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数難去って得来たる

「ウソだろ…」


作戦完了の報告をミカにした所、ミカも手持ち無沙汰だったので暇つぶしにメイドを尋問していたら新事実が発覚した。


なんとメイド服が本当の女王で、縛られていたのがメイドだった。つまり俺は無意味な事を一生懸命していたと言うことだ。試行錯誤で何とか目標を達成した後に「はい残念wゴールはあっちでした〜w」が発覚して本当の意味で賢者タイムが来ている。


もう無理。ぶっちゃけ早く寝たい。



「はぁ…なぁ女王さんよ、もう面倒いからお前殺して終わりにしようと思うんだけど他にいい案があれば聞かせてくれ」


「ま、待て、早まるな。その方らの今回の事は勿論不問とするしセララに羽が生えたのなら我が要望は叶えられた!願わくばお互い利益の有る関係を結ぼうではないか!」


このガンギマリメイドはセララと言うらしい。どうりで29歳にしては随分若く見えると思っていた。


「ちょっと待って!この子はアタシ達のモノよ、貴女にはあげないわよ!」


突然ミカが女王に食ってかかる。多分だがセララを手放すと言うことはミカの性的負担が増える事を懸念しているのだと思う。なんかすんません…


「魂の従属契約が済んだ以上はもう私達の仲間なの、たまに連絡役としてここに来させるくらいなら許容範囲だけど」


女王はミカの迫力に押され、襲撃されている立場でもあるので強気に出れず俺達の要望を受け入れる事にしたようだ。


まだ失神しているセララを抱えて俺達は女神の塔を後にする。花火も終わり収穫祭もフィナーレを迎えたようだ。人々は大きな焚き火に願いを書いた短冊を投げ込み夜空に向かって感謝を贈る。暗闇を飛び回る火の粉が蛍の様に見えてとても幻想的な絵になっていた。見るとセララが薄らと目を開け放心状態のままぼんやりと火の粉を眺めていた。



取り敢えずセララをセンチュリオンホテルに連れて帰って部屋を取る。相部屋は出来ないので新たに一室借りて休ませる事にした。



——翌朝——

3人で朝食を食べている。

「セララと申します。ご主人様、ミカ様、どうぞ宜しくお願いします」

「宜しくねセララ、ミカでいいわよ」

「承知しましたミカ」


女王の所から連れ去られた上に羽まで生やされ無理やり仲間にされたと言うのに全く微動だにせず、逆に順応力を見せつけて来るセララ。羽のしまい方も勝手に覚えたみたいで今朝会った時にはもう羽をマントに変化させていた。彼女の羽は蝶々の形をした半透明の綺麗な羽でラメと言うかメタリックと言うか虹色のキラキラが動く度に光輝く。マント形状時は腰までのショートマントで、こちらも半透明で虹色に光っている。よく見ると綺麗な銀髪の生え際は黒くてそこから銀色に変わっていくみたいだ。後、眼球が凄い!

瞳まで虹色で光に当てたダイヤモンドみたいに輝いていた。



「ホント羨ましいわ、私もこんな風に産まれたかった〜。何この神に愛されたビジュアル、そしてお姫様感、あの女王よりよっぽどヒロイン感あるわよ」


ミカが羨ましがるのも頷ける程にセララは人の目を引く。実際俺達も女王とセララを間違えてしまったワケだしな。しかしセララは元々貧しい農村生まれらしいが、その美しさはあっという間に噂になり直ぐに男爵家に迎えられたがその後子爵がセララを横取りし、その後伯爵がセララを取り上げ…と言った感じで貴族間でセララの奪い合いに発展し争いが起きるほど程だった様だ。


騒ぎの発端となった【傾国の美少女】は国の預かりとなり女王の側で管理される事となったが、側近や大臣、果ては近衛兵まで彼女に手を出そうとして争い事になるのでやむなく女神の塔へ閉じ込める事になったそうだがそこで女王に性癖を開発されドMになったらしい。



「と言うか国もこの子の扱いに困って持て余してたって感じね、女王はセララをかなりお気に入りだったみたいだけど」


ま、とにかく大きな問題は解決したが急に仲間が増えたので金銭面やクエストの内容、戦闘時のフォーメーションやら考えないと…とその前にセララに何が出来るか確認しておかないとな。


「セララ、魔法は何か使えるか?」

「いえ、何も会得していません」


「戦闘経験は?」

「御座いません」


「属性は?」

「不明です」


「特技とかは?」

「特技では無いですが意図せず殿方の視線や注目を集める事です」


自分で言う所が凄いなと思ったが本人はコレを迷惑がっているっぽい。ある意味で貴族や女王より過保護にされてきたので女王のドSコミュニケーションが余計に嬉しかったのかもしれない。てか貴族達にタライ回しにされてきたセララはもしかして男にトラウマがあるのかもしれない。


「そっか、まぁこの先ゆっくりでいいから出来る事を見つけて行こうな。それよりセララは男に対して嫌悪感とかトラウマとかは無いのか?多くの貴族達に酷い目に合わされたりとか無かったのか?」



「御座いません、元より男性経験自体が御座いませんので…失礼しました。ご主人様に女にして頂けたのでアレが初めてで御座います」


んん??? どう考えてもアレは初めての反応じゃないと思うんだが…完全に慣れてる反応としか言いようがない。


「初めてで痛くなかったのか?」

「女王様にペニバンやディルドで躾られていましたので」


あ〜なるほど、ホンモノは初めてと言う事か、それなら納得だ。



「所で1つお伺いしたいのですが、この羽は一体どう言った訳で生えてきたのでしょうか?」


セララは顔には出さないがやはり疑問には思っていたようで、その日ラウンジで3人お酒を飲みながら明け方まで楽しく話していた。


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