♥ 初めての街 7 / 楽しいデートだった筈なのに…
《 飲食街 》を出てからぼくはセロロと一緒に《 ギルド街 》へ向かって、立ち寄った冒険者ギルドの中を見学した。
冒険者ギルドを出たら、他のギルドにも足を運んで中を見学させてもらった。
《 商店街 》を見て回ったり、《 医療街 》を見て回ったり、《 屋台街 》や《 的屋街 》へも足を運んで見て回った。
《 芸術街 》なんて所もあって、色んな芸術品も見て回ったし、美術館,博物館,図書館にも行った。
日が暮れる迄ぼくはセロロと一緒に≪ ユンド ≫を沢山歩いたんだ!
今は野外音楽堂へ来ていて、野外劇を鑑賞中。
野外劇が終わったら《 宿屋街 》へ向かって、オシュトさんがチェックインしてくれた宿屋に宿泊する予定なんだ。
茜梶 惠
「 ──はぁ……。
セロロ、野外劇、面白かったね!
また見たいなぁ… 」
セロロ
「 明日は違う劇を見られるみたいだよ。
明日も見に来る? 」
茜梶 惠
「 うん!
来たい! 」
セロロ
「 明日も楽しみだね 」
茜梶 惠
「 うん(////) 」
セロロがぼくの手を握ってくれるから、ぼくもセロロの手を握り返す。
なんか…付き合い立てのホヤホヤな恋人みたいだなぁ…。
たはは〜〜(////)
セロロ
「 《 宿屋街 》へ行こうか 」
セロロと一緒に野外音楽堂を離れて《 宿屋街 》を目指して歩く。
辺りはすっかり暗くなってしまったけれど、≪ ユンド ≫は夜間になっても賑やかなままで、人の往来も多かった。
仕事帰りの人達が楽しむ時間帯みたい。
人混みが凄くて歩くのが大変だから、少し遠回りになるけれど《 森林公園 》を通って《 宿屋街 》を目指す事になった。
──*──*──*── 森林公園
《 森林公園 》にも人は居て、恋人達が多いみたい。
なんか…通るだけなのに恥ずかしいよぉ(////)
夜って事もあって、開放的になっちゃうのかなぁ……。
彼此の茂みからガサガサ…とか、男性の荒い息とか、女性の喘ぎ声とかが遠慮なく耳に入って来る。
………………夜の公園に近付いたら駄目だね。
チラッとセロロの方を見上げて見るけど、セロロは全く気にならないのか何て事ない顔をして歩いている。
夜な夜な男女の●●●●中の声が聞こえて来ても恥ずかしくない……のかな??
セロロは7万年も生きてる魔族だもんね?
人間の●●●なんて、興味無いのかも??
…………セロロは経験あるのかぁ…。
……誰かとした事…あるのかぁ……。
何か……モヤモヤする…。
ぼくは無意識にセロロの手をギュッと強く握ったみたいで、セロロから「 どうしたの? 」って聞かれたんだ。
月の光が当たってセロロが輝いて見える。
綺麗だ…(////)
きっとセロロは、あらゆる人種を虜にしてしまうんだろうな。
皆…セロロを欲しくなるんだ…。
顔が熱いや…(////)
見えない耳まで真っ赤に染まってる気がする。
セロロ
「 耳障り…だよね。
気付けなくて御免ね、メグム… 」
茜梶 惠
「 え? 」
セロロがぼくに見せた悲しげな表情が綺麗過ぎて、見惚れている間に雑音がパタリ──と消えた。
茜梶 惠
「 静かになった? 」
セロロ
「 メグム、行こう 」
茜梶 惠
「 うん…… 」
どうして急に静かになったんだろう??
あんなに男女の卑猥な声で煩かったのに…。
茜梶 惠
「 …………セロロ、何かした? 」
セロロ
「 ワタシはメグムの隣に居るよ 」
茜梶 惠
「 だよね… 」
お開きにして帰ったのかな?
仮に帰ったとしても、一斉に帰ったりするのかな??
疑問に思いながらもぼくはセロロと一緒に《 森林公園 》を出た。
《 森林公園 》を出た先には、案内板が立てられていて《 大通り:コム 》って書かれている。
セロロ
「 《 宿屋街 》は右だね。
行こう、メグム 」
茜梶 惠
「 うん 」
《 大通り:コム 》を右に曲がって《 宿屋街 》を目指して歩いた。
──*──*──*── 宿屋街
漸く《 宿屋街 》へ入ると、オシュトさんがチェックインしてくれた宿屋を探して歩く。
茜梶 惠
「 セロロ、オシュトさんがチェックインしてくれた宿屋って何処にあるのかな? 」
セロロ
「 もう少し先かな 」
茜梶 惠
「 セロロは分かるの? 」
セロロ
「 ワタシの使い魔だからね。
何処に居るのか探さなくても分かるよ 」
茜梶 惠
「 そうなんだね 」
セロロと歩いていたら宿屋の前に見覚えのある姿を見付けた。
茜梶 惠
「 ハクトさんだ! 」
ぼくは空いている手をハクトさんへ振って名前を呼んだ。
ぼくの声に気付いてくれたハクトさんが、手を振り返してくれる。
──*──*──*── 宿屋・パンダダ
ハクト
「 主殿、《 森林公園 》から血の臭いがするんですがね……。
{ 何かしました? }」
セロロ
「 メグムにも聞かれたね。
{ 耳障りな雑音を消しただけだよ }」
ハクト
「 何で態々《 森林公園 》なんかへ行ったんですか?
遠回りになるの知ってるじゃないですか 」
茜梶 惠
「 あ、あのね……人混みが凄かったから空いてる《 森林公園 》を通る事にしたんだよ!
セロロとはぐれたら嫌だったし… 」
ハクト
「 何はともあれ、あんまり騒ぎを起こさんでくださいよ… 」
茜梶 惠
「 ハクトさん…、《 森林公園 》で何かあったの? 」
セロロ
「 メグムは知らなくていい事だよ 」
茜梶 惠
「 どうして? 」
ハクト
「 そんなの決まってるだろ。
メグムが未だ “ 坊や ” だからだぞ 」
茜梶 惠
「 むぅ〜〜〜。
何それぇ… 」
セロロ
「 メグム、冷えて来たから中へ入ろう。
今夜はワタシと寝ようね 」
茜梶 惠
「 えっ…(////)
う…うん…(////)
布団で寝るの久し振りだもんね…(////) 」
“ 一緒に寝る ” とは言っても別に何か特別な事をするわけじゃなくて……。
ただ同じ布団の中に入って添い寝するぐらいで……。
だけど……《 森林公園 》を通った時に聞こえた卑猥な声が耳から離れない…(////)
何もしないのに妙にドキドキしちゃうよぉ…(////)
セロロ
「 顔が赤いね、メグム。
さっきも顔が赤かったし、冷え過ぎたのかな? 」
◎ 訂正しました。
8万年 ─→ 7万年




