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空からの訪問者

八歳も終わろうとしていたある日、俺は稽古が休みだった為家の近くの木に囲まれた草原で昼寝をしていた。


ここは俺だけが知る場所で、日向ぼっこをしながら昼寝をしに来る。


「上品な女を演じるのも疲れるなぁ。本当にこのひと時が癒しになる。」


「今日は雲一つない快晴だし、いつもより早く寝ちゃいそうだ。」


ここは、日々の疲れを癒す、いわばオアシスのようで気に入っている。


俺以外には誰もが知られたく無い場所だった。だが、そんな心地いい気分を味わっていたのにもかかわらず、急に視界が暗くなった。


「なんだ?」


気になって上を見上げると、何やらこちらに向かって降ってくる。


その影は徐々にその形を成しながら、近づいている。


「あれは・・・」


徐々に見えてきたその影の正体は、人間だった。


しかもその影はジタバタと動いて見えた。


「まさか、飛べないのか?」


「まずい、このままじゃ」


そんな事を考えている間に、俺にめがけて降ってきた。


「おっ、おいちょっと待てーーーーーーーーーー!」


そのまま俺は影の人物の下敷きになった。


「イテテテ。」

「すまねぇ、大丈夫だったか?」


「おいテメェ・・・」


「ん?」


おっといけない。俺は一目見るだけで、誰もが心を撃ち抜かれるほどの愛くるしさを持つ女の子だった。


(女の子らしく、落ち着いて。)


「はい、私なら大丈夫ですわ。それより、貴方こそ大丈夫ですか?」

「あぁ、俺なら大丈夫だ。気にするな。」


見た感じ特に目立った傷は見られなかった。


「それは良かったですわ、それにしてもどうして空から降って降ってきたのですの?」


「いや実は俺、今飛行魔術の練習中で、力の加減を間違えて吹っ飛んじゃったってわけなんだよ!ハハハ!」


(なんなんだこいつは。でも飛行魔術って、確かかなりの上級魔術だったはず。もしかしたら、かなり強いやつなのか。)


「飛行魔術なんて上級じゃありませんか!すごいですわね!」


「いやいや、そんなこともあるかな!ハハハ!」


ちょろい。にしても上級魔術をできる程って、こいつ一体何者なんだ?


「自己紹介がまだだったな、俺の名前はゼルンよろしくな!」


「私の名前はルミナと申します、どうぞお見知り置きを。」


「ところで二つ質問していいか?」


「はい、私に答えられることならいいですよ。」


ここでこいつに貸しを作っておいて損はないだろう。


「えっとな、ここはどこだ?」


「すみません、私もここがどこかわかりませんの。私、庭から外に出たことがなくて。」


今考えてみればここがなんて言う名前の場所なのかとか知らなかったな。今度聞いてみよう。


「なるほど、お前かなりの過保護を受けている箱入り娘だな?」


なぜかニヤニヤした顔でこっちを見ている。探偵のように推理した気分なのか。


まぁ俺の場合、箱入り息子だな。


「いえそんな、でも確かにお父様もお母様もとても優しくして頂いてますわ。」


「そんなご謙遜を。」


「いえいえご謙遜だなんて・・・」


「あ、二つ目だけどお前なんでそんなあからさまな演技してるんだ?」


「えっ?」


「お前何を隠してる?お前は本当は一体何者なんだ?」


(まさか、気づいたのか?俺の秘密を⁈)


異世界に来てもうすぐ9年、俺の正体が初めてバレそうだ。







読んでいただきありがとうございます。

明日も是非よろしくお願いします。

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