63話 再会と、大人の秘密
私は気持ちを切り替えて、雑貨屋をさがそうと思ったけど……やっぱり何か見られている気がする。
わたしはそこで過ちに気づいた。
うん、気のせいじゃ無く見られてた。
場違いな所に私がいるからだろうね。 私が今、立っている所は……**「公娼通り」**だった。
通りで見かける女性たちは、公に営業を許された娼婦さんたち。
露出の高い服を着たお姉さま方が、私を不思議そうに見ている。
私は回れ右をして逃げようとしたら、声をかけられた。
「もしかしてユイさんですか?」
え? 見るからに娼婦さんから声をかけられた?
私の知り合いに娼婦はいないよ?
「はい、そうですが……?」
「私はベンダです。王都に帰る途中に盗賊に襲われていた所を助けてもらった者です」
ああ、あの時の一人かな。
「何かお探しですか? この辺りには詳しいのでお手伝いしますよ」
「いえ、顔見知りがいたから追いかけていたら、ここに来ちゃって」
「そうでしたか」
「ユイさん、お急ぎでなければお茶でもどうですか? あちらに美味しい飲み物を置いている店があるんですよ」
何か断りにくかったし、やる事もないからいいかな?
「はい、大丈夫ですよ」
私はベンダさんに連れられて、いい感じの喫茶店に入っていった。
「改めまして、その節は助けて頂いてありがとうございました」
「いえ、本当に助けたのは偶然だったので気にしないでください」
「それに普通に喋ってもらった方が、私も気が楽です」
「そう? じゃあそうさせてもらうね」
それから1時間ほどベンダさんとお喋りをした。
ベンダさん曰く、クレイノスは討伐等で得た報酬のほとんどを奴隷買いに使っている**「変態冒険者」**で有名らしい。
ランクはAだからそれなりの稼ぎがあるらしいが、奴隷館の超お得意様なんだって。
本当にクズだね。
その後も美味しいジュースを飲みながら話をしていたのだけど、私が「HPを増やしたい」事を伝えると、ベンダさんは突然変な事を聞いて来た。
「ユイちゃんは、Hな事に興味がある?」
「っ?!」 と、突然何を言うのよベンダさん!
「えっ? はい。 いや、ちがっ、そんなことは!?」
私は焦って何を言ってるか自分でもわからなかった。
「興味があるならお勧めがあるけど?」
「あ、無理です。私は男性が苦手なので!」
「違うよ? 娼館で働かない? とかじゃないよ」
え? 違うの? 私の早とちりか。恥ずかしい。
「スキルや特性は、自分が望んで極めないと得ることが出来ないでしょう?」
「奴隷の人達が酷い扱いをされても『性欲』の特性を得ることが無いのがその証拠ね」
え? 何で今その話?
「私は『性欲』の特性を持っているのだけど、得られる項目の一つに**『HP増加』**があるのよ」 「娼婦の人は結構HPが高いって知ってた?」
「え?」
「娼婦たちで性欲の特性持ちなら、Lv5が目標だからね」
「どうしてですか?」
「Lv5で**『避妊』が手に入るのよ」
「そのついでに、Lv5だとHP+500**があるからね」
「え? 500!?」
私は悪いとは思ったけど、こっそりステータスを覗いてみた。
【ステータス】
名前: ベンダ
年齢: 24歳
職業: 娼婦
HP: 1020
特性: 性欲 Lv5
うあっ、HP1000越え!?
私(HP300)の3倍以上あるよ! えーー!
「さっきも言ったけど特性やスキルは望まないと得られないし上がらないでしょ?」
「でも興味があるなら結構簡単に取れる特性だからね」
「頑張ればLv3までならなれると思うから」
「どうしてLv3です?」
「未経験の人は上限がLv3だから」
「え?」
「処女は、どんなに頑張っても上限がLv3だから」
ええええええ!? カンストがあるの!?
「でもLv3でも HP+300だよ」
え? 私300も上がってないよ?
なんで? (「極」が、他の項目にポイントが振られている可能性があるって事?)
「ベンダさんはLv5なのですか?」
「そうよ」
「もし教えてもらえるならLv5の詳細が知りたいです」
「いいよ、別に隠す事じゃないからね」
【特性:性欲 Lv5(一般)】
病気耐性 60%上昇
HP +500
避妊 【[入]・切】
「かな?」
うん……。 やっぱり私の**【極】**の方が異常性能(病気無効、毒無効)だね。
でも、HP上昇量だけは負けているよ。
くやしい!
私はそこから更に1時間ほど喋ってから宿に帰って来た。
う~ん……考えさせられるね。 **「オーガ討伐」か、「特性を上げる」**か。
う~ん。
私は別に後生大事にアレを守って行くつもりはない。
だって一生、男に抱かれる事は絶対に無いと言い切れるしね。
【脱】だけなら、別に男がいなくても何とかなると思う。
う~ん、 HP上昇は急務。
剣のスキル(正攻法)は無理。
オーガ討伐は面倒。
特性を上げるには心の準備が……。
う~ん。 まあ、何をするにしても一応、全部の準備だけはしておこうかな。
備えあれば患いなしだしね。
そして私は今、ある魔道具を作っています。 何を作っているかは乙女の秘密です。絶対に言いません。
彼の記憶をもとに作っているのだけど。 持ち手を入れると30cmほどの長さの物を、スライムのプニプニ素材を使って作りました。
まだ使わないけど……ちゃんと動くかだけは確かめておかないとね。
私は防音装置を起動して、実験を開始した。
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




