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学園はお祭り騒ぎ※

携帯で書くのは大変です。なんでクリアキーや電源ボタンは直ぐ上にあるんだよ…。

 お祭り騒ぎでしかないような【部活動勧誘習慣】は、普段の厳格なイメージの学園が、とにかく騒いだ方が勝ちといった感じに変わる。

 生徒会の皆さんはものすごく大変な一週間だ。しかし、生徒会も良い人材探しを行うため、結局お祭り騒ぎだ。

 ジンの提案の元、〈レジェンド〉の一同が寮で集まり、各部活動を見て回る事になった。


「俺は剣術部かな?お前らは?」

「ジン何故行動を共にしなくてはなら無いのですか?」

「チームの親睦を深めようぜ!」

「そうですか、御勝手に」

「アヤメ~疲れた~眠い~」

「アヤメ、ツバサ!テンション低いぜ!どうしたんだよ!」

「「人混み苦手なのよ(なの~)」」「んな!楽しくないか!?」

「………ねえ、剣術部の模擬戦やってるみたいだよ」

「でかしたラング!行くぜ!」


 ジンに連れてかれるレジェンド一行。ジン以外は感心無いようで、それぞれ迷惑そうについて行く。

 ムウは既に無言で面倒オーラを発しており、かなり危険だ。


(抑えろ!この!何で行かなきゃならんのだ!5時に起こしに来るとか迷惑だ!ああ魔力が!)


 可哀想な事に、ジン、ラング、ムウは隣同士なので、ラングとムウは何故か朝5時に、ジンにたたき起こされている。

 皆様お気づきだろう。校長の暴走…もとい善意でこうなったのだ。


「ムウ、魔力が漏れてるよ~深呼吸~」「っ!むぅ分かった。忠告感謝する。」


 ツバサは魔力に敏感なので、さっきから頻繁に小声で注意している。あまりムウの魔力が溢れると周りに気付かれ、大問題になるからだ。


「ツバサは怖くないのか?」

「何が~?」

「俺の魔力だ。気付いているだろう。」

「今更だよ~アヤメも分かってるし、何より…私達の魔力の方が…」

「お前たちの魔力?」

「すぐに分かるよ~チームだし~」

「ふむ」


 ツバサはムウの魔力の“特異性”に気付いて居るが、全く気にしていない。アヤメは、自分の魔力制御に集中しているから余裕が無い(人混みの影響でイライラしているので普段より難しい)だけで、ムウの魔力を気にはしている。 他2人がまだ気付いて無いため、今はツバサに任せていた。


(いつか2人も受け入れられたら、抑えなくても良くなるはずだわ)

