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再会 その1
東京オリンピックを2年後に控えた、春。
定時より早く会社を出て、自宅のある東西線の門前仲町の駅に到着する。地下鉄の階段を上り外に出ると、街は既に薄暗く帰宅を急ぐ人々で溢れている。今日もありふれた平凡なつまらない一日が終わったことを実感させられる。
駅近のスーパーへ夕飯の買い物に向かう途中、スマホが震える。人並みを避けて立ち止まり、上着の内ポケットからスマホを取り出すと、一人娘の葵からのメッセージである。
『結衣の家で夕飯食べてくる』
素っ気無い一文に、了解、と返信する。
時計を見ると五時十五分過ぎである。高層建築の無い低い空を見上げる。大分陽が延びてきた夕暮れの街中で、さて、どうしたものか、一人なら惣菜でも買って帰るか、それとも、と考えていると、後ろから肩を叩かれる。




