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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第11章
355/824

滅多斬殺 その5


「戻れ、発車時間だぞ! 乗り遅れるぞ」


「これ以上関わるな、S NSにアップされるだろうが!」


「はーい、早く戻りましょう、みんな待ってますよぉー」



 怒り収まらぬ不良軍団をバスへ戻らせるのは旧生徒会&バスケ部軍団だ。金八先生もグダグダ言っているヤツの尻に見事なローキックを決めている。誰もが、俺さえも、あの頃と何ら変わらぬ言動を振りまいている。


 この歳になって十代半ばのあの頃に戻っているという事実にふと気づき、何とも言えない気持ちになる。それは決して不愉快なものではなく、何か失くしたものを見つけた気分である。


 同窓会などの数時間の交わりではこんな気持ちになる事は無いであろう。旅行というものの新たな一面、即ち心のタイムワープ効果を発見した事に不思議な興奮を覚える。これは泉さんへの報告書にも落とし込んでみるか。


『旅行でなければ戻れない、あの頃に』


『あの頃を思い出したい? 旅行でしょ!』


 おお、良いではないか、良いではないか!


『旅路にて 三つ子の魂 思いだせ』


 おおお、会心の出来じゃないか! 今度、由子に……



「キングー、早くしろよー、お前最後だぞー」


 そう言えば昔も、一人所構わず考え込んでいては、友人に注意されていた自分も思い出した。



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