03話 今度はスキル!?
温かい突風が、私を包み込む。
え、待って、サイクロン!? 災害級の竜巻に火をつけちゃ危ないよ!? 私燃えちゃうよ!?
「……あ~、でも温か~い」
って、そうじゃなくて!!
「魔法あるの!? 使えるの!? 魔法!? 魔法~~!!!」 「あ~! 魔法だ~~~!」
もしかしたら今日一番の衝撃かもしれない。 だって、おばあちゃんには「魔法はない」って言われたのに!
この世界には魔法が無いと信じ込んでたのに!
超興奮して、鼻血出そう。
「ユイちゃん、落ち着いて~、もうすぐ乾くから」
「それに力を調整して使っているから危険はないよ」
しばらくして完全に服が乾ききった私は、勢いよくリーニさんに詰め寄った。
「リーニさん、魔法使いなの!?」
「魔法って誰でも使えるの? リーニさんだけ特別なの?」
「昔、魔法はないか聞いたら誰も使えないって言われたの!」
「私も魔法使えるの!?」
「私も魔法を使いた~い!!」
「ちょ、ユイちゃん落ち着いて~」
「私は見ての通り魔法使いよ」
「魔法はちゃんと存在するし、私以外の魔法使いもいっぱいいるよ」
「でも王都ほど大きな街でも、魔法が使える人は全体の1割もいないからね」
「小さな町では誰も使えなくても不思議ではないわよ」
「ユイちゃんが魔法を使えるかは、やってみないとわからないね」
なるほど~! 魔法に関しては私の勘違いか~! 私は「この世界に魔法があるのか」聞いたつもりだったけど、おばあちゃんは「(この村の人は)誰も使えないよ」って意味で答えたのかな。 コミュニケーションエラーってやつだ。
その後、カインさん達とも合流して、村に向かって歩きながら色々教えてもらった。
今日は村に泊まっていくみたいなので、リーニさんに魔法を教えてもらえる事になったよ。
やった~! 私、魔法使えるかな? 楽しみすぎる~!
実は一年前、前世の記憶を見た後に色々試したけどダメだったんだ。 転生者はぶっ飛んだ魔法が使えるって相場が決まってるのに、うんともすんとも言わなくて。 まあ私は意識を乗っ取られていないし、正確には転生者じゃないからかな?
でも、あの時の事は今でも鮮明に覚えてる。 前世の記憶を初めて見た時の衝撃を。 お母さんが亡くなった直後だっただけに素直に喜べなかったけど、記憶の中の世界はありとあらゆる物に色が付いて光り輝いていて、なんて鮮やかなんだろうって思った。
それと同時に、彼(前世)の人生の全てを一瞬で「体験」することになった。 私はそれ以降、彼の記憶を自由に見れるようになり、彼が生前、見て・聞いて・体験した事をいつでも引き出せるようになった。
ただね、彼の【全て】を体験しちゃったのよ。
彼が20年ほどで人生の最後を迎える瞬間もあったし…… そこにはね、やっぱりね、13歳の女の子には刺激が強すぎる映像がいっぱいあったの。ちょっとしたトラウマだよ、まったく。
ちょっと話がそれちゃったけど。 当時、魔法やスキル、ステータスが見れないか彼の記憶を参考にやってみたけど、どれも無理だったんだよね。
だから私が魔法を使える可能性は低いだろうけど、目の前で本物の魔法を見ちゃったら、もう一度挑戦したい気持ちが溢れてきちゃって。
リーニさんにちゃんと教えてもらって、それでも無理なら綺麗さっぱり魔法は諦めるつもり。
「でも、やるからには頑張るぞ~~!」
今から魔法の練習なので、街はずれにある誰もいない広場に来ています。
リーニさんと二人で適性テストをするつもりだったんだけど、結局PTの皆もついて来ました。
ギャラリーが多い。
でも何か、リーニさんの元気が無いように見えた。
「リーニさん、ごめんなさい。疲れているなら無理しなくていいですよ?」
「え?」
「何か元気がなさそうに見えたから」
「ああ、違うの。この街に移住した知人がいるから数年ぶりに会いたかったのだけど、探したらもういないってわかったから、残念だな~って思ってただけ」
「それは……残念ですね」
「うん。でも大丈夫だから始めるよ!」
マニカ達がこっちを見ながら手を振った。
「私達は見てるだけで邪魔しないから、気にしないで~」
「じゃあ基本的な事から順番に教えるね」
「はい、リーニ先生!」 「せ、先生!?」
「はい、お願いします!」
リーニさんは恥ずかしそうにしてたけど、先生と呼ばれてまんざらでもなさそう。可愛い。
「まず主要な魔法には、地・水・火・風・光・闇の6属性があります」
「それぞれの魔法にはLvが存在し、レベルが上がればその魔法も強力なものになっていきます」
「魔法やスキルに共通して言えることですが……」
「っ!?」
「スキルーー!?」
今、スキルって言ったよね!? 何気に聞き流してしまいそうになったけど!
「先生! スキルは存在するのですか?」
「私もスキルを使えますか!?」
「え? スキル?」
リーニさんは私がスキルに食いついた事にビックリしてたけど、重要なことだからね!
「はい、スキルです!」
「もちろんスキルは存在するよ」
「冒険者でもスキル持ちは能力の底上げになる事が多いし、生産系の職人でも優遇されるしね」
「それに魔法よりスキル持ちの方が多いかな」
「魔法と同じように、王都で例えるとスキル持ちは全体の2~3割くらい」
「スキルも簡単には習得しないから、ユイちゃんが覚えられるかはわからないけどね」
「まあ、両方持っている人もいるけど。大体は2つ、稀に3つ以上持ってる人もいるよ」
うわ~~、スキルもあったんだ~~!! 夢が広がるな~~!! 『裁縫スキル』とか『鑑定スキル』とかあったら最高じゃない?
「リーニ先生、ありがとうございます! 魔法の話の続きをお願いします!」
「はい。え~っと、魔法やスキルに共通して言えることですが」
「レベルの上限は10です」
「基本的に強い敵を倒せば倒すほどレベルは上がると言われていますが、レベルが上がるほど条件が厳しくなっていくと言われています」
「?」 私は手を挙げた。
「リーニ先生、その『条件』って誰も知らないのですか?」
「そうですね、正確な条件は誰も知らないです」
「Lv1からLv2に上がるだけでも何年、何十年とかかる人もいますし」
「ええええええ!?」 何十年!? 鬼畜仕様すぎる!
「じゃあ現在Lv10を持ってる人って、いないのですか?」
「多分、いないんじゃないかな?」
「Lv10なんて過去の伝説級の英雄とか、歴史に名を残すような人だろうし」
「冒険者でも、魔法かスキルでLv5でも持っていれば『一流』って言われるからね」
「生涯最高レベルは3で終わる人が一番多かったはずよ」
「冒険者は特に40歳前後で引退する人が多いし、体力・気力とか考えると現実的に強さのピークはそれぐらいだし」
ふむふむ、なるほど。 でも、さっきから凄い違和感と言うか、モヤっとしていたことの正体に今、気が付いた!
おばあちゃんは言った。「魔法もスキルもステータスもない」って。 でも魔法とスキルはあった。 じゃあ、残る一つは……?
「リーニ先生! 魔法のLv1とかLv2とかって、どうやって確認するのですか?」 「え? ステータスを見ればいいんじゃない?」
「!!!」
ステータスも あるんかーい!!!!
読んでいただきありがとうございます。
基本は一週間ごとに更新するつもりです。
ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。
また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。
最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。