「アヤメ?どうした?着いたぞ?」

「ああ、考え事よ。ジン剣術部は何を体験出るのか、聞いてないけど?」

「実際に剣術を少し学ぶんだよ!」

「なになに?練習用の剣でも触れるの~?それとも、模擬戦見てるの~?」

「惜しい!ツバサ両方だ!」


 子供の様にはしゃぐジン。


「……ちょっと怖いな」

「ラング!大丈夫だって!生徒会総出で見回ってるから揉め事は起きないはずだし、怖くないぜ!」

「…意味違う」

「ムウ、どうゆう事だよ?」

「…ラングは武力が怖いんだろう。喧嘩とかじゃない。」

「……ムウ君…分かってくれてありがとう…」


 どうやら、ムウは感情の変化に敏感らしく、ラングの怯えの原因に気付いた。


「ふーん。お!始まるぜ!見てから決めればいいだろ!」


 ジンの強引な物言いに、アヤメは注意したかったが止めた。

 模擬戦の第二部が始まったのだ。

 両者動く、片方は両手剣、片方は短剣の二刀流。

 両手剣が凪ぎ、双剣が舞う。

 両手剣が大気を切り、双剣が交差し受ける。

 しばらく均衡した後、両者が距離をとる。が、双剣が即座に飛び掛かる。

 両手剣が受けるが、僅かに下がる。

 双剣の持ち味の素早さで錯乱する。 両手剣が僅かな隙を突く。

 双剣の片方が外に弾かれ大きな隙が出来る。

 即座に短剣を弾き飛ばし、首筋にピタリと両手剣が添えられる。

 両手剣の方が技量が僅かに上だった。


「かっこいい…」

「甘い」

「そうねツバサ」

「え?何で?てかツバサ口調変わってるよ?どうした?」

「双剣の持ち味を生かしきれてない。両手剣の方は力が無い」

「あまり強くないのね」

「お前ら。何言ってんの?」


 ジンの言い分はもっともだ。周りの生徒も教師も、今の模擬戦に満足していたり、感動していたり、興奮していたりと、評価が高い模擬戦だった。

 普通なら。


「今から、体験として模擬戦用の剣を配ります。数量に数が有ります。お並び下さい!」


 アナウンスの声に反応したジンは皆を引っ張って並ぶ。

 ツバサとアヤメの言葉が気になる。


(目が違った。2人共怖い程鋭かった)


 皆が模擬戦用の刃を潰した剣を握る。片手で使う、一般的な剣だ。

 ジンが軽く振る。ずっしりとした重みが手に伝わる。

 ラングは既に腰が引けていた。

 ムウは無表情なので分からない。

 ジン、アヤメ、ツバサだけ本気だ。既に何度が振るい、確かめている。


「剣術部の部員が教えて回ります!各自指示に従って下さい!」


 アナウンスが流れ、部員が回って来た。


「初めまして。皆さん初めて…じゃない人が居ますね。では」

「あの」「は、はい何でしょう?」

「自由にやっても良いかしら?」


 口を挟んだのはアヤメだ。

 鋭い目で射抜く。珍しく好戦的な雰囲気にジン、ラング、ムウが息を呑む。


「分かりました。では何か有りましたら呼んで下さい」


 その雰囲気に押され、部員が去っていく。周りの一年生が注目する。

 顧問だと思われる教師が目を向ける。

 生徒会も緊迫した雰囲気になり、集まって来た。


「ジン、あなたがどれ程か、試してみたい。良いかしら?」

「ああ。もちろんだ!」


 両者構える。

 ジンは、手本通りといった構え正眼、対してアヤメは下段。かなり自然体に近い。

 アヤメが黙って目で合図して、ジンが動いた。 ジンが豪快に剣を振るう。

 アヤメ剣で裁き、一瞬で首筋にあてがう。


(力量が全く違う!)


