮しているようです」


俺は目を見開いてしまう。


俺に?恋慕…!?

家族に向けるようなものではなく?


「彼女はかつて空っぽでした。そしてここで優しさをたくさん貰い、同時に恐れています」


「どういう…」

「茜はあなた様の妹君ではございません。一人の女性です」


「っ!!!」


「ノアーナ様がいずれ出会う運命のヒトを探しておられることを承知で不敬な発言をいたします。どうか一人の女性として対応し、彼女に失恋の痛みをお与えください」


「なっ…?!」


俺は動揺してしまった。

こんな感じは久しぶりだ。


なんだこの感情は…


「お気づきですか?茜は日本のことを話すときは17歳のように話します。まあ純真なので少し拙いですが。きっといろいろ思うところがあるのでしょう」


「……」


「貴方が仰っているのですよ。『強い想いはすべてを覆す』と」

「っ!?……」


「閨を共にとまでは言いません。簡単です。妹ではなく普通の女性として見てあげてください。無理に好きになる必要はありません。自然に接するだけで茜の方が恋に落ち、自然に失恋します」


揺れるアルテミリスの瞳。

彼女もまた、変革を始めていた。


「ずいぶんひどい話に聞こえるが?…でもそうだな。確かに妹のようには思っていた…それが茜のためになるということだな?」


「わかりません」



「なっ!?」


「ですがこのままだと消えてしまうでしょう。存在が」

「っ?!!」


「私は今、あなた様の次に茜のことを大事に思っています。自らの意思で」

「…ああ」


「私にも少女のころがありました。男性であるノアーナ様よりはわかります」


アルテミリスは寂しそうに――

でも覚悟を瞳に籠め、俺の瞳を射抜く。


「どうかお願いいたします」



そういってアルテミリスは戻っていった。



※※※※※



(…俺は………)


かつてない――いや。


覚えていない太古の俺。

その感情が沸き立つことをこの時俺は自覚し始めていたんだ。


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