50話 再会の約束
翌日、私達は魔法の練習の為に敷地内の広場に来た。
ちなみに私は紺色、ブルーナは赤色のジャージを着ているよ。
「じゃあ始めようか」
「は~い」
「まずは触媒から魔力を感じて、火のイメージを強くもって」
ブルーナは目を閉じて集中している。
「イメージが出来たら、この詠唱と魔法名を言ってみて」
ブルーナは静かに詠唱しながら最後に≪ファイアー≫と言ってみたけど、何もおこらないね?
「う~、やっぱり駄目だった」
ブルーナは悔しそうにしたけど仕方ないね。
「残念だけど他のもやってみるよ?」
「うん」
その後も土・水・風・光とやってみたけど駄目だった。
「最後は闇だね」
「これも暗いイメージをしてやってみてね」
「うん」
ブルーナは集中してイメージし詠唱した。 ≪ダークアロー≫
ん? 今、ちょっと光った?
「残念、やっぱり私には無理だったね」
「でも最後、ちょっと光ったね?」
「え? そうなの? わからなかったよ?」
魔法は発動しなかったけど、私にはちょっと光った様に見えたのだけど?
「魔力が足りないのかな?」
「触媒から魔力は感じる?」
「何か、ブレスレットをしている右手だけがモヤっとするだけ」
私はブルーナの後ろに立って、右腕の肩から指先までをブルーナの右腕にピッタリと重ねてみた。
私は今、ブレスレットを外しているけど、ブルーナがしているブレスレットからも魔力を感じる事が出来た。
自分の右腕に触媒から魔力を巡らすイメージをしてみたら、問題なくできた。
「え!? 何これ?」
「どうしたの?」
「今、触媒から魔力が私の腕の中を肩まで流れて来る感覚があったの」
「今、私は自分の右腕に触媒から魔力を流してみたからかな?」
「でも自分の右腕だけだったけど」
「私も右腕の中を何かが流れる感じがしたよ?」
う~ん、ちょっと実験してみるかな。
「じゃあ今度は全身に魔力を流してみるね」
私はブルーナの後ろから全身をピッタリ重ねてた。 バックハグ状態。
「じゃあ流してみるよ?」
「はい……///」
私は再びブルーナのブレスレットから魔力を全身に流すイメージをしてみた。
するとブルーナが突然声をだした。
「うわっ! 体中を何かが巡っているのがわかるよ?」
「じゃあ、この状態のまま闇をイメージしてから詠唱と発動までやってみて?」
「わかった~」
ブルーナは集中して詠唱を始めた。 ≪ダークアロー≫
シュッ!
力ある言葉と共に、本物の闇の矢が発動した。
「うそっ! 魔法が使えた?」
「おめでとう!」
「やったー!」
「でも一人だと出来ないかも」
「じゃあ、一人でやってみて」
「あ、でも何か魔力がわかったかも?」
ブルーナは一人で魔法を使ってみたけど、闇魔法を問題なく使えるみたいだね。
「やったー! 本当に魔法が使えるよ~!」
ブルーナは飛び跳ねて喜んでいる。
「ユイのおかげだよ~! ありがと~!」
ブルーナはタックル気味に私に抱き着いてきた。
「後は地道に練習だね」
「うん、私もユイと同じ魔法使いだね? 嬉しいよ~」
「頑張っていっぱい練習するね」
「うん、頑張ってね」
その後、再び地水火風光を試してみたけど、こっちは駄目だった。
ブルーナの適正は**「闇属性」**だけみたいだね。
まあ、1つでも魔法が使えるだけでも、この世界では価値が全く違うからね。
それからも、ブルーナに時間がある日は、魔法の練習を見てあげるようにした。
それから数ケ月後。 図書館通いも終わったので、私は旅に出る事にした。
結局、3か月近くお世話になったかな。
「ユイさん、本当にありがとうございました」
「いつでも戻って来てね? あの部屋はユイちゃんの専用部屋にして空けておくからね?」
「こちらこそ、大変助かりました。ありがとうございました」
ロスさん夫婦にお礼をいって、ブルーナを見た。
「ブルーナ?」
今にも泣きそうだけど、約束を守って我慢しているみたいだね。
「用事が終わったらまた戻って来るから」
「本当に?」
「うん。でも王都とミリルナにも寄るつもりだから、少し時間がかかるかもだけど」
「1年以内には必ず戻るから」
「約束だよ?」
「うん、約束する」
私はブルーナを抱きしめた。
ブルーナは「ごめんなさい」と小声で呟いて泣き出してしまったけど、私は優しく頭を撫でてあげた。
しばらくすると落ち着いたのか、私に笑顔を向けてくれた。
「大丈夫だと思うけど、旅は気を付けてね」
「うん、ありがとう」
「じゃあ行くね」
「うん」
「いってきます」
「いってらっしゃい」
ブルーナは満面の笑みを浮かべて、いつまでも私に手を振ってくれた。
さて、次は王都だ!
読んでいただきありがとうございます。
丁度きりが良いので、1話のあとがきで伝えていた通り【完全版】の作業に移ります。
今から校正しながら、この50話まで追いつかないといけないので既に心が折れそうです、、、
【完全版】が追いつけば、こっちの続きも再開する予定です。
目標は一週間から10日後ですが、途中で心が折れたらごめんなさい。気長にお待ちいただけると嬉しいです。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




