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戦極結承 ◇◇ ~バッドエンドへ向かう少女の物語~  作者: 空斬しゅう


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02話 私の世界をひっくり返す魔法の風

ドォォォン!!


強烈な横風が魔獣の動きを止めたかと思ったら、大きな盾を持った男の人が私と魔獣の間に割り込んで盾をかざした! それと同時に、私と同じくらいの女の子がミサイルみたいに突っ込んできて、魔獣に飛び蹴りをお見舞い! 魔獣がボールみたいに吹っ飛んだ!


転がって止まったところに、もう一人の女の子が両手のナイフで魔獣の前足をズバババッ! と切り裂いて、とどめに大きな両手剣を持った男性が、強烈な一撃で魔獣の首を切り落とした。


……オーバーキルすぎる。


私は何が起こったのか処理できなくて固まってたんだけど、そこに女性が話しかけてきた。

20代くらいで、長い髪に動きづらそうな服装。武器は持ってない。魔法使いかな?



「大丈夫? ケガはない?」


「えっと…」


「私は冒険者のリーニよ」



それでようやく助かったんだって理解できたけど、いろんな理由で腰が抜けて動けない。



「はい、大丈夫です。助けていただいてありがとうございます…」


「そう、よかった」



さっき飛び蹴りしてた、ショートカットで元気爆発!って感じの女の子も近づいてきた。



「ほら、気になって追いかけて正解だったでしょ? 人助けもできたし!」


「この狼はレアタイプだったから、いい戦利品もゲットできたしね~」


「私はマニカ、よろしくね!」



ナイフ使いで、私と同じ黒髪ポニーテールの女の子も来た。


「ま、結果オーライね」 「私はリアよ」


「あの大きな盾を持ってるのがカイン。両手剣で首跳ねたのがゼイナスよ」 「それで、えーっと」



「私はユイと言います」


「ユイちゃんね。立てる? 家まで送っていくよ」


「あ、えっと大丈夫です! も、もうしばらく休んでから帰りますから!」


「こっちのことは気にしなくていいよ。ちゃんと送ってくから安心して」


「あ、いえ、その…」



カインさんが不思議そうにしてると、リーニさんが私の様子を見て「あッ」って顔をした。



「あらら~ よく見たら泥だらけね」


「ユイちゃん、あっちに川があったから汚れ落としに行こっか」


「カイン達はあっちに行ってて!」 「え? あ、わかった」



リーニさんの剣幕に押されて、男性陣は反対側に去っていった。


リーニさんは小声で「大丈夫だよ」って微笑んで、私の手を握ってくれた。


たぶん、バレたんだと思う。 あまりの恐怖で腰抜かして、ついでにお漏らしまでしちゃったことに。


うう、死にたい…。


私は服も下着も脱いで全裸になって、川で体や衣類の汚れを落としてたんだけど、なぜかマニカさんとリアさんも全裸になって川に入ってきた。


「ちょ、え!?」


「いや~、この暑い日に冷たい川の水は最高だね~!」



もしかして私が一人で全裸になって恥ずかしくないように、付き合ってくれたのかな?

真相はわからないけど、みんな優しい人たちだ。


しばらく一緒にバシャバシャ遊んでたら、マニカさんが聞いてきた。


「ねえ、ユイちゃんって何歳なの?」


「私は先月14歳になったところです」


「やっぱり! じゃあ私たちと同い年だね」



え? 身長は私の方があるけど、正直びっくりした。


「マニカさんもリアさんも、あんなに強いし年上だと思ってました」 それに二人の方が胸も大きいし。発育どうなってんの。



「でも同い年ならユイちゃんはおかしいよね」


「ユイって呼ぶね」


「そだね~ 私もそうするから、私たちのことも“さん”付けはいらないからね?」


「うん、わかった。…初めての友達ができたみたいで嬉しい」


「ユイ、何言ってるの? 私たちはもう友達でしょ?」



さらっと言われた言葉が嬉しくて、また泣きそうになっちゃった。


「うん、ありがとう!」



その後も三人で遊んだりおしゃべりしたりしてたけど、リーニさんはずっとニコニコして眺めてた。 本当にお母さんみたいないい人だなあ。


そろそろ干してた服も乾いたかな? と思って川から上がって着てみたんだけど、やっぱりまだ生乾きだった。

しかも、こういう時に限って下着は上下とも濃いピンク色。

濡れた白いワンピースから、もう思いっきり透けてる。



「うー、恥ずかしい…!」


私が腕で胸を隠すと、マニカとリアが興味津々で覗き込んできた。



「ユイは下着も綺麗な色が付いてて、いいな~」


「なんかエロい格好だけど、ユイだとエロくないね?」


「それはきっと、体がまだ真っ平らだからだよ」


「確かにね~」



二人の視線が、私の胸へ突き刺さる。 あ、今、憐れんだ目で見たね?



「は~!?(怒)」

「最近ちょっとふっくらしてきたんですけど!? だからブラも付けているんですけど!?」



ぺったんこではない! ここは断固として訂正しておかないと、私の名誉に関わる!



「ごめんごめん、そんなに怒らないでよ」


「そうそう、これからだよね、これから」


「「うん、うん(生温かい目)」」



……なんかバカにされてる気がするけど、ここは我慢だ。 確かに二人の方が女の子らしくふっくらしてるし、負けてるけどさ。

私はまだ成長期だから! ポテンシャルの塊だから!



「でもユイの町には、そんな綺麗な布が売ってるの?」


「はじめて見たよ」


「私も~」


「これは私が色を材料から作って染めたの」


「「え、すご~い!!」」


「私も欲しいな~、この服に色を付けた~い!」


「私も! お金はちゃんと払うから色をつけて?」



二人の目がキラキラしてる。やっぱり女の子はオシャレに敏感だね。



「うん、いいよ」


「それとお金はいらないよ。助けてくれたお礼と、そ、その…」 「と、友達だから」



「ありがと~! ユイ大好き!」



二人に挟まれて、ぎゅーって抱きしめられた。 うう、いい匂いがする。幸せ。



「ただ染色は時間がかかるの。希望の色とかサイズとか教えてくれたら作っておくよ」


「1ヶ月もあれば二人分ができると思う」


「そっか~。じゃあ用事が終わったら取りに来るよ」


「ちょっと遠出だから、もう少し遅くなっちゃうかもしれないけど、絶対にまた来るから」


「うん、わかった。頑張って可愛いのを作っておくね!」


「そういえば、遠くで黄色い何かが動いてたから『確認しに行く~』って追いかけたんだよね」


「そうだよ。マニカが突然『黄色い未確認生物発見!』って走り出したから、みんな慌てて追いかけたのよ。

それが人だとわかった時には近くに魔獣も見えたから、もう必死。マニカは魔獣へ、カインがユイの方へ特攻したってわけ」



「でも結果的にユイのピンチを救えてよかったわ」


「まさか色のついてる服だとは思わなかったよね~」


「ええ」



なるほど、私の黄色のカーディガンが目印になったわけか。 派手な色は生存率を上げる…覚えておこう。



「じゃあそろそろ行こうか」



私たちが移動しようとすると、リーニさんが駆け寄ってきて、私の方を見た。



「ちょっと待ってね~」


「そのままだと風邪ひいちゃうから、乾かすわね」



そう言って、リーニさんが何かをブツブツと詠唱し始めた。



「――ファイヤーサイクロン!」



「!!?」


ま、魔法!?


読んでいただきありがとうございます。




基本は一週間ごとに更新するつもりです。

ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。



また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。


最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。

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