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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第6章
192/550

栗の花 その2


 そんなある夜。俺、クイーン、そしてゆうこの歯車が動き出す。



 この日もド満席だったが、三回転目の九時からの客の入れが悪く、十時過ぎには三割程度の入りであった。この日のゆうこは九時過ぎにフラっと現れたのだが、最初から表情が固くいつもよりも元気が無い様子であった。それは、


「娘の飼い犬が調子悪いんですよー」


 のが原因だそうで。



「へー娘さん犬飼っているんだ。確か同居じゃなかったっけ?」


「そうなんです。娘はOLなので、昼間は私が面倒見ているんですよ」


 いつもと違い憂い顔のゆうこ。これも実に男の庇護欲をそそるヤバいやつである。


「犬かーーー アタシはドーベルマンがいいねえ」


 クイーンがiQOSをふかしながら言うのだが、確かにこの女にこそ似合いそうな犬だ。チワワとかダックスフントとか死んでも似合わない。


「因みに何を飼っているの?」


「豆柴なんですけど。あれ、せんぱいも犬飼ってるとか?」


「飼ってないよ。俺も母親も娘も、あまり犬が…」


「えー、ぜひ飼ってみてくださいよお、ぜったい好きになりますよおー」


 と真正面から瞳をガッツリロックオンされると、今夜帰りに犬を買いに行きたくなる。やはり本当に危険なオンナである。



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