表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盾1回復4の盾ですがなにか?  作者: なんちゃコフ
49/157

49、いつかとはいつか

「あうう……」


 まとまらない意見。

 (さだ)まらない方針。

 その渦中(かちゅう)に存在するニャメスから何とも言えない声が()れ出る。


「大丈夫大丈夫っ」


 それにジーナが何も心配はいらないとニャメスの背中を(ふたた)びさする。

 だがそこからは本当に何も心配していないような不可思議(ふかしぎ)違和感(いわかん)が感じられた。


「ジーナ」


 そこで平行線を辿(たど)る話をあえて脱線させてみることにする。


「何か当てでもあるのかい?」


 本来ならばこの状況で落ち着いていられること自体、異常(いじょう)と言えなくも無いわけだが、それを可能としているのは経験からか、そうではない別の何かがあるからなのか。

 ましてやジーナのことだ。

 単に事態(じたい)楽観視(らっかんし)しているというわけではないであろう。

 考えるまでも無く、打開策(だかいさく)に近い何かを手中に(おさ)めているであろうことは想像に(かた)くない。


「んーっ……えっと、リンは何でそう思ったのかなっ?」

「いつもと違う気がする。余裕(よゆう)があるのはそうだけど、裏付けされたものに見えるよ」

「あー……そっか。ごめんっ。ぼくは別にそういうつもりじゃなかったんだけど……」

「言いにくい?」

「んーんっ。ただなんていうかさっ。()ずかしい、かなっ」

「そっか」

「あっ、でもでもっ、別に言葉にするのがイヤってわけじゃないんだよっ?」

「うん」

「そのっ……さっ」

「うん」

「ぼく結構リンのこと理解してるつもりだよっ?」

「ありがとう」

「ふふっ、そういうところだよねっ」

「ん?」

「リンは何でも受け入れちゃうし、相手を否定しないってこともないけど、あからさまに肯定(こうてい)もしないよねっ?」

「それは、どうだろう」


 思い返してもそれを判断するのは自分では無いような気がして、そういうのならそうなのかもしれないなと勝手に納得する。

 いや、そう思わせているのか、そう思われているのか。

 どちらにせよ自身の印象というのはそういうものなのだろうか。

 自分にはどうにも分からない。


「ほらっ、今だってそうでしょ?」

「そういわれればそうかも、うん」

「ほらねっ?」


 ジーナは笑う。

 何かに(ひた)るように。


「そんなことは今はどうでもいいでしょ。それよりも今重要なのはこれから私たちがどうするか、でしょ?」


 流石(さすが)に長々とし過ぎたせいか、今する話ではないと正論をその手にサラスが()って入る。


「サラスっ、それは違うよ。今、だからこそしてるんだよっ?」

「アンタ……それって……」


 サラスの脳裏(のうり)()ぎる予感。

 それをこちらも同時に感じ取る。


「ジーナ、どうしてそうなる、いや、そうすると思う?」

「だって、もう手遅(ておく)れだよ。たぶん、最初からそういうつもりなんじゃなかったのかなっ?」


 ジーナの笑顔は(くず)れない。

 しかし、その奥に感じる不穏(ふおん)な空気。


「ジーナ」

「……どういうことですか?」

「マリア」

「そういうことよ」

「サラス」

「もう助からないよ、ぼくたち……」


 ジーナの言葉に合わせる様にして、その答えが出る。


「あい……」


 ニャメスが一声。

 申し訳なさそうに鳴く。

 そして、何事も()せぬままに、再び世界はその扉を閉じた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