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戦極結承 ◇◇ ~バッドエンドへ向かう少女の物語~  作者: 空斬しゅう


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01話 少女結衣(ユイ)の物語

 ここは緑に囲まれたのどかな町、ナルイラ。めっちゃ田舎だけど、地球じゃないんだよね。 いわゆる異世界ってやつ。


 でも最初に言っとくね。 私は私。前世の人格に乗っ取られたりしてないから。


 前世の記憶を思い出したのは、ちょうど一年前。 「思い出した」って言っても、前世の記憶が鮮明に蘇っただけ。


 この世界には、現代科学なんてものは一切なくて、魔法もスキルもステータスも存在しない。


小さい頃、絵本に出てきた魔法を見て、おばあちゃんに「私も魔法使いたい!」「魔法ってないの?」って聞いたら、 「残念だけど、魔法は誰も使えないよ」って言われて、夢がバキバキに砕けたっけ。


 だから主な武器は剣とか槍とか弓とか、そんな感じ。


この町には冒険者なんてほとんど来ないから、詳しいことはよくわかんない。


食材は魔物とか魔獣を食べるよ。普通の動物は基本食べないの。


 魔法はないけど、魔力はある。


生活に欠かせないエネルギー源は「魔石」で、魔物や魔獣を倒してゲットする。


光とか火とか水とか、生活に必要な道具には全部魔石が組み込まれてて、使うたびに魔力が必要。


 で、魔力は寝てる時しか回復しない。


でも、魔物とか魔獣を食べると、起きててもMPがじわじわ回復するんだよね。


だいたい一回の食事で、効果時間は5時間、MPは30くらい回復するって言われてる。


日常でMP使っても、3食ちゃんと食べてれば問題なく暮らせるってわけ。


まあ、そんな理由で普通の動物は食べない文化になってるんだろうね。




 今ね、ちょっと町から離れたところでお花摘みに来てるんだ。


「今日は何色の花にしようかな~」


「昨日は水色だったし、今日はピンクにしよっかな~」


 そうそう、この世界ってさ、もうひとつ足りないものがあるの。 それは【色】!


 村の外からたま~に来る商人とか冒険者も、みんな似たような色の服ばっかりでさ。


ベージュ、グレー、薄茶色…武器は原色系。 【ザ・地味】って感じの世界なのよ。



 昔、お母さんに「この綺麗なお花みたいな色の服が着たい!」って言ったら、 「え? そんな綺麗な色の糸や生地なんて王都でも見たことないわね」


「王族や貴族の人たちは、色よりも材質重視だし、そもそも意図的に色をつけてるものなんて見たことないわ」 って言われたの。


そう、この世界って服も物も建物も、ぜーんぶ原色オンリー。


 …っていう話を聞いてるだけで、実は私、外の町に行ったことないんだよね。


一度は行ってみたいな~って思ってる。


だってこの町、25歳以下って私だけなんだよ!? ぼっちじゃないよ? 寂しくもないし、村の人たちはみんな優しくしてくれるし。


でもやっぱり友達欲しいし、他にもいろいろ理由があって、数年後には自立して外に出るつもり! まだ誰にも言ってないけどね。



 昔から、どうしても綺麗な色の服が着たくて、色ってどうやって作るんだろう? どうやって染めるの? 洗濯しても落ちないようにするには? って、ずーっと一人で研究してた。


でね、一年前に前世の記憶が見れるようになって、原材料とか作り方がわかったから、毎日コツコツ練習してるの。 今日もその材料集めに来てるってわけ。


「やっぱりもう一回、黄色にチャレンジしてみようかな~」


「黄色って難しいんだよね~、もうちょい違うの探してみよっかな~」



 前世の記憶とまったく同じものは見つからないけど、似たようなもので代用してる。でも成分がちょっと違うのかも?


そのあと、のんびり素材になりそうなものを探して、「今日はこれにしよっかな~」って決めて、黄色の素材をいっぱい採って村に帰った。



「ただいま~」 いつも通り、村の入り口で門番してるおじいちゃんに挨拶。


「おお、よかった~無事だったか」


「どうしたの?」


「ミリルナ(隣の町)付近からナルイラ方向に魔獣の群れが移動してるって報告があってな。これから嬢ちゃんを迎えに行こうと、みんなで準備してたところだったんじゃ」


「そうなんだ、ごめんね、迷惑かけちゃって」


 私が頭を下げると、おじいちゃんは「子供を守るのは大人の仕事じゃ、そんなこと気にせんでええ」って言ってくれた。優しい世界でしょう?


「ありがとう。でも町は大丈夫かな? ちょっと不安…」


「心配ない。20匹ほどの狼族だったらしいが、ミリルナで冒険者PTに討伐依頼したって聞いた。しばらく村に籠っておれば、討伐完了の知らせがくるから大丈夫じゃよ」


「うん、じゃあ家に籠って色の研究でもしておくね」


「そうじゃな、早く戻ってロブ爺さんたちを安心させてやれ」



 ロブ爺さんは私のおじいちゃん。お母さんは1年前に亡くなって、今はおじいちゃんとおばあちゃんと私の3人暮らし。


 門番のおじいちゃんにお礼を言って家に帰って、それから数日は家に籠って色の実験したり、家事したりして過ごしてたら、魔獣の群れは無事に討伐されたって伝えられた。



 この数日の実験で、なんとか黄色も作れるようになって大満足! これで黒・白・赤・青・紫・黄色が単独で作れるようになって、混ぜ合わせればかなりの色が表現できるようになったよ。 まあ、生地に染める作業はちょっと大変だけどね。


 せっかくだし、白のワンピースの上に作ったばかりの黄色のカーディガンを着てお出かけしよっと。


ちなみに服は全部自分で作ってるよ、偉いでしょ?


 ルンルン気分で村の外をお散歩しながら、採取もして森の奥へ。 小一時間くらい歩いて、ちょっと休憩してたら、茂みの方からガサガサって音がした。


 なんか…すっごく嫌な予感。 そして嫌な予感って当たるもので、出てきたのは狼族の魔獣1匹!



「嘘、、討伐されたって言ってたのに!」


「に、にげなきゃ…!」



 無理だって頭ではわかってたけど、驚きと恐怖で体が固まって、それでもなんとか無理やり動かして走った! でも案の定、すぐ追いつかれて、噛みつかれそうになったところをギリギリで回避! …したものの、地面に転がって尻もちついちゃった。


 目の前には、よだれを垂らした魔獣。 怖すぎて声も出ない。


涙だけがボロボロ流れてくる。 動けない私に魔獣が近づいてきて、大きな口がガバッと開くのを見て、「あ、死んだ」って覚悟した。


 その瞬間、いろんな音が一気に聞こえた!


読んでいただきありがとうございます。


今日はこの後、数回更新する予定ですが、基本は一週間ごとに更新するつもりです。

ただ状況によってはきりのいい所まで連発で投げるかもです。


また今後の展開について。R15に収まるように調整はしていますが、残酷な描写や、少しHな描写が入ってきます。この事を不快に思ったり、苦手な方はここで閉じていただき、続きを読むのは控えてください。

尚、制限を解除した【完全版】は今後、ノクターンノベルズに投げて行きます。(こちらは年齢制限がありますのでご注意ください)


最後に投稿へのモチベーションを維持する為にも、コメントや評価、ブックマークをして頂けると執筆を続ける励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。


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