01「飛行機化」
ここは、地球から1億後年離れた、未来星のお話。
地球に似ていて、人間もいるが、法律やパスポート、領空など、地球にあるものはない。
俺は尊(タケル)。
子供の頃から、俺は、AMAに憧れていた。
大人になったら、AMAのパイロットになるんだと、決めていた。
そして、今、AMAに入社することが決まった。
あの憧れの会社に。
AMAは、事故件数が0ということで有名だ。
山田先輩「アタシは、山田薫。よろしく。」
タケル「よろしくお願い致します。」
山田先輩「CAになろうと、この会社に入ったんだけど、この会社には、パイロットもCAもいないの。」
タケル「え、どういうことですか?それじゃあ、飛行機は動かないじゃないですか。」
山田先輩「この会社の飛行機は、社員自体なの。」
タケル「社員が飛行機になると言うことですか?」
山田先輩「そう。私がこの会社に入ったときはビックリしたんだけどね、社員が、『飛行機になる薬』を飲み、飛行機になるの。」
タケル「人間に戻れるんですか?」
山田先輩「もちろん戻れるわよ。私だって、人間に戻ってるでしょ?戻る場合は、人間の社員が、飛行機の社員の中に入り、操縦室の『人間』というボタンを押すの。そうすると、人間の社員は、外に出され、飛行機だった社員は、人間に戻るの。」
タケル「そうなんですね。」
山田先輩「とりあえず、タケルは今日、試験として飛行機になって、1日飛んでもらうわ。」
タケル「いきなりですか?」
山田先輩「私が操縦室に入ってマイクで指示を出すから、大丈夫よ。」
すると、山田先輩は、僕に薬を渡した。水なしで飲めるそうだ。その薬を飲むと、たちまち僕の姿は、飛行機になった。
事故件数が0なのは、飛行機は、元々人間だからかもしれない。