 ジンは訳が分からなかった。今までこんな事、無かった。

 見えない。

 速すぎる。


「型にはまりすぎね。自分で腕を磨いてない証拠よ。言われた通りじゃ戦えないわよ。相手は手本通りに動かないんだから。分かるでしょう?」

「う…ああ、分かってる」

「そう。ツバサ相手して」

「五割で行くよ~」

「良いわ。この剣だと持たないし」


 両者構えもせず、いきなり切りかかる。

 素早く切り結び、幾度となく立ち位置を変え、幾度となく剣を振るい、裁く。

 両者引かない。 時には正面から、時には側面から、時には突き、時には凪ぎ、時には穿つ。

 幾重にも剣の軌跡が切り結ぶ。

 周りはいつしか見入り、息をするのも忘れ、時間さえ止まったかの様だった。


ゴトンッ


「負けね。流石ねツバサ。」

「うふふ~♪」


 いつの間にか、アヤメの眼前に切っ先が突き付けられていた。アヤメが使っていた剣は弾き飛ばされていた。

 両者息も切れてない。


「あ…あははは」

「君!彼女達の知り合いだね?」

「あ!はい!」

「私は剣術部の顧問だ。2人は何者かね?あれだけの腕なのに知らぬ顔だ」

「俺も会ったばかりで何も…確かトウゴク出身だと…」「なるほど。なら知らぬはずだ。あそこは秘密主義で閉鎖的だ」

「失礼。先生、彼女達は生徒会に欲しい人材です。渡せませんよ!」

「むぅ…本人次第だな」

「はい」


 この後2人は勧誘の嵐に見舞われた。


「疲れた~」

「そうね…」

「「「………」」」

「一応保留にしたけどしつこかった~」

「部に入るつもり無いのよね…生徒会は学園の言わば、代表だし、一年で入れるのは名誉とか言われてもね…面倒事は御免だわ…」


 男3人は思う


(((当たり前だ!強過ぎるんだよ!)))


 その後5人は一通り見て回り(ジンの見たい物だけ)、どうするか考える為に(ジンのだけ)、一度寮の食堂に集まった。 


 因みに、各部活の揉め事(勧誘による部員の取り扱い)に何度も遭遇し、いきなりに飛んでくる魔法に肝を冷やし(アヤメ、ツバサ除く)、人の波にもみくちゃになり、ヘトヘトになってくたばった。最終的にはジン、ラング、ムウは、アヤメとツバサの後ろに非難した。器用にスルスルと人混みを抜けて行くし、流れ弾を防いでくれるので。


「………zzZ」

「あっ!ツバサ寝ちゃった」

「へ?」

「……こ…ここでかい?」

「…む?」

「ツバサは、何処でも疲れたら寝る」


 アヤメは制服の上着を、ツバサに掛けて、ため息をついた。慣れているらしく、しょうがないと呟きながら微笑んだ。


(母親か!)

「どうしたのジン?」 

「え?ああ何か見た事ある光景だなぁって思ってさ。」

「……………同感。」

「…うむ。」

「あっ!やっぱり?」

「もしかして、母親みたいだと思ったのかしら?」

「「「うん」」」

「ははっ良く言われる。実際姉妹みたいに育ったからかしらね。」

「そうなんだ。そういえば、名字と顔も似てるよな!」

「うーん…同じ家の分家同士だからだと思うわ」


 この時、微かにアヤメが顔をしかめたのを、2人は見逃さなかった。

 2人は…。


「分家?なに」

「やめろ」

「そ…れ?…ムウ?」

「家に関してあまり聞かない方が良い。」

「ムウ?何で?」

「お前は家の事根ほり葉ほり聞かれたら、どう感じる?」

「っ!」 


 ムウは人の感情に本当に敏感だ。そして冷静によく見ている。

 ジンが今まで自分の家に関して触れなかった事にも気付いていた。自己紹介でも、出身国は言わなかった。今まで、雑談をしていても家の事は言わなかった。どれだけ騒いで居ても、話しを振られても、うやむやにしていた。


「悪い」

「良いわよ。言えるようになったら言うから、あまりツバサにも聞かないでね」

「「「ああ」」」


 結局どうするか考える事無く、ただ雑談をして時間を潰しす事に。


「何であの時本気になったんだ?」

「剣術部の事かしら?」

「そう!面倒事嫌なんだろ?」「あれは、私もツバサも実用的で無い、見せ物が嫌いなのよ。確かに学生としては良かったけどね。でも、命を奪う物を軽々しく扱わないで欲しいわ。一瞬で全てが変わるのよ?綺麗とか、上手いとか、私達には意味が無いから」

「意味が無い?」

「生きるか死ぬかに、上手いも下手も無いわ。ただ戦い抜くか、運に恵まれるかどちらかよ。形が上手くて、実戦でやれると思う?」

「…阻止されるな」

「正解よムウ。やらせてもらえ無いわ。逆に気にしたら負けるわよ」

「そうか…」


 アヤメもツバサも、生ぬるい戦いを見ても感動はしないし、見る気にもなれない。戦いを極めて来た2人には、不愉快でしか無いのだ。


「そろそろ部屋に戻るわね」


 起こさないようにツバサも抱えて去っていくアヤメに、この場の3人は何も言えなかった。

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