♥ 国境砦を目指して 4 / 今日のぼくは、●ッ●さん!
セロロ
「 数日は暴風の中を移動する事になるよ。
この馬車は丈夫だから横転したり、壊れたりしないよ。
オシュトとハクトが左右に分かれて馬車を支えてくれているからね 」
茜梶 惠
「 うん…。
ぼく…守られてばかりだね…。
何か御返しが出来たらいいんだけどなぁ… 」
セロロ
「 メグムが元気でワタシの傍に居てくれるだけで十分な御返しになっているよ。
メグムはワタシと寛いでいればいい。
それがメグムの役割だからね 」
茜梶 惠
「 う、うん……。
有り難う…セロロ 」
何だろう……こんなに楽な生活を満喫しちゃってて良いのかな??
未成年のぼくには、役に立てるような事は特にないし……。
逸その事、トランプカードでも作っちゃおうかなぁ…。
材料はあるんだから。
ぼくは長方形の木箱を開けて、トランプを作る為の材料を探した。
凝りさえしなければ、厚紙,定規,色ペン,刃物があれば作れると思う。
定規を厚紙に当てて線を引いて、色ペンでクラブ,スペード,ハート,ダイヤのマークと数字を書き入れて、線に合わせて刃物で必要な枚数を切っちゃえば良いんだもんね!
後は汚れたり、折れたりしないように魔法でコーティングしてもらえたら出来上がりだもん。
セロロ
「 メグム、何を作るの? 」
茜梶 惠
「 トランプだよ。
ハクトさんと買い出しに行った時に材料を買っておいたんだ 」
セロロ
「 それは厚紙だね 」
茜梶 惠
「 うん。
厚紙を裏返したら、定規を当てて黒ペンで線を引くんだよ。
厚紙が同じ長さとサイズになるように注意しながら線を引くの。
──線を引き終えたら、トランプ定番のマークを描き込んで、1 〜 13の数字を書くんだよ。
──数字を書き終えたら、刃物で厚紙を切るんだけど、歪まないように注意して切るんだ。
──切る作業が終わったら、セロロの魔法で何回使っても痛まないようにカードをコーティングして欲しいんだけど、いいかな? 」
セロロ
「 いいよ。
出来上がるまで見ているね 」
茜梶 惠
「 うん!
工作は苦手だから、本物みたいには作れないけど…記憶を頼りに再現するよ! 」
ぼくはセロロの前で初めてのトランプ作りを始めた。
茜梶 惠
「 出来たぁ〜〜〜!
後は厚紙を切って魔法でコーティングしたら完成だよ!
本当は裏側に同じ絵柄を描いてトランプっぽくしたいんだけど……54枚分も同じ絵柄を描くなんて出来ないし… 」
セロロ
「 メグムはどんな絵柄を描きたいのかな? 」
茜梶 惠
「 えっ? 」
セロロ
「 1枚描けば、残りの裏側を同じ絵柄にする事は出来るよ 」
茜梶 惠
「 えっ?!
そんな事が出来ちゃうの?! 」
セロロ
「 生活魔法の応用だよ。
描けたら教えて 」
茜梶 惠
「 う、うん… 」
セロロの薦めもあってぼくはトランプの裏側の絵柄を考えて描く事にした。
茜梶 惠
「 セロロ、描けたよ 」
ぼくは完成させた絵柄をセロロに渡した。
セロロが絵柄の上に掌を翳すと魔法陣が現れた。
セロロが何の絵柄も書かれてない厚紙の裏側の上に掌を翳すとサァーーーと静かに動かして行く。
厚紙の裏側に次々と魔法陣が浮かび上がると、ぼくの描いた絵柄が鮮やかに現れ出した。
「 あっ 」と言う間に厚紙の裏側は絵柄で埋め尽くされた。
セロロ
「 出来たね。
後は綺麗に切るだけ…だったね 」
茜梶 惠
「 うん。
切る作業が1番緊張するよ!
でも頑張るよ! 」
セロロが見守ってくれる中、ぼくは刃物を使って丁寧に厚紙を切り始めた。
ハサミがあれば、もっと上手に切れるんだけどな……。
茜梶 惠
「 ──ふぅ〜〜〜!
何とか切り終われたぁ。
慣れない作業だから手間取っちゃったけど、ちゃんと54枚ある! 」
セロロ
「 これがトランプなんだね。
長持ちするようにコーティング魔法を掛けるね 」
セロロが54枚の手作りトランプにコーティング魔法を掛けてくれたお蔭でトランプが完成した!
茜梶 惠
「 セロロ、有り難う!
セロロのお蔭で想像以上のトランプが出来たよ!
セロロと一緒に作った世界に1つだけのトランプだよ〜〜!! 」
セロロ
「 世界に1つだけのトランプ?
それは嬉しい響きだね 」
茜梶 惠
「 このトランプは宝物だよ(////)
使うのが勿体無いね 」
セロロ
「 丈夫にしてあるから大丈夫だよ。
メグム、そのトランプで何をするの? 」
茜梶 惠
「 トランプゲームだよ。
色んなゲームを楽しめるんだよ。
ぼくはあまり詳しくないから簡単なゲームしか知らないんだけど…。
セロロ、一緒にトランプを使って遊ぼう 」
セロロ
「 いいよ。
メグムはどんなゲームを知っているのかな? 」
茜梶 惠
「 あのね、誰でも簡単に出来て、1番簡単なのは神経衰弱だよ。
トランプを良く切ったら──、裏向きの状態で54枚を置くんだよ。
ジャンケンをして負けた人から2枚を捲って、同じ数字を当てたら、もう1回カードを捲れるんだよ。
2枚とも数字が違ったら、次の人に交代するよ 」
セロロ
「 負けた方が先に捲るの? 」
茜梶 惠
「 うん。
先に捲る人は不利だから。
後で捲る人は、先に捲った人のカードの数が何処にあるか分かるから有利なんだよ。
ぼくがそう教わっただけだから、正式なルールは知らないんだけど…。
神経衰弱は記憶力が鍛えられるゲームなんだって。
やってみよう 」
セロロ
「 記憶力ね…、いいよ 」
ぼくはセロロと一緒に裏向きで置いたトランプを使って神経衰弱を始めた。




