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ただの俺の話  作者: lucky


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3/8

友達

 2003年4月

 僕は登校中、一緒に通学している子に

「こっちを見ないで止まっていて。」

と言われた。保育園でもよく遊んでいたし同じ学年の子だったから指示に従った。数秒後に違和感を感じた。ふくらはぎの裏が濡れるような違和感だ。なんだろうと思い振り返ると、僕に指示を出した子が僕におしっこをかけていた。ほかの子もいたがその光景を見ながらゲラゲラ笑っている。なんでそんな事をしてきたのか理解が出来なかった。嫌な気持になったが、僕は笑い返した。辛かったが笑い返した。その時、誰が言ったか覚えていないのだが

「つまんねえの」

という声が聞こえた。僕には理解が出来ない。なんでそんな事を言ってくるのか、なんでそんな事をしてきたのか。頭の中でずっとそのことを考えながらさっきまでの出来事がなかったかのように振る舞い、学校に向かった。

 その日の給食時、僕におしっこをかけてきた子が今度は僕の牛乳を勝手に開けて、サラダやご飯にかけてきた。その時、やっと気が付いた。僕はいじめを受けていると。

 そんなことが何日か続いたが僕は誰にも相談しなかった。やられても笑ってごまかした。だってどうしていいかわからなかったからずっと笑ってかえした。嫌な気分だったことを今でも覚えている。

 ただ、そういった事が続くので今度は僕がいじめっ子に何かしてやろうと思った。思いついたのは1つだけ。みんなで無視をする事。いじめっ子に話しかけられても無視をして遊べる予定を聞かれても遊べない、もしくはいじめっ子以外としか遊ばないことを何人かに共有して実行した。そうだ。今度は僕がいじめっ子になった。

 でも何日もそれを続けても全く気は晴れない。たまに僕をいじめていた子の様子を見ると、毎回下を見続けている。随分と落ち込んでいる様子だった。それでも気が晴れない。家に帰り夕食を食べて、風呂に入り、寝ているとき自分のしていることを考えると涙が出てきて止まらなかった。なんで涙が止まらないんだろう?僕はいじめられていた側でただ、やり返しているだけなのになんで僕が泣かなきゃいけないんだろう?

 明らかだ。子供はしたくないことをすると泣く。

 母親が泣いている僕を見て

「なんで泣いているの?」

そう聞いてきた。僕は素直に言った

「もういじめたくない。あの子が傷つくのを見たくない。ごめんなさい。ごめんなさい。僕がしたんだ。僕がいじめたんだ。助けて。」

母親はすぐに僕をいじめていた子の家に電話をして謝罪した。

 次の日、僕はその子の家に行き謝った。どんな謝り方だったかは覚えていない。でも握手をしたことは覚えている。その日はその子の家で1日中楽しく遊んだ。その次の日もその次の日も毎日毎日遊ぶ仲になった。不思議だいじめられて、いじめてた子とこんなにも仲良くなるなんて想像もできなかった。

 そしてその子は俺が成田空港にいることを聞いてすぐに迎えに来てくれた。

 2018年1月7日9時30分、R君の車に乗って家に帰りながら幼少期の事を思い出していた。何故かG君も一緒に迎えに来てくれていた。友達2人には自分には希死念慮がある事を話したが、嫌な顔なんてしなかった。

「まあ休めよ」

とR君から自分が一番求めていた言葉をもらい家に帰った。

 次の日、俺は自分の部屋にいた。歩き疲れたためか、帰った時の記憶も眠りについた記憶もない。ただ自分のしたことは覚えている。親のいる居間に行き両親に謝罪した。それから看護学校にも電話して先生に現在の状況、特に希死念慮がある事を伝え、しばらく学校を休むことになった。先生からは心療内科を受診し結果を教えてほしいと言われたのでその日のうちに勧められた心療内科に行った。

 勧められた心療内科はかなり混んでいる。朝一で言ったのにもう2時間くらい経つ。やっと呼ばれて診療が始まった。

 医師は睡眠状況やストレスに関して聞いてくる。確かに看護学校の生活は楽しいことが多い反面辛いことも多い。実習記録のまとめや予習復習、技術練習、国家試験に向けての勉強など様々だ。それに伴い睡眠時間も削られていく。また希死念慮についても話した。

「死にたくなる。楽しいことがあっても死を意識してしまう。」

そう伝えた。色々説明があったが結果として鬱病と診断され、安眠剤が処方された。

 鬱病と診断されたときは辛かったのを覚えている。この俺が鬱病?まさかと思ったが医師の説明、渡されたパンフレット、精神看護学で勉強した内容を含めて自分が鬱病と診断されたことに納得した。その日の夜貰った安眠剤を服用すると気絶するかのように眠りに堕ちた。


 眠りに墜ちる感覚を素晴らしいと感じたが、これがいけなかった。



〈素晴らしい感覚だ、いい気分だ。自分がまるで消えていくような、、、〉

〈もしもっとたくさん飲んだらどうなるんだろう?〉

〈、、、暗い、、、誰もいない、、、素晴らしい、、、〉

  

 


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